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投稿日: 2024.08.27 18:26
更新日: 2024.08.28 00:45

母の勘違いが人生と旦那を決めちゃった!? 自身のルーツと女性ドライバーとしての課題【KYOJP CUPインタビューvol.2/斎藤愛未】


国内レース他 | 母の勘違いが人生と旦那を決めちゃった!? 自身のルーツと女性ドライバーとしての課題【KYOJP CUPインタビューvol.2/斎藤愛未】

⎯⎯憧れのドライバーをお聞きしたいのですが、やはり旦那様になるのでしょうか?

斎藤:いや、私は憧れのドライバーを作ってないといいますか、あえて見ないようにしています。『誰にでも挑める』という気持ちでレースをやっているので、つねに戦闘態勢です(笑)。もちろん主人のドライビングを見て学ぶこともありますし、尊敬する部分もたくさんあります。でもあえて言うと“憧れ”ではないです!(笑)

⎯⎯そうなのですね(笑)。では、自分自身のドライバーとしての長所、そして課題と思う部分を教えてください。

斎藤:長所は、バトルにおいて頭をよく使えると思うことと、ひとりで走行すると速く走れるところです。短所は細かい部分になってしまうのですが、クルマを旋回させる、向きを変える最初のきっかけの作り方があまり得意ではありません。それが今の課題で、三浦監督にも「そこを直しなさい」と言われてるので、一生懸命努力中です。

母の勘違いが人生と旦那を決めちゃった⁉ 自身のルーツと女性ドライバーとしての課題【KYOJP CUPインタビューvol.2/斎藤愛未】
第2戦で3番手からスタートした斎藤は、8周目のホームストレートでスリップストリームを使ってトップに立ち、初優勝を飾っている

⎯⎯ドライビングに関して、夫の坪井選手には相談はしないのですか?

斎藤:相談することもありますが、やはり“天才的な部分”があります。教える言葉が少し難しくて理解できないので、そういった意味では三浦監督がすごく噛み砕いて教えてくれるので、ある意味で頼りにしてるのは三浦監督です(苦笑)。

⎯⎯KYOJO CUPを含めて、年々レースに参加する女性が増えています。女性がレースに参戦することの難しい点、そしてメリットと思われる点を教えていただけますか?

斎藤:やはり体力面ですね。あとは圧倒的に男性が多い職業なので、そのなかでいちばんになることは大変です。でも、男性のなかでもいちばんにならないとプロになることができないのが現状だと思っているので、その部分は同じくシビアな世界なのかなと思っています。最近は女性を応援する世界的な試みが増えてきているので、注目度は男性より多いと思っています。実際にYouTubeの再生回数は、インタープロトシリーズよりKYOJO CUPが多くなってきていて、そういった面では女性のほうが注目されやすいのはメリットだと私は思っています。

⎯⎯体力面で難しい部分をもう少し具体的に教えていただけますか?

斎藤:体力面の課題というのは、瞬発的な筋肉のことだと思います。男性と体格が異なる分、もちろん筋肉の大きさが違うので、いざというときに難しい部分があるのではないかなと個人的に思っています。男性と戦い、男性よりも速く走りたいという気持ちはありますけど、体力面の課題は事実です。なので、その部分はしっかりと受け止め、自分のできることをやっていこうかなと思っています。

⎯⎯今季の目標はもちろん、KYOJO CUPのチャンピオン獲得だと思いますが、その先について、どういったドライバーになりたいというビジョンはありますか?

斎藤:スーパーGT GT300クラスで走りたいという夢がいちばんにあります。でも、それと同じくらいこのKYOJO CUP、女性のカテゴリーを育てていきたいという気持ちも大きくあるので、そのふたつが“2大目標”です。

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 このインタビューの直後、スーパーフォーミュラと併催となったKYOJO CUP第2戦で初優勝を飾り、翌日の第3戦も連勝を飾った斎藤。同じ週末には夫の坪井もスーパーフォーミュラで4年ぶりの優勝を飾り、前代未聞の“夫婦優勝”を飾ることになった。さらに斎藤は8月18日のKYOJO CUP第4戦もポール・トゥ・ウインで制し、ランキング2位との点差をさらに広げた。果たしてこのままランキングトップを守り続けることができるのだろうか。斎藤、そして夫の坪井とともに、今年は夫婦での成績が楽しみになりそうだ。

⚫︎Profile

斎藤愛未(さいとう・あいみ)神奈川県出身、8月18日生まれ。
2020年からKYOJO CUPに参戦し、2022年、2023年においてはシリーズランキング3位を獲得している。今季2024年シーズンからTeam M 岡部自動車 D.D.R VITAにチームを移籍し、第2戦、第3戦、第4戦を制して3連勝を成し遂げている。第4戦終了時点でのポイントランキングは1位。

母の勘違いが人生と旦那を決めちゃった⁉ 自身のルーツと女性ドライバーとしての課題【KYOJP CUPインタビューvol.2/斎藤愛未】
KYOJO CUP第2戦にて初優勝を飾った斎藤愛未。
チーム監督の三浦愛(左)と夫の坪井翔(右)がレース後のパルクフェルメに駆け付けた


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