Porsche Team EBI 2024スーパー耐久第3戦オートポリス レースレポート
Porsche Team EBI
Super Taikyu RACE REPORT
2024 Round.03 AUTOPOLIS
ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第3戦 スーパー耐久 in オートポリス
2024年7月27日(土)〜7月28日(日) 決勝レース結果:7位
STMO専有走行
7月25日(木) 特別スポーツ走行1回目/2回目 天候:晴れ 路面:ドライ
7月26日(金) STMO専有走行1回目/2回目 天候:曇り 路面:ドライ/セミウエット
2024年のスーパー耐久シリーズは、5月に行われた第2戦富士SUPER TEC 24時間レースから約2ヶ月のインターバルを経て、第3戦を迎えた。舞台は大分県日田市のオートポリス。阿蘇の山間にあるコースで、タイヤに非常に厳しい特性をもつ。
そんな第3戦のレースウイークは、7月25日(木)にスタートした。気温30度を超える7月の暑さのなか、Porsche Team EBIは午後1時からスタートした特別スポーツ走行1回目には参加せず、午後3時30分から行われた特別スポーツ走行2回目から週末に向けた作業をスタートさせた。ただ、初日にドライブしたのは久保凜太郎のみで、まずは感触の良さを確認。他3人のドライバーは走行2日目となった7月26日(金)の専有走行1回目から合流した。
やや涼しさが感じられる午前10時からの1回目では、まずは久保からドライブ。北園将太、岩澤優吾と交代していく。午後1時45分からの全クラス混走の専有走行2回目を前にサーキットには強い雨が降ったが、走行開始直前に雨は止み、山野直也から4人が交代しながらドライブ。週末に向け準備を進めていった。午前は2分00秒059というベストタイムで6番手、午後は1分59秒325で5番手という順位だが、今回もやはりライバルにスピードがありそうだった。
また、実は北園はオートポリスに訪れたこと自体が初めて。多めに周回を重ねていたものの、サーキットの習熟を進めるべく、専有走行後もコースウォークに臨むなど、予選に向けて急ピッチで準備を進めていった。
公式予選
7月27日(土) 公式予選 天候:晴れ 路面:ドライ
気温30度を超える酷暑のなか迎えた7月27日(土)の予選日。午前フリー走行に続き、午後1時15分からの公式予選に臨んだ。
まずAドライバー予選に出走したのは北園。前日から必死にオートポリスへの習熟を進めていった成果もあり、2分00秒160というタイムを記録したが、僅差の8番手。5〜6番手まではあとわずかだっただけに悔しいところ。続くBドライバー予選では、久保が1分57秒208を記録するも、6番手という結果に。合算では7番手につけることになった。
Cドライバー予選では山野が、Dドライバー予選では岩澤がきっちりと走行を終えたが、ライバルたちが速い。今回の性能調整は自然吸気エンジンにとって良い方向になっているはずだが、それを上回るスピード差が感じられる結果となった。
決勝レース
7月28日(日) 決勝 天候:晴れ 路面:ドライ
爽やかな風が吹いてはいたものの、気温30度前後の暑さのなか迎えた7月28日(日)の決勝日。午前11時からのレースに向け、スタートドライバーを務めたのは北園だ。今回、チームとして今後の作戦の幅を広げるべく、北園に初めてのスタートを任せることになった。
2日間の走行で、他のドライバーも北園に走行時間を分けるなど、少しずつオートポリスにも慣れていった北園は、ここまで作り上げてきたセットアップの良さも活かし、スタートの大役をしっかり務め7番手でレースを進めていく。
そんな北園の前方では、プロドライバーたちによるST-Zクラスの激しい上位争いが展開されていたが、ちょうど開始から1時間が過ぎたタイミングで、2番手を争っていた#52 GR Supra GT4と#20 Z NISMO GT4が1コーナーの進入で激しくクラッシュ。レースは20分間ほどのセーフティカーランとなった。
今回北園をスタートドライバーに据えていたことで、セーフティカーランの時間が長くなればAドライバーに定められた義務走行時間を消化することができるが、逆にAドライバーハンディキャップのピットストップがセーフティカーラン時には行えない。チームにとってはハンディキャップのピットをこなせない分、わずかにマイナスになってしまった。
とはいえ、セーフティカーラン時にピット作業が行えないわけではない。チームはまず北園を一度呼び戻し、給油のみを行った。ただ、このタイミングが悪く、セーフティカーが通過。1周のビハインドを負ってしまう。
とはいえ、悲観してばかりもいられない。セーフティカーランが明けた後、北園は再度ピットインし岩澤にステアリングを託した。
岩澤は第2スティントで着実にレースを進めていく。フィーリングは悪くなく、岩澤もスーパー耐久での戦い方に慣れ、快調にラップを重ねていくが、ライバルのスピードの前になかなかギャップを縮めることができなかった。
岩澤は81周まで周回を重ねると、ピットインし山野に交代。「この車両で戦いはじめてから三本の指に入る」好感触を得て山野もラップを重ねていくが、この頃には上位陣のギャップが広がっており、なかなかポジションは上がっていかなかった。111周にはふたたびピットに戻ると、チームはアンカーを久保に託した。
コース上にはタイヤカスが多く出て難しいコンディションとなっていた終盤戦だったが、久保は最後まで集中を切らさず、140周を走り切りフィニッシュ。7位という結果を残した。
ライバルたちの速さの前に、表彰台争いとはいかなかったが、上位争いが可能になる手ごたえを得た一戦となった。次戦は得意なもてぎ。優勝争いを目指すべく、準備を進めていく。
DRIVER COMMENTS
SHOTA KITAZONO 北園 将太
「初めてのオートポリスだったので、シミュレーターなどである程度のイメージは入っていましたが、やはり走るとまったく違うものでした。また高地でのレースも初めてで、皆さんの協力を得ながら短期間で吸収したので、すごく濃い3日間だったと思います。スタートも初めてでしたが、緊張もなく集団のなかで戦うことができました。チームのバックアップの厚さを大きく感じた一戦でしたね。また今回、事前にミーティングを多くこなし、大きな改善をすることができました。そういった点でも良い一戦になったと思います」
RINTARO KUBO 久保 凛太郎
「走り出しからセットアップを進め、良いところを見つけることができました。ライバルが速いなかで、何かが起きたときに良い位置にいられるよう準備してきました。予選では満足がいくアタックができましたが、やはりライバルのスピードがありましたね。今回、僕の発案で北園選手がスタートを務めましたが、セーフティカーが出たのは予想外でした。僕たちにとっては良い方向には向きませんでした。クルマはペースも良く、乗っていて楽しさを感じるクルマになっていたので、もてぎに向けてさらに取り組んでいきたいです」
NAOYA YAMANO 山野 直也
「今回は作戦の幅を増やすべく北園選手をスタートに据え、戦略の自由度を高める狙いをもっていましたが、今週はあまりアクシデントがなくセーフティカーは入らないだろうと踏んでいたんです。ただ序盤に入ってしまい、そこでハンディキャップのストップをこなせなかったこと、セーフティカーが1周通過してしまったことが響いてしまいました。ただ、今回はミーティングも重ね、トラブルも出ず、またこれまでの三本の指に入るほどフィーリングが良かったので、得意な次戦もてぎに繋げていきたいと思っています」
YUGO IWASAWA 岩澤 優吾
「個人的に、GT4というクルマとスーパー耐久にかなり慣れてきました。走り出しから違和感もなく、タイムも出たので、ドライビングの面では良くなってきたと思います。決勝レースでも、ライバルと戦える感覚がありましたし、意識することもなくタイムが出ていました。チームとしては戦略の面など足りないところもまだあると感じているので、チームの皆さんとしっかりと力を合わせて、さらに上位を目指していきたいと思います。チームからも次のもてぎは得意コースだと聞いているので、優勝を目指していきたいですね」