更新日: 2024.08.09 22:58
OTG Motor Sports 2024年FIA-F4第3大会富士 レースレポート
FIA F4選手権 2024 Rd.5-6 富士スピードウェイ
OTG MOTORSPORTS REPORT
#60 OTG DL F4CHALLENGE 熊谷憲太選手
2015年からスタートしたFIA F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP(FIA F4選手権)は、昨年までF110と呼ばれるシャシーを9年にわたって使用してきたが、今季からドライバーの頭部を保護するヘイローを採用した安全性の高い『MCS4-24』に移行した。またエンジンは2.0Lの排気量こそ変わらないが、最高出力を向上させたトムスTMA43がセットされている。
2世代目のマシンへと移行した2024年のFIA F4選手権だが、今季も主催するGTAが行なっているスカラシップの『FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE DRIVER』は継続して実施。同スカラシップは大阪トヨペットグループとダンロップタイヤが支援し、選出されるとOTG MOTORSPORTSから1年間のエントリーが許される。今季は6代目のドライバーとして熊谷憲太選手が選ばれている。
熊谷選手は4輪初レースながら開幕戦と第2戦の富士スピードウェイではポイントを獲得したものの、第3戦と第4戦の鈴鹿サーキットでは入賞を逃し、上位で走るためには課題の克服が急務となっている。
迎えた第5戦、第6戦の富士スピードウェイラウンドは、8月3日(土)に予選と第5戦の決勝レース、4日(日)に第6戦の決勝レースが実施された。
■予選
8月3日(土)7時45分~8時05分(チャンピオンクラス)
第5戦11番手 1分46秒662
第6戦11番手 1分46秒749
今季のFIA F4選手権は、プロドライバーを目指す若手選手が集うチャンピオンクラスと、ジェントルマンドライバーや女性ドライバーがエントリーできるインディペンデントクラスの2クラスに分けられていて、予選もそれぞれが独立して行なわれる。
熊谷選手が参戦しているチャンピオンクラスの予選は、3日の7時45分から8時05分の20分間にわたって実施された。富士スピードウェイはストレートが長く、予選でスリップストリームが使えるかが結果に影響を与える。熊谷選手は先行するマシンとの間合いを図りアタックを行ない、計測5周目に1分49秒台をマークすると、翌周には1分47秒167までタイムアップ。さらに計測7周目にはセクター1でベストタイムをマークし、1分46秒662までタイムを更新する。
この時点ではタイム計時モニターで7番手となっていたが、ライバル勢もタイムを伸ばしていく。結果として、第5戦のグリッドが決まるベストタイムは1分46秒662、第6戦のグリッドとなるセカンドベストタイムは1分46秒749で、ともに11番手となった。
■第5戦
8月3日(土)12時15分スタート
スタート11番手、フィニッシュ12位
予選から約4時間のインターバルを経て、第5戦の決勝レースが14周で実施された。
11番グリッドからスタートした熊谷選手は1周目の熾烈なポジション争いで、やや後退してしまう。1周目のコントロールラインを14番手で通過すると、先行するマシンをテール・トゥ・ノーズで追った。
4周目には1台をパスすると5周目には自己ベストタイムとなる1分47秒697をマークする。しかし、8周目に先行するマシンを抜こうとした際に接触してしまう。このタイミングと10周目にも後続のマシンに抜かれて15番手まで後退。しかし熊谷選手はレース終盤に意地を見せて、11周目に1台をパスすると、ファイナルラップには上位のマシンにトラブルが起きたため、14周目に13番手でチェッカーを受けた。
正式結果では上位でフィニッシュしたマシンにペナルティが与えられ、12位となっている。
■第6戦
8月4日(日)8時40分スタート
スタート11番手 フィニッシュ9位
予選と第5戦が実施された3日と同様に、第6戦の決勝レース日となった4日も朝から強い日差しが照り付けた。熊谷選手は第5戦と同じく11番グリッドにマシンを並べ、スタートを待った。8時43分にシグナルが点灯し、2クラス合わせて36台のマシンが一斉に14周先のゴールを目指した。
熊谷選手のスタートは良かったものの、1コーナーとコカ・コーラコーナーで数台に抜かれてしまう。その後、トップが最終コーナーに向かうところで、後続集団で発生したクラッシュによってセーフティーカーが導入される。セーフティカーランは5周目まで続き、6周目にレースはリスタート。13番手から追い上げることとなった熊谷選手は、8周目に自己ベストタイムを更新すると、12番手に浮上する。
10周目にも1分47秒374の自己ベストタイムを記録すると、9台が連なる4番手争いに加わる。11周目には序盤からテール・トゥ・ノーズで競っていた33号車をパスすると、さらに先行車を追った。
ファイナルラップには3番手のマシンがスピンしたため10番手に上がったが、最終コーナーで1台に抜かれて11番手でチェッカーを受けた。正式結果では先行していたマシンにペナルティが与えられ、9位でポイントを獲得した。
■コメント
熊谷憲太選手
「練習走行の走り出しからタイムが伸びず上位のマシンとは1.5秒ほどの差がついていました。セットアップも含めて打開策を考えたのですが、良い方向には進みませんでした。練習走行の挙動などを吉本大樹選手に見ていただき、リアを中心にセットアップを変えていきました。予選ではトップと0.6秒くらいのギャップに縮まりましたが、走り始めからもっとレベルを上げる必要性を感じています」
「決勝レースは第5戦、第6戦ともにオープニングラップで順位を下げてしまい、第5戦ではポイント圏内に入ることができませんでした。また、第5戦では中盤に先行するマシンと接触をしてしまい迷惑を掛けました。決勝レース中の駆け引きやバトルの仕方などは開幕戦から課題になっているところで、乗り越えなければいけないと思っています」
「第6戦については、パッシングするシーンも生み出せたので良い部分もありました。練習走行から決勝レースまでさまざまな課題がありますが、ひとつずつクリアしていきたいです」