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──メンタル面の話ということですと、佐野選手はレースで緊張するタイプですか?

佐野:今(インタビュー中)も緊張しています(苦笑)。僕はレースをしているときもけっこう緊張したりします。基本的にいつもレースは楽しみではあるのですけど、今後ステップアップしていく部分では結果を残さないといけない状況です。そういったことを考えると『結果を残さないといけない』と緊張してしまう部分が大きいです。

──それは佐野選手のなかで短所になるのでしょうか?

佐野:短所でもあり長所でもあるかなと思っています。おそらくレースが楽しみで、レースに人生を賭けているから緊張するのだと思うので、そういった部分はプラスに捉えていて、レースのためならかなり頑張ることができるのが長所です。基本的に諦めるようなことはしません。

──佐野選手は現在17歳で高校生レーシングドライバーですね。学校生活とレーサーはどのように両立させているのでしょうか?

佐野:学校側もレーシングドライバーの活動は理解してくれています。夏休みはほぼレース漬けの日々になり、ふだんは授業を休むことも多いので授業内容が遅れてしまったりするのですけど、ノートを写させてもらったりなど、そういった部分で補っています。なので、意外と高校生とレーサーの両立は成り立っています。

──そうなのですね。では、高校生レーサーから見た憧れの選手などはいらっしゃいますか?

佐野:ニック・デ・フリース選手に憧れていて、ル・マンでお話させていただいたときに、対応がすごくフレンドリーでした。僕が話しかけたらいろいろと答えてくれましたし、逆にデ・フリース選手からも話しかけてくれて、『自分もこうなりたいな』と思わせてくれるドライバーでした。

──そのデ・フリース選手が参戦していたF1、そして実際に現地で見たWEC(世界耐久選手権)などを含め、佐野選手が将来参戦したいカテゴリーはありますでしょうか?

佐野:僕はもともと世界のレースに参戦したいと思っていて、今年のル・マン24時間レースで実際に世界の舞台を見ることができました。やはり、ル・マンの現場に行ったことで『世界を目指したい』という気持ちがいっそう強くなりました。

──では、その目標に向けて今季のFIA-F4を今後どのように戦っていきたいですか?

佐野:表彰台ももちろんですが、まずはもう一勝を挙げることを目指してやっていきたいです。最終的にはもちろんシリーズチャンピオンを獲得し、ステップアップできるように頑張っていきたいです。

佐野雄城(TGR-DC Racing School)
2024年FIA-F4第3大会 佐野雄城(TGR-DC Racing School)

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 インタビューのはじめは本文にもあるように「緊張」しながら答えていたが、途中からは10代らしい初々しい笑顔もみることができた佐野。高校卒業後は「進学せずレーシングドライバー1本」で世界へのキャリアを進めたいと言う姿からは、将来TGRドライバーとして世界のトップカテゴリーを目指す覚悟を感じさせた。今季のFIA-F4でその覚悟を結果として表すことができるだろうか。

■プロフィール 佐野雄城(さの・ゆうき)

2006年12月12日静岡県出身。2009年にキッズカートデビューを飾ると、2015年にレーシングカートへステップアップ。2019年にはジュニアカート選手権FS-125クラスでシリーズ2位となると、2022年にはオートバックス全日本カート選手権OK部門シリーズ2位に輝き、2023年からFIA-F4に参戦している。2024年は第1戦で初優勝を挙げ、現在ランキング6位につけている。

佐野雄城(TGR-DC Racing School)
2024年FIA-F4第1戦で初優勝を飾った佐野雄城(TGR-DC Racing School)

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