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投稿日: 2024.07.18 12:00
更新日: 2024.09.03 13:09

ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024 第3&4戦レースレポート


国内レース他 | ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024 第3&4戦レースレポート

TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024 第4戦 プロフェッショナルシリーズ

シーズン唯一のダブルヘッダーでディフェンディングチャンピオンが躍動

開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2024年7月13日(土) 〜 2024年7月14日(日)

 新型のトヨタGR86とスバルBRZによって競われるGR86/BRZ Cupは、3シーズン目となり、開幕戦から激戦が繰り広げられている。今大会はシーズン唯一のダブルヘッダー。大量得点も可能な一方で、1回の予選で2度のタイムアタックが必要となる。しかも、タイヤは1セットしか使えないため、ドライバーには、普段以上のタイヤマネジメントが求められる。

7月13〜14日に行われた第3戦・第4戦の舞台は、富士スピードウェイ。長いストレートを備える高速サーキットとして知られ、セクター2までは高速コーナーが続く。セクター3と呼ばれる最終区間は、上り勾配の峠道のようなコーナーが連続する。イメージ以上にバランスに優れることが重視されるサーキットだ。

 まだ梅雨時真っ最中であり、木曜日に行われたスポーツ走行こそドライコンディションだったものの、専有走行が行われた金曜日は終日ウェットコンディション。天気予報が刻一刻と変わる難しい状況において、#7堤優威(ブリヂストン)が2分8秒782を記録して、専有走行のトップに立ち、続いたのが#121蒲生尚弥(ブリヂストン)の2分8秒798。

 そればかりか、ブリヂストン勢はトップ9を独占。本戦前にはウェットコンディションでの圧倒的な強さを見せつけていた。予選・決勝の天候は如何に。今回のエントリーは35台で、そのうち22台がブリヂストンのPOTENZA RE-09Dを装着する。

予選

 土曜日早朝の富士スピードウェイは、夜半まで降った雨がまだ路面に残っていたものの、早朝には晴れ間も見えたほど。先に行われたクラブマンシリーズの予選は、完全にドライコンディションで行われたが、プロフェッショナルシリーズの予選が始まる直前になると、空は灰色の雲に覆われ、いつ雨が降り出してもおかしくなかった。

 ほとんどのドライバーが計測開始と同時にコースインするなか、#18中山雄一(ブリヂストン)だけがワンタイミングずらしてコースイン。雨は開始から間もなく降り出し、序盤にアタックできたドライバーは想定されたタイムを出せたものの、ほとんどのドライバーはタイムを落としていく。

 計測1周目に記されたベストタイムでは、#60小河諒(DL)の2分0秒754を筆頭にOTG MOTOR SPORTS勢がトップ4を独占。ピットロードでの待機場所が最も1コーナー寄りで、早めのアタックをかけられたことが功を奏したようだ。一方、ブリヂストン勢では#1井口卓人(ブリヂストン)が2分1秒156で5番手、そして堤が2分1秒194で6番手、9番手が#160吉田広樹(ブリヂストン)という結果になっていた。

 セカンドベストタイムは#123松井孝允(DL)が2分2秒823でトップ。2番手には井口が2分2秒884で続き、3番手は2分2秒915で中山が続いていた。ベストタイムでは14番手だった中山ながら、出走タイミングをずらしたことで計測1周目が攻められなかったことが逆に幸いし、タイヤを労れていたことでタイムダウンを最小限に抑えられたのだ。

 5番手は吉田で、7番手から9番手には#700地頭所光(ブリヂストン)、#56鶴賀義幸(ブリヂストン)、#293岡本大地(ブリヂストン)が続いていた。

第3戦で予選5番手、第4戦で予選2番手を獲得した#1井口卓人のコメント

「2周目に雨がザーっと降ってきて、Bコーナーはもう濡れていたのでちょっと心配だったんですけど、内圧設定が当たりました。チームの判断が良かったと思います。ミスなく、うまく走れました。降らずに済んで、もうちょっと日照があれば、ベストタイムもセカンドベストももっと良かったと思いますが、想定よりも少し涼しすぎましたね」

第3戦決勝

 今大会のプロフェッショナルシリーズはダブルヘッダー開催とあって、第3戦のスタート進行は早朝8時35分から開始された。直前まで降っていた小雨も、その頃にはやんで路面は乾きつつあった。そのため、グリッド上で、ほとんどの車両がドライ寄りの内圧に改めていた。

 1コーナーへのホールショットを決めたのは、予選2番手だった#10菅波冬悟(DL)。これに小河、#80伊東黎明(DL)が続く中、4番手には#504冨林勇佑(DL)が予選9番手から一気にジャンプアップ。井口は5番手とポジションキープでの展開となった。

 2周目には菅波が独走体制に持ち込むなか、4周目の最終コーナーで井口が冨林のインを突き、4番手に浮上。その後も前との差を詰めていき、6周目にはファステストラップとなる2分6秒103を記録し、井口が前を行く2台を捕えるのも時間の問題だと思われた。

 ところが、8周目を過ぎた頃から雨が強く降りだす。ほぼドライ寄りの内圧としていた井口には、これが裏目に。滑るリヤを御するのが精いっぱいで、先行する小河の後退はあったものの、9周目には冨林の再逆転を許してしまう。

 独走を果たして菅波が2連勝。伊東、冨林の順でゴールし、井口は表彰台にあと一歩と迫ったものの4位でフィニッシュ。これに堤が続いて5位で、6位は吉田が獲得。そして予選24番手から大幅な追い上げを果たした#87久保凜太郎(ブリヂストン)が10位に入り、貴重な1ポイントを手にしている。

第3戦ブロフェッショナルシリーズ決勝レースで、4位となった#1井口卓人のコメント

「ほぼほぼドライ方向の内圧でいって、途中まではとてもいい感じでした。ペースも良かったですし、前にも追いつけていたのですが、レース展開と最後3周ぐらいの雨で失速してしまいましたね。第2レースに向けては、6周目ぐらいまでは完全にドライの感覚で走れたのでタイヤも多少使っています。ローテーションして、次の内圧も含めてもうちょっと考えていきます」

ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024 第3&4戦レースレポート
#1 井口卓人(東京スバル BS BRZ)

第4戦決勝

 第4戦のスターティンググリッドは、予選のセカンドベストタイムによって決まる。トップとなったのは#123松井孝允(DL)。2番手には#1井口卓人(ブリヂストンが続き、3番手は#18中山雄一(ブリヂストン)となっていた。

 第3戦後、天候は急速に回復し、間に行われたクラブマンシリーズの決勝は完全にドライコンディション。時には雲の切れ間から青空が見えるほどだった。それがなぜか、第4戦のスタート進行を目前とした段階で、怪しい灰色の雲が現れてしまう。結局のところ、この雲から雨は落ちることはなく、ドライコンディションは最後まで保たれたのだった。

 井口はトップに遅れることなく食らいつき、逆転の機会を待ち続ける。また、いったんはトップ2台から離されていた中山だったが、6周目のGRスープラコーナーで#70服部尚貴をかわして3番手に浮上。その段階で2秒あった差を徐々に詰め始めた。最終ラップには、ついに前の2台の背後につけた。

 しかし、トップの松井も、そして井口も百戦錬磨のドライバー。最後までミスなく走り抜き、結果、井口が2位でゴールし、2戦連続でブリヂストン勢の最上位。中山は3位に入って、今季初めて表彰台に上がった。

 5位は吉田が獲得し、7位の地頭所はこれが初入賞。また#98元嶋佑弥(ブリヂストン)が12番手から9位にまで順位を上げ、11番手からスタートした堤もひとつ順位を上げて10位でゴールしていた。なお、ファステストラップは井口がマーク。2周目に記した2分1秒730で、さらに1ポイントを加えた。

第4戦プロフェッショナルシリーズ決勝で準優勝となった#1井口のコメント

「タイヤは思った以上に頑張ってくれましたが、やっぱりきつかったですね。最後の数周の中山選手のペースがよかったので、相当ドキドキしました。松井選手も速かったですし、バトルという感じではなかったですが、心理戦できつかったです、ミスらない者勝ちの展開でしたね。今週は2レースとも大きいポイントが獲れたので、そこに関しては良かったと思います」

ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024 第3&4戦レースレポート
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024 第4戦の決勝スタート


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