更新日: 2024.09.19 17:24
T by Two CABANA Racing TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024 第6戦レースレポート
Rd.5 OKAYAMA
Qualifying
2024.9.14.SAT
♯7/14th/1’46.502
♯700/11th/1’46.344
♯707/12th/1’50.923
●路面コンディション:ドライ
●気温:34度、路面温度:44度
僅差の勝負となったプロの予選は地頭所が11番手、堤が14番手
クラブマンの箕輪はアタックのタイミングが悪く12番手となる
5月に宮城県のスポーツランドSUGOで開幕戦を迎えた『TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024』は、残すところ3戦となった。第5大会は、昨年と同様に9月に岡山国際サーキットで開催され、9月14日(土)に予選、15日(日)に決勝レースが行なわれた。
前回大会から、プロフェッショナルシリーズではブリヂストンタイヤの新型『POTENZA RE-10D』が装着可能となった。あわせて、クラブマンシリーズで使用されるタイヤも仕様が変更された。前戦の十勝大会ではニューモデルの適正な内圧やセットアップを見つけ出すことに苦慮した。だが、チームは十勝大会前に岡山国際サーキットでプライベートテストを実施したこともあり、データは揃った状態で今戦に挑んだ。
チームは9月12日(木)からサーキットに入り走行を始め、4本の走行枠を使って持ち込みセットの確認。その後に、ロングランテストや予選シミュレーションを行なった。翌日の13日(金)は朝から気温が高く、真夏が戻ってきたかのような天候となる。この日は朝早くから特別スポーツ走行が、プロフェッショナルシリーズ・クラブマンシリーズともに1枠ずつ実施された。
別カテゴリーの専有走行が間にあったため、約4時間のインターバルを挟み12時30分からプロフェッショナルシリーズの専有走行がスタート。ピットオープンとともにニュータイヤでコースインした堤選手は、7番手タイムとなる1分46秒761を記録する。トラブルがあり遅れてコースインした地頭所選手は、1分46秒891で11番手となった。
エントリー台数の多いクラブマンシリーズは、A・Bの2組にわかれて専有走行や予選が行なわれた。14時00分にクラブマンシリーズB組の専有走行が始まると、箕輪選手はニュータイヤで走行を開始。計測1周目は、途中で前を走る車両に追いついてしまったためアタックを中止し、翌周に再び計測を行ない1分51秒201マーク。B組で3番手のタイムとなった。
両シリーズの予選が行なわれた14日(土)は、雲が多いものの朝から気温が高く、昨日に続き真夏のような暑さとなった。クラブマンシリーズB組の予選が13時10分から始まると、箕輪選手はコースオープンとともに動き出す。しかし、計測周のセクター3でアウトラップの車両に引っかかってしまったためアタックを途中で断念。計測2周目に1分50秒923を記録するが、タイヤのピークグリップを引き出せずB組の6番手、総合で12番手のスターティンググリッドとなった。
クラブマンシリーズB組の予選終了から15分後の13時40分には、プロフェッショナルシリーズの予選が始まる。コースオープンすると出走車両の3分の2が走行を開始するが、CABANA Racingの2台はピット前で待機。予選開始から10分が経過したタイミングで地頭所選手、堤選手の順番でコースインする。両ドライバーとも大きなミスはなかったというものの、堤選手はグリップ不足で1分46秒502で14番手、地頭所選手は感触が良かったものの1分46秒344で11番手と想定よりタイムが伸び悩んだ。
Final
2024.9.15 SUN
♯7/16th/22’05.966
♯700/13th/22’04.221
♯707/10th/25’28.894
●路面コンディション:ドライ
●気温:32度、路面温度:42度
プロフェッショナルの2台はペースが上がらずポイント圏外
箕輪は2台をパスして10位に入るが、3台ともに苦戦
決勝日となった15日(日)は夜半から雨が降ったものの、朝には上がっていた。天気予報では夕方まで雨となっていたが、実際には雨は降らず、次第に太陽が出てきて路面はどんどん乾いく。読みにくい天候のなか、9時55分からクラブマンシリーズ決勝レースのスタート進行が始まり、予定の10時10分に12周で争われるクラブマンシリーズの決勝レースがスタート。
12番グリッドの箕輪選手はスタート直後に1台に抜かれるが、その後に3台をパス。ふたつポジションを上げポイント獲得圏内の10番手で1周目を終える。2周目にはトップの車両がセクター3に入ったタイミングで、マシン回収のためセーフティーカーが導入される。
7周目にレースが再開されると、9番手を走る#759岩本選手の背後に接近し、プレッシャーをかけていく。しかし、オーバーテイクを仕掛けられるほどのペース差はなく、そのまま10位でチェッカー。望んだ結果ではなかったが、1ポイントを獲得した。
プロフェッショナルシリーズのスタート進行が始まる12時過ぎには、太陽が照りつけ気温が急上昇した。31台のマシンがグリッド上に並び、15分間のスタート進行が行なわれた。12周で争われるプロフェッショナルシリーズの決勝レースは、予定時刻通りの12時50分に始まる。14番手スタートの堤選手は、スタートで出遅れると#87久保選手に1コーナーで並ばれる。
アトウッドカーブまでサイドバイサイドになるが、立ち上がりの加速で前に出ると、ヘアピンコーナーで前を走る#700地頭所選手と#225平良選手のインに飛び込み12 番手にポジションアップ。しかし2周目のアトウッドカーブでは、混戦の中でマシンの挙動を乱しポジションを落とす。レース中盤以降は、12番手を先頭とした隊列での走行となるが、パッシングするほどのレースペースがなく、最終的に16位でレースを終えた。
11番グリッドからポイント獲得を目指してスタートした地頭所選手は、スタートで#17谷口選手にオーバーテイクされる。ウイリアムズコーナーからアトウッドカーブまで#225平良選手とサイドバイサイドのバトルが続くと、ヘアピンコーナーで#225平良選手と#7堤選手にかわされ、1周目を15番手で終える。
2周目にもひとつポジションを落とすものの、3周目には2台をオーバーテイクし、14番手に浮上。その後は平良選手を先頭にした12番手争いの集団で膠着状態が続いた。チャンスをうかがったが最後まで仕掛けられず、12周目に13位でチェッカーを受けた。
クラブマンシリーズの箕輪選手はかろうじてポイント圏内に入ったものの、プロフェッショナルの2台は13位と16位という厳しい結果となった。堤選手は2022年の十勝大会以来のノーポイントとなり、シリーズチャンピオンを狙っていたシーズンだが厳しい状況に追い込まれた。今回は3台ともに本来のパフォーマンスを出せずに終わったため、次戦まで期間は少ないが改善策を見つけ出さないといけない。
Team Staff&Drivers Comment
安藤宏 チームオーナー
「3台ともにパフォーマンスを引き出せず、ここ数年でワーストのレース内容となってしまいました。応援してもらっている皆さまには申し訳ありません。クラブマンの箕輪選手は速さがあったものの、予選アタックのタイミングが悪く失敗でした。決勝レースもSC が入り挽回のチャンスがなくなり、当たり障りのない結果となりました」
「予選と決勝レースともにもっと展開を考える戦略や指示が必要だったと思っています。プロフェッショナルの2台は練習から課題が多く、チーム内の連携が取れてない部分を感じています。予選と決勝レースはともに、練習走行の状況から抜け出せず2台ともにポイント圏外となりました。持ち込みのセットアップからレースウィークの組み立てなど、多くの部分で課題が露呈したので、残り2戦ですがマネージメントを強化して改善の道筋を立てることが急務だと考えています」
堤優威 #7 CABANA BS GR86
「走り出しからセットアップの方向性が定まらず、マシンの速さもなく苦戦を強いられました。地頭所選手が事前にテストを実施していたので、共有しながらいろいろと試したのですがブリヂストン勢の中でもトップグループには入れませんでした。予選までにできることは対策して臨み、自分としてはノーミスで走ったのですが、それでも14番手となり今季でもっとも苦しい内容となりました」
「決勝レースでは、オープニングラップで順位を上げたものの、2周目のアトウッドカーブでの混戦で後退してしまいました。これまでも暑い時期のレースはチーム全体が苦手としているようで、早急に対策を行なわないといけません。次戦まで時間がありませんが、リカバリーできるように努めてもらいます」
地頭所光 #700 DTS WRF/カバナ GR86
「木曜日、金曜日の練習走行ではマシンにトラブルがあり、思っていた予定を消化できませんでした。ロスタイムが多いなかでも、専有走行ではそれなりの手応えがありました。ただ、サーキットのレイアウトやコンディションがダンロップタイヤ勢に向いていて、予選ではミスなく走りましたが11番手でした」
「決勝レースは課題のスタートやオープニングラップの位置取りが悪く、ポジションを下げてしまい悔いが残ります。ペースは良かっただけに、序盤のポジションダウンがなければトップ10は狙えました。ここ数戦は良い走りができている部分もあり、自信には繋がっています。あとは、いかに好結果を残すかが課題です。次戦は得意な鈴鹿サーキットなので、上位でのフィニッシュを狙っていきます」
箕輪卓也 #707 ミノワファクトリー/カバナ GR86
「事前にテストの機会を設けてもらい、走り出しからセットアップの方向性は決まっていました。ただ、専有走行ではアタックラップで遅いマシンに引っかかってしまい、B組で3番手となります。ロガーを見返すとトップも見えていたので、自信を持って予選に挑みました。予選はピットの位置がコースに対して前方だったので、先にアタックを実施する戦略を採りました」
「セクター1、2は思い通りの走りができましたが、セクター3でアウトラップのマシンに引っかかってしまいます。戦略が間違っていたことは事実で、結果的に12位となりました。決勝レースはオープニングラップで抜けたのですが、セーフティーカーが入ったこともあり挽回できませんでした。残り2戦となりシリーズチャンピオンの可能性は少なくなってしまいましたが、全力を出して戦っていきます」
山崎登 チーフエンジニア
「プロの2台は、マシントラブルや持ち込みの方向性などで速さが足りませんでした。厳しい状況でしたが、予選では地頭所選手がブリヂストンユーザーの中で5番手となり、想像以上の結果となりました。ただ決勝レースは、序盤に順位を落したため挽回ができませんでした。堤選手は練習走行から調子が上がらず、現場でできる対策は行ないましたが、トップ10に入ることができませんでした」
「箕輪選手は走り出しから悪くなかったのですが、予選の位置取りで失敗しました。決勝レースの序盤はペースが良く、次に繋がるレースだったと思います。3台ともに我慢のレースとなってしまったので、次戦の鈴鹿サーキットでは持っているパフォーマンスを発揮できるように準備していきます」