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投稿日: 2024.10.10 21:19
更新日: 2024.10.10 21:20

ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024第7戦 レースレポート


国内レース他 | ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024第7戦 レースレポート

TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024 第7戦 プロフェッショナルシリーズ

予選からのドライ路面に手探り状態ながら蒲生尚弥が今シーズン自己ベストとなる2位表彰台を獲得

開催場所:鈴鹿サーキット
開催日:2024年10月05日(土) 〜 2024年10月06日(日)

 現行のトヨタGR86とスバルBRZによって競われる、GR86/BRZ Cupの3シーズン目もいよいよ終盤戦を迎えた。指定もしくは認定されたパーツであれば自由な交換が許され、セッティングの幅が広がり、それに合わせたドライビングを要することで、バトルがますます激化した感がある。

 ブリヂストンは十勝スピードウェイでの第5戦から、POTENZA RE-10Dを導入した。従来のRE-09Dの持ち味だったロングライフに加え、ウォームアップ性能を向上させて、予選の一発もより狙えるようにチューニングされている。

 第7戦の舞台、鈴鹿サーキットでのレースウイークは、ウエットコンディションではじまり、木曜日、金曜日と連日雨に見舞われた。そのためPOTENZA RE-10Dのウエットパフォーマンスに関しては、多くのチームが理解を深めることができたようだった。それは「ウエットはPOTENZA一択」ということ。

 金曜日に行われた専有走行では、絶えず雨量が変化したため、どのタイミングでアタックシミュレーションができたかにもよるが、トップは2分32秒308を記していた松井孝允(DL)ながら、2番手に2分32秒327で久保凜太郎(ブリヂストン)が、4番手には2分32秒489で井口卓人(ブリヂストン)がつけることになった。

 今回のエントリーは33台で、そのうち21台がブリヂストンのPOTENZA RE-10Dを装着する。

予選

 予選の行われる土曜日になると、天候が急転。晴れて、ドライコンディションが整った。POTENZA RE-10Dでドライコンディションの鈴鹿を走るのは、どのユーザーも初めて。タイヤの内圧を含めたセットアップを、決め打ちで行う必要があった。

 そんな状況において、計測と同時にコースインし、早めにアタックを行なった蒲生尚弥(ブリヂストン)が2分26秒020をマークしてトップに浮上。しかし、ワンタイミング遅らせてアタックした菅波冬悟(DL)が2分25秒626を出して逆転する。

 それでも蒲生は2番手を獲得、堤優威(ブリヂストン)が2分26秒374で4番手に。後半に勝負をかけた井口、久保らは、路面温度の上昇が裏目に出て、15番手、12番手に留まる。

 正式結果は、3番手の選手に走路外走行があったため、堤が3番手、中山雄一(ブリヂストン)が8番手、久保が11番手、井口は14番手から決勝に臨むことになった。

第7戦で予選2番手を獲得した蒲生尚弥のコメント

「今週はずっとウエットで走っていたのですが、予選でいきなりドライコンディションになってしまいました。その中で、うまくまとめられました。2番手ならば勝負できる順位なのでよかったと思います。路面は前日まで雨が降っていたので、変なクセもなかったですね。決勝は…そっとしておいて欲しいです(笑)。いや、精いっぱい頑張ります」

決勝

 翌日曜日も朝から晴れ模様。しかし、まだロングランのテストができていないPOTENZA RE-10Dユーザーには、試練を与えることとなった。2番手からスタートした蒲生のダッシュは鋭かったが、ポールシッターの菅波はグリッドの有利さを活かして1コーナーへのホールショットに成功。そして、その後方では堤を、予選4番手の奥本隼士(DL)がかわしていたが、2周目のスプーンカーブでミッショントラブルによりストップ。これで堤が順位を戻す。

 その後方で5番手に上がっていたのが岡本大地(ブリヂストン)だった。予選は9番手だったものの、「今までで一番」と本人が言うスタートが決まり、1周目を終えた段階で4番手松井の背後にまで迫っていた。

 普段なら、大接戦が繰り広げられるはずのトップ争いだが、今回は様子が違っていた。早い段階からトップの菅波、2番手の蒲生、3番手の堤が、それぞれ単独走行となっていたからだ。中盤からは松井との差を岡本が詰めていたものの、抜くまでには至らず。

 その一方で激しかったのが、伊東黎明(DL)と中山、久保、小河諒(DL)による6番手争い。なかでも久保は1周目を終えた段階でふたつポジションを上げていた。その勢いで5周目には中山を抜いて7番手に浮上する。

 その間にいったんは伊東の逃げを許すが、終盤に入って伊東のペースが鈍り始めたのを見逃さず、最終ラップに久保、中山が相次いでパスしていく。

 その間にもトップ菅波は、安定の走りを続けて5勝目をマーク。最終戦を待たずして2度目のチャンピオンを獲得した。2位は蒲生、3位は堤が獲得。奇しくも、この順位は昨年の鈴鹿ラウンドと同じだった。

 5位は岡本、6位に久保、そして7位は中山が獲得。中山は堤と同ポイントのランキング3位で最終戦に臨むことになった。また、唯一菅波の王座決定を阻止できる立場だった井口は、ミッショントラブルに見舞われて5周目にリタイアを喫してしまった。

第7戦 プロフェッショナルシリーズ決勝レースで、2位となった蒲生尚弥のコメント

「久しぶりの表彰台で、嬉しそうに見えないかもしれませんが、本当に嬉しいです(笑)。ですが接戦に持ち込めないほどトップが速かったですね。僕の後ろの展開は分からないですけど、決勝のドライはぶっつけ本番だったことが、その理由だと思います。内圧も合わせられなかったので。みんな同じだと思うんですけど、路面温度も上がって、きつかったですね。とはいえそのなかでも、タイヤの落ちも小さく、抜くまでには至りませんでしたが、やはり後半に強かったと思います。次回は、木曜、金曜から、予選も含めて、もっと早い段階であわせられるように、なんとかしたいと思います」

ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024第7戦 レースレポート
蒲生尚弥(tomicaネッツ兵庫 BS GR86)


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