一方、41号車の脱落もあって逆転でチャンピオンを手にした3号車ENDLESS。昨年からGR86で同クラスに参戦し、今年は開幕戦のSUGOと第4戦もてぎで優勝を飾った。ただ、今季タイトルを争ってきた41号車と比べると常に課題があったという。
「開幕戦はこちらが圧倒的なペースがあって、そのままシーズンが進むのかなと思いきや、24時間ではいろいろなチームに惨敗するかたちでした。そこで僕たちのなかで得意不得意があるということが分かり、改良を重ねていきました」
そう語るのは3号車のBドライバーを務める菅波冬悟。最終戦でもペース的には41号車に追いつけないところがあり、「今までの富士戦のなかではベストな状態で予選・決勝ともに行きましたが、トップのチームには及ばない苦しい展開でした。そのなかで展開と運がすべて味方してくれた結果のチャンピオンだったので……嬉しい反面、何か悔しさも感じています」と複雑な表情をみせた。
同じくAドライバーの坂裕之も「試合には勝ったけど、勝負では負けていたなと思います。開幕戦のSUGOなどではトップに立ったときはピット内も湧き上がりましたけど、今回はああいうかたちだったので……複雑な心境になりましたね。素直に喜べなかったです」と笑顔は少なめ。
Cドライバーの小河諒も「なんとか冨林選手と良いバトルができればなと思っていたのですけど、相手にうまくやられてしまいました。でも、残り時間を考えるとまだチャンスはあるかなと思ってプッシュにしていたので……ああいったかたちで終わってしまったのはすごく残念でした」と同様の感想を持っていた。
それでも3号車自身の進歩を感じた1年間だったようで「昨年はほぼ全戦でトラブルに泣かされていたなか、今年はトラブルがなかったので、そういった意味でエンドレスとしては成長を遂げた1年だと思います。ST-4はある意味、強力なライバルがいるクラス。TOM’S SPIRITが今年(ST-4に)参戦していないですけど、41号車や884号車(シェイドレーシング GR86)をはじめ強力なライバルがいるなかで僕たちも頑張ることができました。そのなかで獲得できた結果なので、そこは良かったです」と締め括った。
