更新日: 2024.11.22 15:24
2W Zoomies x GR Garage 山口・周南 スーパー耐久第7戦富士 レースレポート
2W Zoomies x GR Garage Yamaguchi ·Shunan
RACE REPORT
2024 SuperTaikyu Series Round.07 “Stai Final FUJI”
2W Yamaguchi GR Supra GT4 EVO
Chiaravanont KACHORN / Kazuhisa URABE / Yuji TACHIKAWA
2024 スーパー耐久シリーズ第7戦富士 レースレポート
PRACTICE
スポーツ走行/専有走行
11月14日(木)〜15日(金) 天候:曇り/雨 路面:ドライ〜ウエット
9月に三重県の鈴鹿サーキットで行われた第5戦以来、2戦ぶりに2W Zoomies x GR Garage Yamaguchi・Syunanがスーパー耐久シリーズの舞台に戻ってきた。シーズンも今季最終戦で、65台ものエントリーを集める一戦となったが、今回もCP グループのエグゼクティブであるカチョーン・チアラバノンをAドライバーとし、今回は卜部和久と立川祐路がドライブする3人体制を組んだ。
そんな第7戦のレースウイークは、11月14日(木)のスポーツ走行から始まった。今回は特別スポーツ走行ではなく、スーパー耐久参戦車以外も走る混み合った状況のなか、チームは週末に向けた作業を進め、卜部が中心となってセットアップを続けていったものの、午後の走行2回目からは雨が降り出してしまい、路面はウエットとなってしまった。
そんな雨は、11月15日(金)の専有走行日も続いてしまう。午前9時40分からの専有走行1回目は、霧のなか始まった。セッション序盤、「このクルマ、タイヤでは初めてのウエットでしたし、雨は1年半くらい乗っていなかった」という立川が走行する。ただ、その時点でのクラストップタイムを記録するさすがの実力をみせた。
その後卜部、カチョーンと交代するものの、カチョーンが雨のなかフロントを破損してしまった。幸いダメージは大きくはなく、午後の専有走行に向け今回もチームに加わっている、タイをはじめとした海外からのクルーとともに迅速な作業で修復したものの、その確認をしたかった午後の専有走行2回目は、濃霧のためキャンセルに。修復確認は翌日のウォームアップに持ち越された。
QUALIFY
公式予選
11月16日(土) 13:20〜16:35 天候:曇り 路面:ドライ
コンディションが悪かったスポーツ走行/専有走行を経て、迎えた11月16日土)の予選日は曇天模様で迎えた。コンディションは回復しつつあったが、まだわずかに濡れている状況。そんななか、午前9時20分から行われたウォームアップでは、卜部がまずは乗り込み前日のダメージの確認を行うと、カチョーンに交代。しっかりと周回を重ね、午後に控える公式予選に備えた。
迎えた午後1時20分からの公式予選。まずはAドライバー予選にカチョーンが出走した。ただ、タイからの来日ということもありタイトなスケジュールで、さらに専有走行までの悪天候が響いた。これまで思うようにドライコンディションでの周回が重ねられていなかったことで、「うまくいかなかった」と1分49秒422というタイムで13番手に終わった。
続くBドライバー予選では、ポツポツと雨が舞う不安定な状況だったが、卜部の持ち前のスピードが極まった。1分46秒244というタイムを記録すると、ST-Zクラスのトップに躍り出た。タイム合算では8番手というグリッドにつけることになった。
Cドライバー予選では、立川がステアリングを握り、燃料フルタンクの状態でのロングランをトライしながら、1分49秒046を記録。8番手につけ、2W Zoomies x GR Garage Yamaguchi・Syunanは予選を締めくくった。
RACE
決勝レース
11月17日(日) 12:26〜 天候:晴れ 路面:ドライ
迎えた11月17日(日)の決勝日、富士スピードウェイは早朝こそ曇り空だったものの、午前中から太陽が顔を出し、11月下旬とは思えない暖かさのなか午後0時25分から4時間の決勝レースが始まった。
2W Yamaguchi GR Supra GT4 EVOのスタートドライバーを務めたのは、今回も卜部。8番手からオープニングラップだけで2台をオーバーテイクする華麗な走りをみせると、上位陣の争いに食らいついていった。
前日までの間に立川から「リヤがタレやすい」というフィードバックを得ていた卜部は、決勝のペースには一抹の不安があった。とはいえ、決してペースが悪いわけではない。卜部は序盤で順位を上げるべくレースを戦っていった。
ただ、スタートからわずか22分というところでフルコースイエローが導入された。ST-3クラスの車両が300Rで激しくクラッシュしたためで、レースはフルコースイエローからセーフティカーランに切り替わり、その間に卜部はピットイン。16周で立川にステアリングを託した。
今季のスーパー耐久ではレース終盤にドライブすることが多く、バトルを戦うことを熱望していた立川だが、上位争いの真っ只中に復帰することができた。ただ、セーフティカーランは午後1時12分にクラッシュによるガードレール補修の必要があったことから赤旗に切り替わり、レースは中断となってしまった。
ガードレールの修復後、レースは午後2時20分に再開され、その後立川は快調にレースを進めていく。ライバルたちはこの時点でAドライバーを投入しており、プロふたりで繋いできた2W Yamaguchi GR Supra GT4 EVOは実質のトップに浮上していた。
ただ午後3時03分、今度はダンロップコーナー進入でST-Z車両が激しくクラッシュする。レースはフルコースイエローから再度セーフティカーランとなりガードレール補修のため二度目の赤旗となった。長い中断のため、Aドライバーの最低義務周回時間が変更され、カチョーンはコントロールラインを2回通過すれば良いことになった。
レースは午後4時に再開されるが、18分後、今度はST-4車両がダンロップコーナーでストップする。これを見たチームは立川を呼び戻し、やや残り時間は長いがカチョーンに交代する。直後、フルコースイエローが入ったため、交代の時間分を稼ぎ出すことができたのだ。
この作戦がズバリとハマり、残り8分間のレースでカチョーンは4周をこなすと、見事トップでチェッカーを受けた。荒れたレースのなかチームの戦略が的中し、参戦3戦目でついに栄光をつかむことになった。
スーパー耐久シリーズのなかでも最激戦区とも言えるST-Zでの勝利は、2W Zoomies x GR Garage Yamaguchi・Syunanにとっても大きな収穫となった。次なる挑戦のときに向け、今回の勝利を糧としてさらなる成長に繋げていく。
DRIVER COMMENT
■Chiaravanont KACHORN チアラバノン・カチョーン
今日レースに勝つなんて予想もしていなかった。本当に嬉しいよ! 今週は雨が降ったり寒くなったり、今日はすごく暑くなったり、ウエットだったりとすごく難しかったけれど、チームが本当に素晴らしい仕事をしてくれたし、ふたりのドライバーがそれを活かしてくれた。レースは本当に展開に恵まれて、セーフティカーや赤旗、そして幸運が助けてくれた。今年は友人を作り、環境に慣れる年だと思っていたけど、最高の年になった。幸せだし、感謝しているよ。
■Kazuhisa URABE 卜部 和久
今週は走り出しからすごく調子が良かったので、自信をもって予選、決勝に臨めましたが、レースでは少しペースに不安がありました。実際、その点では非常に速いわけでも遅いわけでもなかったので、その点は改善が必要だったと思います。とはいえ、こうして激戦のST-Zクラスで参戦3戦目で勝てたのはすごく嬉しいですし、良い経験ができました。自分のスティントもスタートからポジションを上げられましたし、良いレースにできたと思っています。
■Yuji TACHIKAWA 立川 祐路
レースはすごく展開も良く、最後まで味方してくれたおかげで優勝することができました。僕のスティントがすごく長くて、午後1時くらいから午後4時くらいまで乗っていたのですが(苦笑)、今シーズンの最後にこうして良い結果を残すことができたので良かったです。スポット参戦で優勝することができるなんて、少し出来すぎのような気すらしてしまいます。応援してくれた皆さん、ありがとうございました。またいつかどこかでお会いしましょう。