更新日: 2024.11.26 18:48
SPOON SPORTS 2024スーパー耐久第7戦富士 レースレポート
スーパー耐久シリーズ2024第7戦 S耐ファイナル富士
95号車『SPOON リジカラ CIVIC』初優勝
11月16日(土)~17日(日)に富士スピードウェイ(静岡県駿東郡 4.563km)でENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第7戦『S耐ファイナル富士』4時間レースが開催され、95号車『SPOONリジカラCIVIC(山田英二/小出峻/ピストン西沢/三井優介)』は、予選ST-2クラス5位から決勝をスタート。長時間にわたる2回の赤旗中断や4回ものFCY掲示といった荒れたレースの中、今季初優勝を飾りました。
17日(日)の早朝は曇り空でしたが、徐々に雲は消え、スタート進行が始まる11時30分には11月中旬にも関わらず気温は22度まで上昇、日差しのなかでは半袖でも汗ばむほどの陽気となりました。第7戦決勝レースには65台ものマシンが出場。グリッド上はマシンの長い隊列とグリッドウォークに参加された多くの観客の皆さんの熱気と路面からの反射熱によって体感温度はさらに高く感じられました。
レースは予定どおり、12時30分に決勝がスタート、95号車は小出峻がスタートドライバーを務め、序盤から果敢なアタックを見せ、3周目にはクラス3番手まで順位を上げました。しかし、スタートから22分後に最初のFCYが掲示され、その4分後にはSCへと変わります。
このタイミングで多くのマシンが1回目のピットインを実施、95号車もピットインして小出峻から三井優介に交代、燃料補給とタイヤ交換も行ってピットアウトしました。しかし、このSCはスタート43分後に破損したガードレールの補修のため、赤旗中断へと変わりました。この赤旗中断は約1時間30分続き、レース時間を約2時間残して再スタートとなりました。
レース再開後、三井優介も果敢にドライブ。ピットインタイミングによって6位まで落ちた順位を再び3位まで上げましたが、レース残り時間が1時間26分となった時点でこの日2度目のFCYが掲示、その2分後にSCへと変わりましたが、さらに2分後にこの日2度目の赤旗中断となってしまいます。この赤旗もガードレール補修作業となったため、再び53分もの中断が続き、レースは残り30分、S耐としては超スプリントでの再スタートとなりました。
この赤旗によるレース時間短縮に合わせた諸規則の変更が公式通知として公示され、ピットイン義務は2回、Aドライバーの乗車義務は3周となりました。これにより、再スタート後のピットは義務を消化するマシン群で大渋滞となりますが、95号車はあえてすぐにピットインせず、マシンやコースの状況を知る三井優介にさらなるポジションアップを託し、最後にAドライバーの山田英二にドライバーチェンジして義務をこなす作戦をとりました。
これにより、残り10分でドライバーチェンジを決行しますが、そのピットインの最中に4回目のFCYが掲示、これがピットインを遅らせた95号車にとって大きなプラスとなり、1位へとジャンプアップ、そのままチェッカーを受け、スーパー耐久シリーズ復帰後初優勝を飾りました。
チーム監督の原剛は、「金曜日は霧の影響で午後は走れなかったりしたので、十分ではありませんが、前戦の岡山で発生したブレーキトラブルの対処を始め、サスペンションや空力は決勝用によいセットアップできたと思います。ドライバーも想定どおりのタイムで走ってくれました。ただ、ここまでレースが荒れるとは……。最後はFCYとピットインのタイミングがチームにとってドンピシャで運も味方してくれたことが、勝利の要因だったと思います」
「チームとしては7年ぶりのS耐復帰でメカニックも実戦経験がなく、マシンもFL5というデータも何もない新車なので、今年は苦労すると思っていましたが、最後に勝てたことは大きな自信につながります。来期に向けチームもマシンも、2~3段階、いや5段階くらいはアップする気概をもって臨まないといけませんね」
「最終的にはシリーズチャンピオンが目標ですが、チームスプーンは実戦参加から得たノウハウを生かした商品をスプーンスポーツのお客様に還元するということも大きな目的ですから、ブレずにしっかりと進んでいきますよ」、と語りました。
スタートドライバーを務めた小出峻は「よっしゃー。ようやく勝てました。もちろん、運も味方してくれましたが、ここまでのいろんな思いがこみ上げてきます。チームとしてもこの勢い維持してかつ成長を続けて、来期はシリーズチャンピオンを狙いたいですね。ありがとうございました」。
このレースでマシンを最も多くドライブした三井優介は、「今回は全員が完璧な仕事をこなしてくれました。ずっと勝てないレースが続いて苦しい思いをしてきましたが、最後に勝てて報われました。応援して頂いた皆さんありがとうございました」とそれぞれ語っています。
2025年シーズンも引き続きスプーンスポーツはスーパー耐久シリーズに挑戦していく予定です。