更新日: 2024.12.27 14:57
夫の坪井翔も驚く斎藤愛未の落ち着きと、最後の1周まで追い上げた翁長実希。直接対決から明暗分かれたKYOJO王者争い
喜びに溢れる斎藤に対し、スタート直後の1コーナーでコースアウト、復帰後のコカ・コーラコーナーで単独スピンを喫した翁長に笑顔はなかった。決勝ではポールスタートの斎藤に並ぶ好ダッシュを見せたが、タイヤが温まりきっておらずブレーキロック、そのままオーバーランしてしまったとレースを振り返る。
「オーバーランの後は6番手くらいでレースに復帰したのですが、かなり前が詰まっていたのでコカ・コーラコーナーの途中でステアリングを切ってしまい、オーバーステアが出てスピンをしてしまいました」と翁長。
「(1コーナーで)ロックアップしてしまったときは『この後にミスなく追い抜いていけばまだチャンスはある』と思っていたのですけど、コカ・コーラコーナーでオーバーステアが出たことは正直想定外でした。しかし、ミスがあってのスピンであるという部分は、しっかりと受け止めなければならないと思います」
わずか30秒ほどの出来事で2番手スタートから最後尾まで順位を落とした翁長。その後は怒涛の追い上げをみせたものの、2024年の最低順位となる15位でレースを終えた。翁長はチャンピオンの可能性がなくなったことを理解しつつも、最後までトップを狙って走り続けたと、時折声を震わせながら心境を語る。
「スピンした瞬間、チャンピオンの可能性がなくなったということは理解しました。でも、自分には1台ずつ着実に追い抜いてベストな走りをすることしかできなかったので、切り替えて集中しました。ミスをしたことで焦り、他のドライバーを危険にさらすような運転だけは絶対にしたくありませんでした」
「チャンピオンの可能性はないにしても、走っている最中はトップを狙っている気持ちだったので、最後の1周まで『あと1台、もう1台』と思いながら順位を上げていきました」
最終戦にして今季最大のドラマが生まれ、2024年シーズンの幕を閉じたKYOJO CUP。新型フォーミュラ車両『KC-MG01』が導入され、さらにハイレベルな戦いが繰り広げられるであろう2025年シーズンも競争女子たち、そして白熱のタイトル争いを繰り広げた斎藤と翁長の戦いに注目したい。