スタートから1時間47分が経過した71ラップ、1台のマシンがクラッシュ。これによりセーフティカーがコースに入る。このタイミングで1号車がピットストップ。これに合わせて当チームもピットに滑り込んでくる。元嶋にスイッチ。タイヤは無交換でコースに送り出す。
ライバルの1号車は、タイヤ4本交換。1回目のピットストップの際、ガス給油を抑えた分、この2回目はやや長め。これで1号車の前でコースに戻ることに成功する。セーフティカーの真後ろに当チームGT-Rと1号車のGT-Rが続く。
チェッカーまで残り1時間になろうかというところでセーフティカーがコースから抜け、レース再開。1秒を切るテール・トゥ・ノーズのバトルが繰り広げられる。ラップ遅れのマシンに引っかかると、バンパー・トゥ・バンパーにまで迫ってくる1号車。

逆に当チームと1号車の間にラップ遅れのマシンが入り込むと1秒強にまで広がる、まさに手に汗を握る緊張したバトルが繰り広げられた。
しかし、その緊迫したバトルは意外に早く決着がついた。87ラップ目の最終コーナーの立ち上がりでラップ遅れのマシンにラインを塞がれ、加速するのが遅れた元嶋。
逆に1秒ほど遅れを取っていた1号車は、元嶋がこじ開けたラインを使って立ち上がる。このアクセルを開けるコンマ数秒の遅れは、ストレートであっさりと並びかけられ、そのまま1コーナーでのライン取りにまで影響してしまった。
1コーナーで曲がりきれずオーバーラン。すぐにコースに戻ることは出来たがトップの座を譲ることに……。それでも食い下がる元嶋だが、2回目のピットストップでフレッシュタイヤに替えている1号車に対し、40ラップ近くに達しているユーズドタイヤでは……。
なんとか100ラップまでは2秒以内で追走していたが、タイヤの摩耗が進むに連れ、その差はジワジワと広がりだしていく。結局、その差を詰めることは出来ず、このSUGOラウンドもトップの座は1号車に奪われてしまった。
ただ、これまでにない走りで1号車を追いつめることに成功。実力でお立ち台のいちばん高いところにまできたのも事実。もう一度、しっかりと気持ちを引き締めて、次回の鈴鹿ラウンドでは……。トップの座をもぎ取るべく、鈴鹿に乗り込みたい。