RACE REPORT
2025 Round.01 MOTEGI
Qualify : MARCH 22 / 1st RACE: MARCH 23 / 1st
■PRACTICE
MARCH 20-21 [THU/FRI] FINE / DRY
11月に閉幕した2024年シーズンから約4ヶ月。スーパー耐久シリーズは2025年開幕戦となる第1戦を迎えた。開幕戦の舞台は、栃木県のモビリティリゾートもてぎだ。Ksフロンティア KTMカーズは、今季もシンティアム アップル KTMでの挑戦をスタートさせた。今季もステアリングを握るのはTAIYO IDA、加藤寛規、高橋一穂、吉本大樹という4人だ。
チームにとってはST-1クラス5連覇がかかるシーズンだが、今季は昨年とは様相が異なる。2023年までシリーズを争った#47 D’station Racingがシリーズに復帰。それも、ポルシェという強力な車両を用意してきたのだ。Ksフロンティア KTMカーズにとっては強敵だが、一方で歓迎すべきライバルでもある。ライバルとの力関係を推し量るべく、3月20日(木)〜21日(金)の特別スポーツ走行、専有走行に臨んだ。
春を感じさせる暖かさのなか、初日は加藤と吉本が走行を担当。2日目の専有走行には井田と高橋が合流し、午前は井田と加藤が、午後は高橋と吉本が走行した。高橋の走行時には、最終ビクトリーコーナーでグラベルにストップしてしまうシーンもあったが、幸いすぐに再走している。
順調に走行を進めてはいるものの、今季は性能調整で重量の増加などの変化があり、ドライバーもそれを実感。また#47 ポルシェの方が直線が速い。タイムも僅差ではあるがライバルに先行を許す状況だった。
■QUALIFY
MARCH 23 [SUN] FINE / DRY
今回の第1戦は変則的なスケジュールで、3月22日(土)はシンティアム アップル KTMが走るレース2は45分間のフリー走行のみ。このセッションをこなし、3月23日(日)の午前8時30分からスタートした公式予選に臨んだ。
この日も初夏のような暖かさのなか、まずはAドライバー予選で井田が1分57秒644という好タイムを記録。#47 ポルシェを僅差で上回ってみせる。
続くBドライバー予選では、ライバルの#47 ポルシェはジェントルマンドライバーということもあり、1分57秒184を記録した加藤が0.829秒差という貫禄のタイム差をつけ、シンティアム アップル KTMがST-1クラスの開幕ポールポジションを獲得した。
C・Dドライバー予選では吉本が1周で計測を終え、すぐに高橋に交代。2分01秒560というベストタイムを記録し、公式予選を終えることになった。
ただ、C・ドライバー予選では#47 ポルシェがプロと若手が乗り速い。トータルすると2台の差は、やはり僅差であることを感じさせる公式予選となった。
■RACE
MARCH 23 [SUN] FINE / DRY
公式予選終了からわずか2時間ほどというインターバルで迎えた4時間の決勝レース。#47 ポルシェがAドライバーをスタートに据えたことに対し、シンティアム アップル KTMは吉本をスタートに起用。序盤からグイグイとギャップを広げ、10周で20秒以上の差を築いていった。
吉本は順調にレースを進めると、32周を終えピットイン。加藤寛規にステアリングを託す。先にピットインしていた#47 ポルシェに対してこの時点で非常に大きなギャップを築いており、スタートから2時間強でジェントルマンドライバーをふたり繋いだ#47 ポルシェに対し、吉本、加藤と繋いだシンティアム アップル KTMが、レース後半いかにそのリードを守っていくかがポイントと言えた。
68周を終えて、加藤は長いスティントを終えてピットイン。高橋にステアリングを託した。シンティアム アップル KTMがピットアウトすると、そのギャップはおよそ1周とメインストレート1本分。74周目にはラップダウンが解消されてしまったものの、高橋は動じることなく着実なペースで周回を重ねて行った。
83周を終えて高橋は自らのスティントを終えピットインし、最後の1時間を井田に委ねた。一時はシンティアム アップル KTMが#47 ポルシェの先行を許したものの、相手が規定のピットインを終えてみると、ふたたび44秒以上のギャップを築いてみせた。
井田は最後まで集中を切らすことなく、トータルで116周を走破しチェッカーフラッグを受けた。結果的に#47 ポルシェとは1周差をつけての勝利となったが、ドライバーたちはレース後、「まだ向こうは安定していないだけ」と開幕戦勝利にもまったく安心していない様子をみせた。特に、#47 ポルシェがレース後半に記録した1分58秒534というファステストラップは、吉本が記録したシンティアム アップル KTMのレース中最速タイムを上回るものだった。
とはいえ、速いライバルの登場はよりチームの力を高める。特に、今回は昨年課題としていたST-Zクラスを上回ってゴールをするという目標もしっかりと達成した。今季のターゲットである5連覇へ向け、KsフロンティアKTMカーズは、さらなる総合力向上に向け次戦も取り組んでいく。
Taiyo IDA 井田 太陽
「今回、開幕戦で優勝することができましたが、ラッキーな部分も大きかったと思いますね。僕たちは昨年からの積み重ねもあり、安定して走ることができていましたが、あちらはまだまだ不安定でした。今後、#47 ポルシェが慣れてきたらやられてしまうであろうことがよく分かったレースでした。今回僕たちが安定した戦いで優勝することができたので、これを前向きにとらえて次戦も頑張りたいと思います」
■DRIVER COMMENTS
Taiyo IDA 井田 太陽
「今回、開幕戦で優勝することができましたが、ラッキーな部分も大きかったと思いますね。僕たちは昨年からの積み重ねもあり、安定して走ることができていましたが、あちらはまだまだ不安定でした。今後、#47 ポルシェが慣れてきたらやられてしまうであろうことがよく分かったレースでした。今回僕たちが安定した戦いで優勝することができたので、これを前向きにとらえて次戦も頑張りたいと思います」
Hiroki KATO 加藤 寛規
「今回はチーム全員がノーミスだったと思いますし、ドライバーひとりひとりが良いパフォーマンスで走ることができたので、勝てて良かったです。昨年から言っていたとおり、ST-Zクラスの前でもゴールすることができたのでそれも良かったと思います。ただ、ライバルはアベレージがすごく速い。まだ慣れていないだけだと思います。次戦に向けては、何かしらのことを考えなければいけないと思います」
Kazuho TAKAHASHI 高橋 一穂
「昨年からずっとライバルに出てきて欲しいと言っていましたが、緊張感が出てきたら出てきたで、いない方が良かったですね(笑)。今回は勝つことができて良かったけど、専有走行からすごく僅差のレースだったし、次からはそう簡単に勝てないと思う。今回はスピードの面で少し僕が足を引っ張ってしまったところもあるからね。次は鈴鹿サーキットで、難しいレースになると思うから頑張りたいですね」
Hiroki YOSHIMOTO 吉本 大樹
「ライバルはスタートがジェントルマンだったので、差をつけることができました。またバックマーカーの処理でも差が出るので、前半の2スティントでリードを広げることができたと思います。ただライバルが後半1分58秒台で走ったりしているので、その点だけ見ると今後厳しいと思っています。次の鈴鹿は良いですが、富士などは苦しくなるかもしれません。とにかく次回以降もノーミスで頑張りたいと思います」