ル・ボーセモータースポーツ、FIA-F4富士で川合孝汰が連続入賞
大観衆が見守るGWの富士で、#60川合孝汰が8位、7位と連続入賞
#62平木湧也が第4戦で8位、#61平木玲次は4戦連続完走果たす
FIA-F4 第3戦&第4戦
5月3日(火・祝)〜4日(水・祝) 富士スピードウエイ 4.563km
ル・ボーセモータースポーツが挑むカテゴリーのひとつ、FIA-F4選手権シリーズの第2大会が5月3日(火・祝)、4日(水・祝)に富士スピードウェイ(静岡県)で開催された。ドライバー育成を最大の主旨とし、さらなる盛り上がりが期待されるシリーズに、川合孝汰・平木玲次・平木湧也の3人を走らせる。
今大会はゴールデンウィークの折り返しに行われ、また大人気のメインイベント、スーパーGTの中でも特に多くの観客を集めるだけに、その注目度は普段以上。ドライバーにとっては、存在をアピールする格好の舞台といえるだろう。舞台である富士スピードウェイは、国内最長のストレートでの抜き合いが、そして1コーナーでのブレーキング合戦が馴染み深い。さらにそこから先はそれぞれ性格がガラリと異なるコーナーが続き、技量の高さもドライバーには試される。
予選
5月3日(火・祝) 天候/曇り コース状況/ドライ
FIA-F4選手権が2年目の平木湧也には経験があっても、スーパーFJからステップアップの平木玲次と川合孝汰にとって、富士でのレースは今大会が初めて。そこでチームは、レースウィークの早々からサーキット入りして練習を開始。強い雨に見舞われたセッションも中にはあったが、大半はドライコンディションでの走行となり、大きなトラブルやミスもなく順調にマイレージを稼いでいた。
予選ではトラフィックを避けるため、計測開始から1周分遅らせてのコースインとしたが、前回のように赤旗中断でアタックのタイミングを逸することがないよう、ドライバーには絶えず攻め続けるよう指示を下す。実際、5分経過時に赤旗が出たものの中断は短く、タイヤの皮剥きもできた状態だったことから、再開後にはすかさずアタックを開始。
3人の中で、最も順調にタイムを縮め続けていたのが川合だった。路面状態の向上と、走りの精度の上昇がマッチしていたのは間違いなく、周回を重ねるごとにタイムを縮め、終盤にはベストタイムを記録。一方、平木兄弟はポジショニングが悪く、ストレートで稼いだ分をその後のコーナーで繋げる事が出来ず、思うようにタイムを伸ばせないまま再び赤旗となり、そのまま予選を終えた。
ただし、上位にペナルティを受けてベストタイムを抹消されたドライバーもいたことから、川合は第3戦を12番手、第4戦を9番手から、そして湧也が13番手と13番手、玲次は16番手と18番手から決勝に挑むこととなった。
決勝 第3戦
5月3日(火・祝) 天候/曇り コース状況/ドライ
第3戦決勝は、非常に穏やかな天候の中で行われた。しかし、スタート直後の1コーナーではアクシデントが発生。無難なスタートを切った川合と平木湧也が競い合うように1コーナーを目指していったが、目の前で接触があり、インから避けるかアウトから避けるかで明暗が分かれた。インを行った川合は8番手に浮上するも、アウトを行った湧也はエスケープゾーンにまで出ざるを得ず、大きく順位を落としてしまったのだ。一方、ふたりより後方からのスタートだった平木玲次は、余裕を持って混乱を避けられた結果、10番手に浮上。
川合は6番手を争う集団の中でいったんはひとつ順位を上げるも、思うようにペースが上がらない。10周目のダンロップコーナーで起きたアクシデントによって6番手に上がったものの、周りとのバトルを繰り返し、8位でチェッカーを受けた。
玲次は5周目までポジションをキープしていたものの、後続車両が近づくと抗うことを許されず。10周目のアクシデント後には12番手に浮上したが、惜しくも入賞を逃す。湧也は1コーナーでのアクシデント後、一度は28番手まで後退するも、周を重ねるごとに次々と前を行くマシンをかわしていく。激しく追い上げて15位でフィニッシュした。
決勝 第4戦
5月4日(水・祝) 天候/晴れ コース状況/ドライ
当初、天気予報では4日の午前中は雨、それも暴風雨に見舞われるとされていたが、雨は早朝には止んでいたばかりか、強い日差しは39台のマシンがスターティンググリッドに並ぶ頃には、路面をほぼ乾かしていた。
第3戦より1万5千人近く多い、約5万人の大観衆の見守る中でのスタートをそつなく決めて、オープニングラップのうちに川合はふたつ順位を上げて7番手に、湧也は三つ上げて10番手に。玲次もまた三つ上げてきた。2周目に5番手に上がった川合は、次の周にはグループの先頭を走るようになる。しばらくはしっかりガードを固めていた川合ながら、11周目には3台に相次いでかわされてしまう。それでも最終ラップのBコーナーで意地を見せ、1台をパス。7位でフィニッシュを果たした。
一方、湧也は終盤に入ると激しく9番手を争うようになり、相手の堅いブロックを14周目に突破。さらに最終ラップの先行車両の脱落もあって8位でチェッカーを受けた。玲次はスタート以降なかなか順位を上げられずにいたが、終盤に入って前走車のペースが鈍ると、ラスト3周は1台ずつ抜き続け、最後は11位でフィニッシュ。さて、本来なら次大会は、5月21〜22日にオートポリスで開催される予定であったが、熊本地震の影響で中止が発表された。代替レースに関しては、現時点では未定。とりあえず7月23〜24日のスポーツランドSUGOまで、たっぷりインターバルができた。その時には、よりレベルアップした走りを期待したい。
チーム監督 坪松唯夫 COMMENT
練習走行時から上位に入れる感触はあったが、少ないタイム差を決勝までに詰めることが出来なかった。ドライバーそれぞれが課題を克服する為には今までと違ったトライが必要かとも考えている。チームのムードも良く、係る全員が目指しているところは同じなので、我々も今回以上の結果を残すべく全力で努力を続けるだけだ。
Driver
川合孝汰 COMMENT
2戦ともスタートは少し出遅れましたが、直後は周りがよく見えて冷静に対処できたので、順位を上げられたというのは今後に活かせるところだと思います。ただ、その先のレースの組み立て方が、自分の一番の課題だと痛感しました。それから今週は、ずっとセクター3が課題でした。第4戦では5番手を走っていながら、セクター3のミスが多く、結局抜かれてしまったので。夏の富士までにはそこを徹底的に直し、今回の順位以上を目指していきます。
Driver
平木玲次 COMMENT
第3戦のスタートは無難にできたんですが、第4戦のスタートは失敗気味で後続に飲み込まれてしまいました。それどころか、ダンロップコーナーで実は接触もあって、タイヤに乗り上げられてもいるんです。それの影響でハンドリングに違和感があって、ずっとその印象を引きずって走っていた感じがありました。全体的にペースが遅かったので、集団に追いつけなかったばかりか後ろとの戦いがずっと続き、それは最大の反省点でした。このあたり、必ず次回以降に解消したいと思います。
Driver
平木湧也 COMMENT
2年目ということで、自分なりに走り方を考えてきたつもりなのですが、やはり速さが少し足りませんでした。クルマの要素もあると思いますが、何より自分の走りをもっともっと詰めていかなくてはならない。それを強く感じました。予選ではアタックができないまま終わってしまい、後方からのスタートになってしまったので、どうしても混乱しやすいところを走らなくてはならず、特に第3戦で大きく順位を落としてしまいました。予選で必ず上位にいなくては優勝争いに絡めないんだと、あらためて自分の課題を見つけたレースでした。