Ryuji Hirano / AUTOSPORTweb

「日本のレーシングカーはもともと市販車からレーシングカーとして作り変えようとすると、いろいろと変えなければいけない部分多くて、作り込んでいくとクオリティは上がるけど、コストも上がって高くなってしまう。だけど、たとえばペダルのフットレストなんかをとっても、ゴルフは剛性が全然ないんです」と寿一。

「でもこのTCRは市販のレーシングカーで、売り出す価格とコストを考えると、ゴルフGTI TCRはきっちりしているのかな。いま、TOYOTA GAZOO Racingもその仕組みに気付いて、市販車からレースカーにするときのコストの下げ方も研究している。でも、(ゴルフに乗ると)もっとやりようはあると感じましたね」

 そんな寿一のTCR評は、市販レーシングカーの乗り味としては非常に的確なものだろう。自身のチューニングショップであるアデナゥで、多数のゴルフを手がける密山も「基本はゴルフらしさがすごくあって、(規定ではできないが)Racinglineのパーツを組み込みたいくらい、市販車との共通点がある。ここで得られたデータはお客様にもフィードバックできると思っています」と語っている。

■アデナゥにもたらされる“寿一効果”

 さて、そんな寿一も乗り込むRacingline PERFORMANCE GOLF TCRだが、8月2日に行われた予選では、デベサと密山がアタックし、ST-TCRのポールポジションを獲得した。また、寿一はCドライバー予選で1分52秒114をマーク。同じST-TCRでホンダ・シビックTCRを駆った道上龍を上回ってみせた。

 決勝でも期待が高まるRacingline PERFORMANCE GOLF TCR。しかし寿一は、10時間という長いレースで「ガンガンいくというより、このクルマを経験するためにじっくりいきたい。そしてふたりが喜んでくれるようなレースをしたいね」と語った。

 密山も「パッと初めて乗ったのにもかかわらず、クルマやチームの問題点もすぐに指摘してくれましたし、すごく勉強になっています」と“寿一効果”を語る。ST-TCR車両にとって10時間耐久は世界的にもそれほど多く経験が積まれているわけではないが、明日のレースのなかでも注目のクラスと言えるだろう。

Racingline PERFORMANCE GOLF TCR

本日のレースクイーン

引地裕美ひきちゆうみ
2025年 / スーパーフォーミュラ
Mobil1レーシングサポーターズ2025
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年5月号 No.1607

    スーパーGT非公式ガイドブック
    GT500/GT300全チーム&ドライバーガイド

  • asweb shop

    オラクル レッドブル レーシング NewEra 9SEVENTY マックス・フェルスタッペン 日本GP 限定 キャップ 2025

    10,560円