「FIA-F4はパワーがないので、体重を落とさないと重くて速く走れないんです。今は体脂肪が4%を切っているので、油断するとすぐに風邪引いてしまうんです」。そんなことを、事も無げに言う。そこまで努力できる人間にはチャンピオンになってほしいし、上のカテゴリーに上がって行ってもらいたいと思うし、その資格があると思う。笹原右京は僕にとって、ますます気になるドライバーとなった。

 2位の宮田莉朋選手に13ポイント差をつけて、ランキングトップで迎えたFIA-F4最終戦。ツインリンクもてぎで土曜日と日曜日に1レースづつ行われるFIA-F4のレース1が土曜日に行われた。前日の予選でポールを奪ったのは、宮田選手。対して笹原は4番グリッド。もしこのまま順位が変わらなければ、1レースの残して同ポイントになる。笹原にとっては、かなり追い込まれた状況でレース1がスタートした。

 どういった心境でスタートしたのか知る由もないが、笹原は1コーナーで他車に接触。順位を8番手まで落としてしまう。対して宮田は好スタートでトップをキープ。そのままポール・トゥ・ウインを成し遂げた。笹原はというと、追い上げるも、5位までしか順位を回復できずポイントリーダーの座から引きずり降ろされた。

 日曜日の今シーズンの最終レースで、2ポイントを追う立場となった笹原。第2レースのスターティンググリッドも、第1レースと同じで宮田がポールで右京が4番グリッド。前に出たもの勝ちのレースで、大きなビハインドを背負うことになった。

 今年、レース人生を賭けて挑んだFIA-F4で崖っぷちまで追い込まれた笹原が、どんなレースを見せてくれるのか。不謹慎かもしれないが、日曜日のレースが楽しみで仕方がない。 

日曜日の最終レースもランキングトップの宮田がPPで笹原が4番手スタート
宮田莉朋が優勝し、笹原の15ポイント差を逆転してランキングトップに

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折原弘之(おりはら・ひろゆき)
2輪のレースカメラマンを経て、4輪モータースポーツへ。F1を中心に世界のさまざまなレースを撮影し、オートスポーツ誌などで掲載。気になったことは直接ドライバー、チームに聞くスタンスで独自のレース観を切り開いている。今季からスーパーGT、スーパーフォーミュラなどを舞台に、不定期でオートスポーツwebでコラムを掲載。

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