S耐第3戦鈴鹿:残り6分の大逆転劇でENDLESS ADVAN GT-Rが勝利
完走を果たしたST-Xクラス勢に続いたのは、四駆のST-2クラス勢ではなく、4台が最後まで激しいバトルを繰り広げていた二駆のST-3クラス勢だった。
最初と最後だけは38号車堀田誠/阪口良平組のMUTA Racing TWS IS350が他チームを圧し、6クラス中唯一の開幕3連勝を果たすこととなった。
「良平選手の師事も、今年で10年目。大好きなんだけど、苦手な鈴鹿でどうしても勝ちたかったから、本当に嬉しい。今回はメンタルな面まで指導してもらいました」と堀田。2位は小松一臣/杉林健一/安宅光徳組の14号車岡部自動車KYOSHIN 195Z34が獲得した。
一方、ST-2クラスは冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組の6号車新菱オートDIXCELエボXが2連勝。前回の無念を晴らそうとした、大澤学/後藤比東至/檜井保孝組の59号車DAMD MOTUL ED WRX STIにトラブルが相次ぐ中、難なく逃げ切りを果たしていた。
「前の勝利から4年も経っていたのに、年に二回も勝つなんて、もう運を全部使い果たしたかも」と冨桝は苦笑する。そして、一台のみ出場のST-1クラスでは、星野敏/荒聖治組の777号車D’station Porsche 991が開幕戦以来の完走を果たすことに成功。
ST-4クラスは早々に、松井孝允/井口卓人/蒲生尚弥組の86号車TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86、そして松井猛敏/中島保典/柴田優作組の95号車SPOONリジカラS2000の一騎討ちとなっていた。
序盤に1周だけだがSCランがあり、その時にこの二台だけが総合トップのバックマーカーとなっていなかったため、3番手以下にほぼ1周の差をつけてしまったからだ。
しかし、ドライバー交代のタイミングによってSPOONリジカラS2000に一時トップを明け渡したことはあったが、終始有利に展開を進めていたTOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86が今季初優勝。3位は連勝こそならなかったものの、ポイントリーダーの村田信博/小河諒/元嶋佑弥組の13号車ENDLESS ADVAN 86が獲得した。
そしてST-5クラスは、2013年の第4戦富士スピードウェイにおいて、マツダのガソリンエンジン搭載車両として初めて国内耐久レースを制したTEAM NOPROが、今度はディーゼルターボエンジン搭載車両でも初優勝を飾った。
同じフィット3勢とバトルを繰り広げつつ、今回のST-5クラスでは他を圧する速さを見せ、なおかつレースの大半をリードしたのは、大野尊久/窪田俊浩/梅本淳一組の69号車BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT。
しかしながら、「僕らが4時間のレースで3回も給油しなくてはならない中、1回で済まされては……」と梅本。
谷川達也/井尻薫/野上達也組のDXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-Dは好燃費を武器として、ピットでのロスを最小限にし、かつフィット3とは離れて周回を重ね続けたことで、気がつけばトップに浮上。終盤には梅本が5秒差にまで迫ったものの、谷川のプッシュによって逃げ切りを果たす。「また新しい記録を築けて最高の気分です! 谷川さんと井尻さんには、本当に感謝しています」と野上は語った。