予選のあとに天候は急速に回復し、土曜日のうちにドライコンディションへ。そして、日曜日には好天に恵まれ、中山が心配していたドライコンディションでの戦いとなった。第3戦は8周での争い。中山が少し胸を撫で下ろしたとすれば、決勝の前に行われた体験走行で坪井のマシンにギヤトラブルが生じ、リタイアを余儀なくされたことだろう。

だが、そのぽっかり空いたグリッドをかいくぐるかのように、早々と2番手に上がってきたのが石浦だった。1周目を終えた時点で石浦は中山の背後に迫り、3周目の1コーナーではトップに立つ。

しかし、中山も負けてはおらず、石浦にピタリとついて逆転のチャンスを待つ。1コーナーでは何度もけん制をかけるも、石浦のガードは鉄壁。結局、逆転は許されぬまま8周を終え、石浦が優勝を飾り、中山は2位に。3位は予選8番手から着実に順位を上げてきた、ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)が獲得した。
短いインターバルを挟み、続いて10周による第4戦が行われる。グリッドは第3戦の順位で決定。ポールポジションからスタートを切った石浦は、トップで1コーナーに飛び込んでいくが、引き続き中山が食らいついて離れない。さらにトップ争いはクインタレッリも加え、激しい三つ巴状態が、しばらくの間続いていく。
まずは4周目の2コーナーで、中山をクインタレッリが捕らえて2番手に浮上。だが、5周目の1コーナーで中山はすぐに抜き返す。そして、第3戦のように今度は石浦にも迫っていき、1コーナーでは何度も並びかけるも、逆転するまでには至らない。

しかし、チャンスは一度だけ訪れた。最終ラップの1コーナーで石浦が姿勢を乱し、そこで並んだ中山はコカコーラコーナーまでに、前に出ることに成功する。「ストレートは石浦さんの方が速く、1コーナーで横に並んでも抜けずにいましたが、ブレーキがきつそうだな、とは思っていたんです。そうしたら最後に! 何とかトップに立てて良かったんですが、すごく疲れるレースでした」と中山。久々の優勝に、してやったりの表情を見せていた。