これで2番手に後退した大津は、じわじわと来ず奥に差を詰められていき、8周目の1コーナーで千代に交わされ3番手に後退。その後も坪井翔(ZENT TOM’S F314)、山下健太(ZENT TOM’S F312)にも追撃され、ポジションを落としてしまう。
2番手を取り戻した千代はペースを上げ、前を行くチームメイトを追いかけ始める。レース残り4周には1.9秒差まで詰め寄ったが、この周の1コーナーでF3-Nのアレックス・ヤン(ALEX YANG Hanashima F3)と片山義章(Petit LM Racing)が接触。片山はコースへ復帰したものの、ヤンは再スタートできずマシンを降りたため、車両回収のためにセーフティカーが導入された。
レースは残り2周で再開。このリスタートでマーデンボローの背後につけた千代は、1コーナーでアウト側から並びかけてオーバーテイク。チームメイト同士のバトルを制し、トップに浮上した。また、3位争いを演じる坪井、山下のチームメイトバトルはイン側に飛び込んだ山下に軍配が上がった。

このままの順位でチェッカーかと思われたが、ファイナルラップのシケインで千代がわずかに失速。これにマーデンボローが引っ掛かり、加速が鈍った隙をついて山下がマーデンボローのインを刺そうと襲いかかる。しかし、マーデンボローはイン側を閉めてけん制。これで行き場をなくした山下は後続の坪井に逆転を許し、4番手に後退してしまった。ポジションをひとつ上げた坪井は、最終コーナーでマーデンボローのインを伺うが、加速重視でコーナーをクリアしたマーデンボローを交わすには至らなかった。

トップの千代はそのまま逃げ切り、トップチェッカー。千代はここまで苦しいシーズンを過ごしてきたが、念願の今季初優勝を飾った。

F3-Nはクラスポールポジションからスタートした松井孝允(サムライサポーターズF306)が2連勝をあげている。
■全日本F3第10戦 暫定結果(編集部計)
Pos. | No. | Driver | Car | Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 23 | 千代勝正 | B-MAX NDDP F3 | 21Laps |
2 | 22 | ヤン・マーデンボロー | B-MAX NDDP F3 | 0'01.492 |
3 | 37 | 坪井 翔 | ZENT TOM'S F314 | 0'01.653 |
4 | 36 | 山下健太 | ZENT TOM'S F312 | 0'01.905 |
5 | 12 | 牧野任祐 | TODA FIGHTEX | 0'02.734 |
6 | 8 | 大津弘樹 | HFDP RACING F312 | 0'04.504 |
7 | 21 | イェ・ホンリー | KRC with B-Max F315 | 0'06.281 |
8 | 7 | 阪口晴南 | HFDP RACING F312 | 0'06.844 |
9 | 2 | 石川京侍 | TODA FIGHTEX | 0'07.764 |
10 | 28 | 山口大陸 | タイロク・エクシード 28号 | 0'08.267 |
11 | 25 | 松井孝允(F3-N) | サムライサポーターズF306 | 0'11.332 |
12 | 3 | 三浦 愛 | EXEDY B-Max F312 | 0'27.191 |
13 | 30 | DRAGON(F3-N) | B-Max Racing F308 | 0'49.357 |
14 | 9 | 廣田築(F3-N) | アルビレックスF306TLM | 0'53.063 |
15 | 78 | 片山義章(F3-N) | Petit LM Racing | 0'53.151 |
16 | 10 | 岡崎善衛(F3-N) | Glocal アルビTLM | 0'56.658 |
17 | 5 | アレックス・ヤン(F3-N) | ALEX YANG Hanashima F3 | 6Laps |