第4戦決勝レースも、ドライコンディションで争われた。ここで角田の脇に並んだのは名取で、2列目には金澤と川合、そして3列目には小高と大滝拓也(SRS/コチラレーシング)が。またしてもスタートを決めたのは名取だったが、第3戦同様、角田は逆転を許さず。そして川合と金澤が順位を入れ替えて続き、さらにダンロップコーナーで小高が5番手に浮上する。勢いに乗る小高は、2周目のダンロップコーナーでも金澤を抜いて4番手に。
今回のトップ争いは、角田と名取、そして川合の三つ巴から始まるも、徐々に川合が遅れをとるように。それでも、なかなか名取を引き離せないことから、角田は一計を案じる。
「正直なところ僕も苦しくて、『早く後ろが来ないかな』と思っていて、ごちゃごちゃになってくれれば離せるだろうと。それで1コーナーのブレーキングとかでタイミングをずらして、そうなるようにしました」と角田。この作戦が成功し、名取と川合が接近すると、11周目にバトルがぼっ発。この隙に角田がリードを広げてみせた。
名取を攻めたてる川合だったが、逆転できなかったばかりか、後方の小高や菅波冬悟(OTG DL F110)をも近づけ、12周目の1コーナーには4台が連なって飛び込むことに。川合は接触を避けるため、ダートに足を落とし、6番手にまで後退。名取、小高、菅波の順でコカコーラコーナーに飛び込んでいく。
だが、バトルはこれに留まらず、14周目のコカコーラコーナーでは小高が名取を抜いて2番手に浮上。さらに名取は最終ラップの1コーナーで菅波に、そしてヘアピンで川合に相次いで抜かれてしまう。
作戦を成功させた角田は、5秒差での圧勝にも、逃げきる自信がなかったわけじゃないですが、本当は自分の実力で勝ちたかったので、本心では喜べないレースでした」と本音を漏らしたが、その“匠”ぶりが光ったのは間違いない。
2位は小高で、2戦連続で表彰台へ。「今回はスピードが足りなくて、一時は諦めていました。チャンスが来たから何とかなりましたが、ちょっと怖かった(笑)。次の鈴鹿からは行きますよ」と気合充分。3位の菅波は、予選10番手からの躍進を果たした。