これは根っからのモータースポーツ好きで知られる、富士スピードウェイの原口英二郎社長のこだわりでもあるのだとか。社長自ら、モータースポーツファンにレースを楽しんでもらえるよう細かく配慮しているところに、今回の富士スピードウェイの24時間レース開催への意気込みの強さを感じさせる。
コースだけでなく、ピット前&ピットロードもチームがスムーズに作業できるよう、そしてメインスタンドからのファンが見やすいよう、照明の数が増加された。雨の中だったとはいえ、公式テストの夜間セッションでは煌々と照らされたピットロードは明るいだけでなく、幻想的な雰囲気でもあった。
暗闇の中に浮かぶようなピットロード、そしてと隣のメインストレートをヘッドライトを付けて駆け抜けるマシンとそのエンジン音を体感すれば、モータースポーツファンならずとも、不思議な高揚感が起きてくる。ひと言でいえば、夜間走行はとにかく『アガる』のだ。この感覚は実際に体感しないと沸き起こらないものなのかもしれない。
富士24時間の最大の見どころは夜間走行で間違いないが、他にも富士スピードウェイはTGRコーナー(1コーナー)イン側や13コーナー、レクサスコーナーのイン側の路肩を改修して、スピードバンプやアスファルト舗装に改修。縁石を大胆にカットするラインを防止し、さらに排水溝を設けるなどで安全性を高めている。
さらにコースサイドにはLED型表示パネルを設置。スーパー耐久で運用されているフルコースイエロー(FCY)に対応するだけでなく、夜間走行時の視認性を高めて安全面に配慮している。
6月の富士SUPER TEC 24時間レース、そして8月にはスーパーGT第5戦富士500マイル、10月にはWEC第4戦富士6hoursと、『耐久の富士』を印象づけるとともに、イベントの安全面とファンへの魅力の訴求と、さまざまな部分で進化しつつある富士スピードウェイ。まずは50年ぶりに開催される富士での24時間走行をその目に映せば、モータースポーツの楽しみを再確認すること、請け合いだ。



