Naoyuki Hata

 第6戦決勝は、吹く風も穏やかになり、まさに五月晴れの好天の中での戦いとなった。ここでは小高がスタートを決めて、角田の前に出ることに成功。今度こそ3番手スタートとなった大滝が名取を従えることとなり、5番手スタートだった岩佐は佐藤に抜かれたばかり、石坂と川合をすぐ後ろに置くこととなった。

 まもなくトップ争いは4台に絞られ、それぞれ一歩も引かぬ構え。と同時に、早めの仕掛けを見せていた。3周目のシケインで、まず小高に角田が迫り、ガードを固められている間に大滝が出し抜こうとするも、それはかなわず。だが、戦いはなおも続いて、1コーナーから大外刈りをかけてきた角田を、小高はS字で前に出す。

「もうちょっと粘れたんですが、接触して順位を落としたらもったいないので、仕切り直してもう1回行こうと思っていました」という小高の判断は誤りではなかったが、まもなくSCボードが出されて正解にはならず。

 というのは、トップグループが通過した直後に、1コーナーで3台が絡むクラッシュがあったから。そのうち1台はタイヤバリアに乗り上げているほどで、誰にも怪我がなかったのが、むしろ不思議なぐらい。「次の周に1コーナーを見たら、ぐしゃぐしゃになっていたんで、これは絶対に(SCが)解除にならない。終わったな……と」と小高は肩を落とす。

 小高の予測どおりSCランはしばらく続いて、30分を経過したところでタイムアップ。レースは終了となり、角田の5連勝が決定した。

「スタートの蹴り出しは良かったけど、ホイールスピンしちゃったんです。ペースが良かったので、まともにレースできなかったのは残念です。前に出さえすれば引き離せる自信がありました。この周しかないな、というのをうまくまとめて抜くことができたので、自信にはつながりましたが、本当はラッキーって言われないようなレースがしたかったので、そこだけが心残りです」とは、勝ってなお贅沢な悩みではある。

 3位は大滝が、4位は佐藤が獲得。なお、インディペンデントカップは、第5戦で仲尾恵史(TCS Racing Team)がトップチェッカーを受けたが、黄旗追い越しのペナルティでクラス4位に降格。繰り上がってスポット参戦の久保宣夫(ロジスティックサービスHiguchi)が優勝を飾るも、第6戦は燃料計トラブルで早々にリタイアして連勝ならず。仲尾が今度こそ優勝を飾ることとなった。

第6戦で菅波冬悟、岩佐歩夢、岡本大地による多重クラッシュが発生
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