シリーズとしてはこれまでにない大量の年間エントリーを集め、おおいに話題を集めている今年のスーパー耐久シリーズ。富士スピードウェイを舞台とするシリーズ第4戦「Super TEC」は、初めて65台が結集するレースとなる。
これだけの台数が並んだスターティンググリッドに、どんな印象を抱くのか今から楽しみでならない。そして、9時間にも及ぶ長丁場に、果たしてどんなドラマが待ち構えているのだろうか?

■さまざまなレーススタイルを採用
今季のスーパー耐久シリーズは、年間エントリーの台数の多さに対応すべく、新たなレーススタイルが導入された。過去にも例がある2レース開催に加え、鈴鹿サーキットが舞台のシリーズ第3戦ではセカンドチャンス100と銘打たれた、100分間の敗者復活戦を実施。ST-XクラスとST-1クラス以外の4クラスで、無条件に決勝進出を許されるのは、予選上位の3チームのみ。4位以下のチームはあらかじめ按分比例によって定められた順位以内でないと決勝に駒を進めれず、最多台数のST-4クラスの場合、先の3台を除く20台のうち13位までがボーダー。逆に最小台数のST-2クラスは、トップだけしか決勝進出が許されないのだから、まさしくサバイバル戦の様相を呈していた。
ここまでのシリーズ3戦が行われ、いずれも激しい総合トップ争いが繰り広げられた。ツインリンクもてぎで行われた開幕戦は、6クラス混走の5時間レース。ポールポジションを5号車Mach MAKERS GTNET GT-Rを駆る、藤波清斗/星野一樹/白井剛/青木孝行組が獲得。2番手には22号車Clearwatar Racong by Mooncraft Carsのマクラーレン650Sを駆る、モック・ウェン-サン/加藤寛規/濱口弘組がつけた。今年はST-Xクラスにアジアのチームとの交流が深まっているのが特徴のひとつでもあり、22号車650Sはスポット参戦ながら、その中の一チームでもある。
決勝は逃げる5号車GT-Rを、24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田優大/藤井誠暢/平峰一貴組が追いかける展開で開始される。星野に藤井が食らいついて離れず。やがて、ピットで24号車GT-Rがトップに立ち、その後の平峰、内田、そして再び平峰につながれたリレーも完璧に、逃げ切りを果たすことに。
内田にとって、これがデビューウインとなった。22号車650Sは序盤の遅れが響いて4位に。3号車ENDLESS ADVAN GT-RのYUKE TANIGUCHI/峰尾恭輔/富田竜一郎/柳田真孝組が3位を獲得した。