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投稿日: 2018.10.10 17:07

ENDLESS SPORTS 2018スーパー耐久第5戦もてぎ レースレポート


国内レース他 | ENDLESS SPORTS 2018スーパー耐久第5戦もてぎ レースレポート

[決勝/9月23日(日)]

3号車 優勝
12:03 スタート 5時間レース(17:05 チェッカー)ドライコンディション

 前戦のオートポリスに続いて、決勝は5時間という長丁場の決勝レース。この日は25度超え……。この時期として見れば、それほど暑いというわけではないが、数日前が17度だっただけに、実際の温度以上に感じた。
 
 12時過ぎ、コースからセーフティカーが抜け、スタートが切られる。スタートのステアリングを握るのは今回も銘苅。やや詰まった状態のなかからのスタート。いい感じで加速していくが、1コーナー手前のブレーキングでリヤが振られたアウディが当チームのGT-Rに接触。銘苅は弾き出されることなく、冷静にマシンをコントロール、マシンの方も支障が出るようなダメージもなかった。
 
 最終コーナー手前でアウディの1台がスピン。銘苅もオープニングラップを3番手で戻ってくる。トップ3はGT-R。24号車、99号車。そして、当チームだ。これまでは24号車が逃げていくが、今回はウエイトハンデもあり、いつもの速さがなく、トップ3台が一進一退、5秒以内の中でラップを重ねていく。
 
 30ラップ過ぎになると、オープニングラップでスピン、出遅れていた81号車のアウディがジワジワと迫り、4台がテール・トゥ・ノーズ。このなか、勢いがあったアウディは、34ラップ目に2台を抜き2位に上がる。当チームは4位に後退。
 
 38ラップ、アウディが最初のピットストップ。最初に観客を熱くさせたのが42ラップ目だった。トップ3を形成していた3台のGT-Rが同時にピットに滑り込んでくる。タイヤを交換、ガス給油、ドライバーが乗り替わる。3台のポジションに変更はなく、コースに戻る。各チーム、給油したガソリン量に違いがあるから簡単には決められないが、ピット作業での戦いは引き分けといったところか……。
 
 山内に乗り替わった当チームのGT-Rは、圧倒的な速さで追い上げる。山内はこのあとステアリングを握る田島のために、最低でも70秒、できるなら80秒以上のマージンを稼いでおきたい。
 
 1分55秒台でのラップを続ける。瞬く間に99号車のGT-Rを捉え2番手に浮上。54ラップ目にこの日、1回目のFCYとなるがトップとの差は、大きく変わらず、約11秒。その直後にトップで逃げていた24号車がピットストップ。ミッショントラブルとの情報が飛び込んでくる。2番手のマシンがどこのチームになろうと、80秒以上のマージンを築いておくことに変わりはない。
 
 72ラップ、山内より約70秒後方を走っている2番手のGT-R、さらに3番手につけていたアウディが揃ってピットストップ。山内はギリギリの86ラップまで引っ張って、田島にスイッチする。2分01~03秒台でのラップは想定内なのだが、序盤、後方にいた83号車のアウディが驚異的な速さでトップに躍り出たのは想定外。監督の峰尾は、ステアリングを握る田島に無線で指示を送る。

トップチェッカーを受けたENDLESS GT-R

 
 意外に知られていないが、ピットからの指示もレース展開を大きく変える要素なのだ。指示の仕方によっては、ドライバーにプレッシャーがかかりすぎ飛び出したりすることもある。お互いの性格が分かっていれば、指示の仕方も簡単なのだが、田島は今回、当チームに加わったドライバー。どういう指示がベストなのか……。言葉は悪いが、峰尾が田島をうまく走らせたとも言える。実際、田島も「気持ちよく走れたし、楽しかった」とレース後に話している。
 
 100ラップすぎにトップのアウディがピットストップ。112ラップ目に99号車の GT-R、さらに当チームは115ラップ目に最後のピットストップ。ふたたび、銘苅がステアリングを握ってコースに戻る。トップを走るのは83号車のアウディ。2番手には99号車のGT-R。3番手には81号車のアウディがつけ、当チームのGT-Rは4番手。トップの83号車は独走態勢を築いているが、そろそろ4回目のピットが予想され、ほぼ4台が10秒以内でのバトルになるのは必至だ。
 
 いずれにせよ、銘苅は1台ずつパスしていくしかない。まず、ターゲットは81号車のアウディ。120ラップ過ぎには背後に急接近。その後、81号車にペナルティが課せられ、ピットレーンに入る。その直後に予想した通り、トップのアウディが給油のためにピットストップ。トップでコースに戻るが、トップ3は11秒以内。銘苅は99号車の背後にピタッとつけ、チャンスを狙う。
 
 99号車はこのレースでチャンピオンになる可能性が濃厚なため、無理はしない。バトルは5ラップほどで決着がついた。2番手に浮上した銘苅。チェッカーまで約20分。トップのアウディとの差は18秒にまで広がっているが銘苅はプッシュを続ける。アウディの速さ、タイム差を考えたら、どんなにプッシュしても逆転するのは厳しい。指示を送る峰尾はもちろん、山内も田島もそれは十分に分かっている。
 
 でも、今シーズン、納得のいくレースができていない当チームは、わずかでも可能性があればいくしかない。その気持ちが通じたとしか思えないような事態が起きた。トップで逃げていたアウディにペナルティボードが掲示される。チェッカーまで13分を切ろうかという時だった。人の不幸だけに心底は喜べない。でも、今シーズンの当チームの走りはあまりにきつかった。その反動なのか、ピット内には歓喜が響き渡った。涙するキャンギャルもいた。
 
 ピットに戻るアウディ。メインストレートを全開で駆け抜けていく当チームのGT-R。146ラップ目、チェッカーまで10分弱、トップに躍り出た。その差は約7秒。アウディは全開で追いかけてくる。チェッカーまで4ラップは走る計算だ。まだ、アクセルを緩められる状況ではない。
 
 銘苅は必死になって逃げる。今季、初優勝。表彰台という形なら17シーズンの最終戦、岡山ラウンドの2位以来。優勝ということになると、チャンピオンを獲得した16シーズンの最終戦、オートポリス以来ということになる。
 
 ドライバーはもちろんのこと、メカニック、キャンギャルがピットに戻ってきた銘苅を祝福する。さらに監督の峰尾を熱くしたのが、どこよりも早く、上海でレースを応援していてくれたYUKE TANIGUCHIが「おめでとう」という電話をかけてきてくれたことだった。今回は一緒に走れなかったが、やっぱり仲間だった。最高のチームメイトだ。
 
 この勢いで……。最終戦、岡山ラウンドも19シーズンに繋げるエンドレスらしいレースで締めくくりたい。ここまでどん底の状態が続いていたのにも関わらず応援してくれた関係各位、ファンのみなさま、本当にどうもありがとう。今回のような熱いレースシーン、今後も見せられるように頑張ります。
優勝した3号車ENDLESS GT-R組


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