更新日: 2018.11.01 22:59
【インタビュー】「もう一度ヨーロッパへ行きたい」日本での経験で成長を遂げた笹原右京の目指す位置
■日本とヨーロッパを「両方経験したしたことは大きい」
今季、チームとともにステップアップできたことについて、笹原はかつてヨーロッパで戦っていた頃、決してトップチームとは言えないチームとともに戦い、ステップアップしてきた経験が活きているという。そんな笹原に、3年間日本で戦ったことで、ヨーロッパとの違いはどんなものが見えたのかを聞いた。
「特に今年1年で、より多くの日本での戦い方ややり方を学ぶことができましたね」と笹原。
「何を学んだかというと、基本的にヨーロッパとはレースのスタイルもコンディション、タイヤもすべて違います。それに細かくアジャストしていくところは、またヨーロッパとは全然違いますね」
「スーパーフォーミュラを見ていてもそうなんですが、ちょっとしたクルマの善し悪しですべてが変わってしまうくらい変化が大きいんですね。その点ヨーロッパでは、コンディションが良くないせいなのか、クルマよりも、ドライバーがちょっと“ひねり出せ”ば、なんとか頑張れる気がするんです」
そう日本とヨーロッパの違いを語る笹原だが、もともと笹原はヨーロッパで長くキャリアを積んできたドライバー。日本での“スタイル”で戸惑うところもあったという。
「まだ“日本に来たて”の頃は、その点全然掴めていなかったです。特に今年全日本F3を戦って、いきなりトムスがあれだけ速かったので、自分からすると『?』という状態でした。『見た目が同じなのになんであんなに速いんだろう』って(苦笑)。でも今年一年戦って、それがなぜ速いのかは意外と分かってきたかもしれません」
そして、日本とヨーロッパという両方のスタイルを経験できたことは、笹原にとって「どちらがいい、悪いというのはなくて、絶対に自分の幅を広げる意味では、両方経験できたことはすごく大きいです」という。
「異なるところで学んで、それを習得するのは、ドライバーとしてはこの先も必要なことだと思います。その上で2年間はすごく中身が濃かったですね。そして今年一年戦って分かったことは、『自分を失わず、信じて突き進んできたことが最終的に正解だった』ということですね」