──マシンをドライブした感想を聞かせてください。

バイエルン:BMWが非常によくテストをして作ったクルマで、開発と調整を重ねてきているなと感じました。エンジンは強いトルクを誇っており、318iはスタート時の加速がずば抜けて良かったものです。特に当時のBMWは足回りのつくりが抜群に良く、私はドライビングをとても楽しんでいました。

 ただ、時に難しかったのはギヤ比でした。アクセルを戻してまた走り始めた時のレスポンスが厳しかったですね。高い縁石に乗り上げる時の不安定さも難点でしたが、それはライバルの日本車も同様だったように記憶しています。

1994年JTCCでのバイエルン(写真右。左は僚友のソーパー。中央はアンドリュー・ギルバート-スコット)
1994年JTCCでのバイエルン(写真右。左は僚友のソーパー。中央はアンドリュー・ギルバート-スコット)

──いつも寝食をともにしていたシュニッツァーとの関係はいかがでしたか?

バイエルン:私にとっては家族の一員です。昨年チャーリー(ラム)が突如亡くなり言葉もありません。JTCCでの成功は彼のマネージメント力も大きく占めていたと思っていますし、ヘルベルトとは今でもよく電話で話をします。

 当時ドライバーはレースが終わればドイツに帰国することができましたが、チームは日本へ残って借りていたトラックの中で作業をし、次のレースの準備をしていました。そのため故郷の白ソーセージやプレッツェルが恋しいだろうと思い、私はスーツケースにそれらをこっそりと忍ばせて“密輸”していました(笑)。それをとても喜んでくれて、作業の手を休めて故郷の味を楽しみながらたわいのない会話をして、その時間は笑いにあふれていました。
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 高貴な家柄をもつ一族出身で各国のロイヤルファミリーや皇族とも接点があるというレオポルド。76歳となった今でもBMWクラシックスのブランドアンバサダーに任命され、クラシックカーイベントやオールドタイマーラリーでBMWの顔として活動しているという。

 JTCCを特集したレーシングオン No.506の記事中では、1994年のJTCCを欠場した理由や1995年に突然レーシングドライバーを引退した心境なども赤裸々に語っている。当時、謎に包まれた“バイエルン王子”が回想するJTCC、ファンは必読だ。

JTCC全日本ツーリングカー選手権を特集した『Racing on No.506』の詳細と購入はこちらから
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