ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race第5戦SUGO レースレポート
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2020 クラブマンシリーズオープン 第5戦
安定感のある走りを手に入れた西澤選手が開幕戦を制する
2020年シーズンの第1戦から第4戦までが中止または延期されたため、今回の第5戦が開幕戦ということになった。今シーズンもSUGOでのレースは2ヒート制で行われ、土曜日の午前中に予選、午後に決勝第1ヒート、日曜日の午前中に決勝第2ヒートという構成となっていた。
しかし、まだ梅雨明けしないためレースウイークの湿度は高く、2日間ともにスポーツランドSUGOに濃い霧を発生させてしまった。その結果、スケジュールが何度も変更されるなど、ドライバーたちは影響を受けることになった。エントリー台数は28台。これまでの常連ドライバーだけでなく、新規参入したドライバーも数多く、このレースの人気の高さは健在といえるだろう。
●予選
雨は上がり、路面もハーフウエットの状態となっていたが、サーキット全体を霧が覆っていた。天候の回復を待ち、10分遅れでスケジュールは進行することになった。
ポールポジションは、ヴィッツレースで活躍してきた#62咲川めり(YH)だった。8年目のシーズンを迎えたこのレースで、女性ドライバーがポールポジションを獲得したのは初めての快挙だ。予選上位には、常連ドライバーたちが名を連ねた。2番手には#124西澤嗣哲(ブリヂストン)、3位は#559岡田整(YH)となった。ブリヂストン装着車は、トップ10に3台が入った。
●決勝第1ヒート
霧による視界不良により、各レースでスタートが遅れることになったため、オープンクラスの第1ヒートは本来のスケジュールから100分遅れでの進行となった。
ポールポジションの咲川はややスタートで出遅れ、絶好のスタートを切った予選2番手の西澤がトップで1コーナーへと入っていった。3番手には接触によってポジションを下げた岡田に代わって予選5番手から#57佐藤純一(ブリヂストン)が上がった。
トップの2台は少しずつ後続を引き離し、マッチレースのような展開へ。3番手争いが白熱したことで、その差はさらに大きく拡がっていき、7周目には5秒弱というギャップができあがった。
終始安定した走りをみせた西澤は、終盤にペースを上げて咲川を引き離すと、トップチェッカーを受けた。咲川は女性ドライバーとして初のトップ3入りとなった。(Bレースを除く)3位には#808木下智裕(YH)が入った。
●決勝第2ヒート
日曜日の天候は、小雨と霧が入り交じり、コンディションは土曜日よりもさらに厳しいものになっていた。そのため第2ヒートはセーフティカースタートとなった。しかし霧は徐々に深さを増していき、4周目に入ったところで赤旗中断。そのままレースは終了となったため、第1ヒートとおなじ順位での決着となった。ブリヂストン装着勢はトップ10に3台が入った。
オープンクラスで優勝した#124西澤嗣哲選手のコメント
「第1ヒートがスタートする前に咲川さんと、第2ヒートまで走りきらないとポイントにならないので、第1ヒートはふたりで逃げましょう、という話をしていたんですよ。だけどスタートが思ったよりもうまく決まってしまって、トップに立つことになりました。それが全てでしたね」
「それでも咲川さんと2台で先行することができたんですけど、3位を走っていた佐藤さんがブロックしてくれる形になって助かりました。プロドライバーからアドバイスを受けて、その成果が出てきた感じですね。今回の優勝はそれも大きかったと思います」