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投稿日: 2020.07.31 17:50

K-tunes Racing 2020インタープロト・シリーズ第2戦 レースレポート


国内レース他 | K-tunes Racing 2020インタープロト・シリーズ第2戦 レースレポート

K-tunes Racing
Inter Proto Series 2020 Round.2
鈴鹿サーキット

Professional Class

K-tunes Racing オフィシャルサイト
http://www.oktp.jp/ktunesracing/

インタープロト初の鈴鹿開催は雨
難しい状況で中山雄一が3位表彰台へ

 これまで富士スピードウェイを舞台に開催されてきたインタープロトシリーズだが、東京オリンピック/パラリンピックの自転車競技会場に指定され2020年の夏が使用できなくなり、同シリーズとしては初めて他サーキットでの開催となった。舞台は世界屈指のドライバーズサーキットである。当然のことながら今までとは違う展開が大いに予想された。

 7月25日〜26日で開催されたインタープロト第2大会。レーススケジュールではジェントルマンクラスの予選からスタートだったが、末長一範選手の欠場により、K-tunes Racingの鈴鹿はプロフェッショナルクラスの中山雄一選手の予選から始まった。

 朝から降っていた雨が一時的に止み、路面が乾き始めた状況から、予選はスリックタイヤを選択する。レコードラインは乾きつつあるが、時折弱い雨がぱらついて半乾きの状態。走っているうちに乾いていくことも想定しながら周回を重ね、アタックのタイミングを探っていく。

 インタープロトで使用している『Kuruma』は、前後にウイングを持たないのでダウンフォースがとても少なく、ドライビングが難しい。コースが鈴鹿ということで「マシンと格闘する時間が富士よりも長かった(中山選手)」というが、それでも中山選手は2分11秒655を記録し、4番グリッドを獲得する。

 予選後中山選手は「タイムは現時点でのベストです。大きなミスもしていないし、悪くないアタックだったと思います。初めての鈴鹿で、どうセッティングを詰めていくかがカギでしたが、やはり富士とはバランスが大きく変わることがあらためて実感できた」と、鈴鹿でのセッティングに苦心していたことが明らかにしていた。

 前日(7月25日)29歳の誕生日を迎えた中山選手は、「いい20代最後の年にしたい」と語っていた。今回のレースは、20代最後の年を気持ちよくスタートさせるためにも重要なレースとなる。

 7月26日の決勝レースは予報通りの雨。中山選手の前には、ポールポジションを獲得した#37福住仁嶺選手、安定した速さを見せ2番手につけた#3阪口晴南選手、3連勝を目論む#32坪井翔選手が並び、この上位陣に対して中山選手がどう挑むかが注目された。

 スタート直前、折からの雨は激しさを増し、セーフティカースタートとなった。3周でセーフティカーが解除されてレースが始まり、すぐさま1コーナーで阪口選手が福住選手をパスしてトップを奪取。中山選手の順位変わらず、3位の坪井選手を追う展開で周回を重ねていく。

 コース上には深い水たまりがあってストレートでも全開で行けず、なおかつ前走車のウォータースクリーンで視界は最悪で、クルマの姿勢をコントロールしながら積極的に攻めていくのが難しい状況が続く。

 中山選手にとって幸運だったのは、5位を走る#16ロニー・クインタレッリ選手のペースが上がらず、後方からポジションを脅かされることはなかったこと。このおかげで、自分のタイヤをいたわりながらポジションをキープすることができた。

 最終ラップのシケインでそれまで福住選手を激しくプッシュしていた坪井選手がトランスミッショントラブルに見舞われコースアウト。これで我慢の走りを続けていた中山選手は労せず3位にポジションアップし、そのままチェッカーとなった。

 続いて行われた第2レース、中山選手は3番グリッドからのスタートとなる。雨脚は少しだけ弱まったものの、コースの状況に大きな変化はない。セーフティカーランが終わり、2周目からレースが始まったが、トップ3台はほぼ等間隔で2周を終えた時点で中山選手とトップとの差は1.864秒、2位福住選手とは0.654秒差。

 7周のレース、中山選手は2分30秒台をコンスタントに記録しながら周回を重ねていく。前を行く2台についていき2周目には2分29秒512のベストタイムを記録するものの、なかなか抜ける状況に持ち込むことができない。そして5周目、中山選手はスプーンカーブで痛恨のコースアウトを喫してしまう。

 幸いにもランオフエリアが舗装だったため無傷でレースに復帰するが、1.4秒ほどだった差は2.1秒まで開いてしまう。もう攻めるしかなくなった中山選手は、2分29秒550という福住選手よりも速いペースで猛追。しかし残り2周では接近するに至らず、第1レース同様、3位でのチェッカーとなった。

 第1大会での雪辱を期して挑んだ鈴鹿だったが、結果は2019年最終戦以来となる表彰台を獲得。レース後中山選手は「決していいレースというわけではありませんでしたが、第1レース、第2レースともに表彰台を獲得できのは嬉しい」と語ってくれた。中山選手にとって20代最後のシーズン、その始まりはこの先に期待を抱かせるものとなったのは間違いないだろう。

Driver’s voice
中山雄一選手のコメント

「難しいレースでしたが、表彰台を獲得できたのは今後につながると思います。チームの陣容が変わって、手探りの部分があるなかで、走れば走るほど現時点でのクルマの状態がわかるようになってきています」

「限られた時間のなかでたくさんのことを試せる時間も増えているし、それがいい方向へ進んでいるのも実感しています。僕自身もいい仕事をして、もっと戦えるようになって、次戦もいいレースをしたいですね」

2020 インタープロト・シリーズ第2戦 中山雄一(K-tunes Racing)
2020 インタープロト・シリーズ第2戦 中山雄一(K-tunes Racing)


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