更新日: 2020.10.01 15:50
ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race第4戦十勝 レースレポート
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2020 プロフェッショナルシリーズ 第4戦
史上初のBRZワン・ツーフィニッシュ 井口卓人が逆転で総合優勝
開催場所:十勝インターナショナルスピードウェイ
開催日:2020年09月26日(土)~2020年09月27日(日)
プロフェッショナルシリーズは、ほとんどがプロドライバーたちであり、フルシーズン参戦が基本となっている。そのためクラブマンシリーズのオープンクラス、エキスパートクラスよりもずっと多い26台のエントリーとなった。
予選と第1ヒートが行われる土曜日は、以前から雨の天気予報となっており、多くのチームが雨で大きなアドバンテージがあるブリヂストンタイヤを選択した。結果からいえば、予選と第1ヒートのリザルトでは、上位にブリヂストン装着の全車が並び、その下位に他社が並ぶという明確な線引きとなる圧倒的な結果となった。
●予選
降り続く雨のなか予選は開始された。タイヤをしっかりと温めるため、ウエービングさせるマシンが多いが、1周では不十分なのか2周目に入ってもスローペースだった。そんな開始4分、#5井上尚志(ブリヂストン)がコースアウト。ぬかるんだグラベルからの脱出は困難で、マシン回収のために赤旗中断となる。マシンは無傷で、そのまま再開後の予選に参加している。
再開後、予選はトップタイムが次々と塗り変わる激しい展開となっていく。最初のリーダーは#34佐々木雅弘(ブリヂストン)だったが、すぐさま#87久保凜太郎(ブリヂストン)が更新。そのタイムに#121蒲生尚弥(ブリヂストン)、#7堤優威(ブリヂストン)はわずかに届かない。終了間際、そのトップタイムを更新したのは#988井口卓人(ブリヂストン)だった。
しかしその直後、久保がさらにタイムアップ、2013年から参戦を続け、初のポールポジション獲得となった。2位には井口が入り、フロントロウをBRZが独占というのもまた初となった。3位には#121蒲生、4位は#1谷口信輝(ブリヂストン)が入った。ブリヂストン装着勢は15台を占めたが、1位から15位までに全車が並ぶという圧倒的な結果となった。
●決勝・ヒート1
土曜日の夕方、暗くなり始めた十勝スピードウェイは、プロフェッショナルシリーズの第1ヒートが始まるころ、やや雨量は少なくなっていた。フロントロウに並んだ2台のBRZは、ともにうまくスタートを決め、そのままの順位でレースは進んでいった。トップグループは蒲生、堤、佐々木、そして#700阪口良平(ブリヂストン)までの6台でフィニッシュとなった。
レースが進むにつれてトップ2台が先行し、マッチレースの様相になっていく。そのまま1位久保、2位井口という、昨年までのチームメイトがBRZ初のワン・ツーフィニッシュを実現させた。久保にとっては記念すべき初優勝。3位には、蒲生、堤をオーバーテイクして上がってきた阪口が食い込んだ。ブリヂストン装着勢は1位から14位までを占めた。
●決勝・ヒート2
日曜日の午後、天候はすっかり回復し、北海道の秋空の下、プロフェッショナルシリーズの第2ヒートがスタートした。しかし波乱はオープニングラップに数多く組み込まれていた。2番手スタートの井口が好スタートを決めて久保に並ぶ。昨シーズンまでのチームメイトであり、現実に師弟のような信頼関係があるふたりは、3コーナーまで並んだままコースを進み、4コーナーでやっと井口がトップに立った。
こうした先頭の2台の動きが影響したのか、後方は密集した形で走行していた。そんな状況のなかで#160吉田広樹(ブリヂストン)がコースオフし、そのままスタックしてしまい、オープニングラップでいきなりセーフティカーという展開になった。
5周目の再スタート、しかしその直前、加速していた2位久保はコースサイドに出てしまい、トップ井口との間に大きな距離ができ、再スタート時点で1秒556というタイム差になってしまった。その差を埋めようと追いかける久保は、ファステストラップを記録しながら追いかける。
とくに最後の3周は井口のラップタイムは苦しく、久保に勢いがあった。しかしわずかに届かず、2台のBRZは井口が2mほど前に出た横並びの状態で、チェッカーフラッグを受けた。
井口の優勝は2016年最終戦以来、通算3勝目。お互いの順位を入れ換えたものの、第1ヒートに続いてのBRZワン・ツーフィニッシュとなった。3位には混乱のスタートでうまく前に出ることができた蒲生が入り、4位は佐々木となった。ブリヂストン装着勢は表彰台を独占し、トップ10のうち8位までを占めた。
第1ヒート2位、第2ヒートで逆転の優勝を果たした#988井口卓人選手のコメント
「本当に嬉しいです。開幕戦のSUGO、この前のオートポリスと、何のためにチームを移籍してきたのか判らない! っていう悔しい結果だったので、チーム初優勝を挙げることができて嬉しいです。今日の第2ヒートはスタートもうまく決まって、お互いラインを開けながら2台並んで3コーナーまで走りました」
「再スタートのときに凜太郎がコースオフしてしまい、間隔が開いたのが大きかったですね。あれがなければ、最後にオーバーテイクされていたかもしれません。ブリヂストンの雨でのパフォーマンスが高くて、そのなかでも予選2位を取れたことが、こういう結果につながったと思います」