888号車の山脇が驚異となりうるライバルとしてあげた81号車 DAISHIN GT3 GT-Rは、11月20日の午前に行われた専有走行で星野一樹が1分53秒435を記録、午後には藤波清斗が1分54秒208を記録する好走をみせている。
「前回の岡山も自分たちにできるベストを全部尽くして2位表彰台でした。アストンマーティンが速くて、あれには追いつけなかったなという印象です。耐久レースは純粋な速さだけの勝負じゃなく、チームワークだったり、いかにロスなくするピットストップを行うとか、ペナルティを受けないようにするとか。そういうものをすべてやった上で戦うレースなので、そういう点ではここ2戦、自分たちのベストを尽せて来てるかなと思ってます」と星野一樹は話す。
「(注視しているのは777号車ですか?)そうですね。あと、同じニッサンGT-RニスモGT3には負けたくないですね。ただ、耐久レースは本当に自分たちとの戦いで、ミスやペナルティこそ自分たちの敵だと思っています」
「もてぎはGT-Rとの相性もそこまで悪いわけでもないですし、どのクルマもブレーキが厳しくなって戦いにくくなったりすると思います。そのなかでミスなく、ロスなく戦えれば、最後は一番前でゴールできると思っています」
ミスなく、ロスなくと何度も口にした星野。GTNET MOTOR SPORTSとともに2019年度のチャンピオンチームの強みを発揮し、ニッサンGT-RニスモGT3の今季初優勝をもてぎで飾れるだろうか。
■前戦の勝者アストンマーティン。もてぎでは如何に
888号車の山脇、そして81号車の星野一樹が注視するのが、前戦岡山でポール・トゥ・ウインを手にした777号車 D’station Vantage GT3だ。
開幕2戦は決勝で不運が続き、チャンピオン争いからは一歩遠ざかっている状況となっているが、第3戦岡山では他を寄せ付けないハイペースで周回を重ね、約1年ぶりのST-Xクラス勝利を手にしている。岡山ではこれまでにない新しい試みを行ったと第3戦岡山決勝後藤井誠暢は明かしてくれた。
「今まで優勝したすべてのレースは自分がトップに立ってマージンを作ってきて、というのがセオリーでした。ですが、岡山では勝ちにいくというよりも、違うことやろうということになりました」
藤井の言う“違うこと”とは、決勝のスタートドライバーをオーナードライバーである星野敏が務めるというものだった。
「ポールを獲ったときにしか経験できない、周りがプロばかりのなかで、星野敏選手がスタートから50分間をどう料理するのかというのを新しいステップとしてやってみたかったのです。そういう新しいチャレンジのなか、星野選手のラップタイムは速く、完璧な仕事をしていたので、決勝は第1スティントで勝負が決まったという感じでした。もちろんセーフティカーが導入されたタイミングもラッキーでしたが、普通に淡々とやるべきことをやったら、結果が出たという感じです」とレースを振り返る。
これまで3戦中2戦でリタイアが1回、完走扱いが1回あり、第3戦終了時点のポイントランキングではシリーズ参戦の5台中5位となっているD’station Vantage GT3。
しかし、今シーズン大雨により公式予選がキャンセルとなった第2戦を除く2大会でポールポジションを獲得しており、そのポテンシャルの高さはライバルも認めるところだ。
“何事もなければ抜群に速い”と評されるアストンマーティン。岡山の勢いをそのままに、ツインリンクもてぎでも好走を見せるのだろうか、公式予選の走りから注目しておきたい1台だ。
ピレリスーパー耐久シリーズ第4戦『もてぎスーパー耐久 5Hours Race』は11月21日13時から公式予選が行われ、11月22日11時から5時間の決勝レースが開催される。
