更新日: 2021.03.24 16:08
ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2021第1戦もてぎ レースレポート
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2021 プロフェッショナルシリーズ第1戦
佐々木雅弘が3年ぶりのポール・トゥ・ウインを達成
開催場所:ツインリンクもてぎ
開催日:2021年03月20日(土)~2021年03月21日(日)
2017年以来、久しぶりの開幕戦となったツインリンクもてぎ。ただし昨シーズンの最終戦に続き、年をまたいだ2連戦ということでもある。11月と3月、気温もそれほど大きく違うわけでもなく、最終戦のデータが活かせるか? という推測は、残念ながら成立しなかったようだ。
その原因となったのは、併催されているスーパー耐久シリーズ用のスリックタイヤがつけた路面のラバーが、86/BRZ用タイヤに大きく影響を与えてしまったからだ。早めにサーキット入りしテストを繰り返したチームとドライバーは、スーパー耐久の走行が始まった金曜日にガラッと路面の様相が変化したことを知ることになった。
その路面変化に対する対応が、予選結果を大きく左右することになった。エントリー台数は31台。決勝レースが行われる日曜日に雨の予報が出ていたこともあり、タイヤを選択できるチームのほとんどはウエットでの優位性が圧倒的なブリヂストンを選択していた。
■予選
チームと自身のホームコースであり、エキスパートクラスからのステップアップを果たした#56鶴賀義幸(ブリヂストン)を先頭にコースイン。これまでの予選ではできるだけコースインのタイミングを遅らせるパターンが目立ったが、今回は少し様子が異なり、半分以上のマシンが早めのコースインとなった。
最初にトップタイムを出したのは#34佐々木雅弘(ブリヂストン)で、その直後を走っていた#7堤優威(ブリヂストン)が2番手に。3番手には#521川合孝太(ブリヂストン)が入り、バージョンアップしたポテンザRE-07Dのドライ性能の高さを証明してみせた。
予選後半になっても上位のタイムは破られることはなく、3番手に#41坪井翔(DL)、4番手に#906佐々木孝太(DL)が食い込んだくらいで、トップ2台に変化はなかった。佐々木にとっては、2018年岡山大会以来という、久々のポールポジションとなった。
この予選、11番手までがコースレコードというスピードアップぶりであり、また22番手までがポールポジションから1秒以内という接戦でもあった。ブリヂストン装着勢は、フロントロウの2台に加え、5番手川合、6番手にチームメイトの#160吉田広樹など、トップ10に5台が入った。
■決勝レース
翌日曜日は予報通りの雨で、プロフェッショナルシリーズの決勝レースが始まる頃には雨はさらに強くなっていた。そのスタート、佐々木はいつものように決めてみせたが、2番手堤はミスをし5番手までポジションを落としてしまう。セカンドロウの2台も精彩を欠き、結局オープニングラップを終えて2番手へと上がったのは7番手スタートの#98近藤翼(ブリヂストン)だった。3番手には川合が続いた。
オープニングラップで2秒128ものリードを築いた佐々木だったが、しかしペースは上がらずその差を大きく削られることに。3周目にはトップ3台がテール・トゥ・ノーズで並び、4周目にはスタートで出遅れた堤が追いついて4台のトップグループが形成された。
5周目、2番手へ上がった川合孝汰はすぐさま佐々木へ激しいプッシュを始める。ホームコースであり雨のコンディションでの走行ラインにも熟知していることもあり、独自のラインで佐々木を追い詰め、実際に6周目の最終セクションでトップに立つことに成功した。しかし7周目の1コーナーで佐々木の功名なライン取りでポジションを奪い返されてしまう。
佐々木はその猛攻を凌ぎ切り、見事ポール・トゥ・ウインを達成した。これもまた2018年岡山大会以来3年ぶりとなる。2位には川合、3位は近藤という順位になった。4位には予選13位に沈んだ#82谷口信輝(ブリヂストン)が食い込み、チャンピオンシップで大きな価値を持つかもしれない10ポイントを手にした。
ブリヂストン装着勢はトップから12位までを占め、改めてウエット性能で大きなアドバンテージがあることを示した。
●プロフェッショナルシリーズでポール・トゥ・ウインを達成した#34佐々木雅弘選手(ブリヂストン)のコメント
「戦略としては空気圧を高めにしてスタートダッシュを決めて、逃げきろうと考えていたんですが、そんなに甘くはなかったですね。見てのとおりなんですが、ストレートでの伸びが他のマシンのほうが優れていて、それを何とかしのいで優勝することができた、という感じです」
「タイヤについては、ドライ性能の向上を狙ってはいますが、ウエット性能を犠牲にするという考え方はあり得ないと思っています。それがドライの予選、ウエットの決勝レースで、証明できたと思います」