更新日: 2021.05.10 18:10
ブリヂストン TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2021第2戦富士 レースレポート
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2021 プロフェッショナルシリーズ 第2戦
驚速の坪井翔にトラブルが発生、波乱の決勝レースで近藤翼が2位
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2021年5月8~9日
およそ2カ月ぶりの開催となり、そのインターバルの間にプロフェッショナルシリーズに参戦する各チーム、各ドライバーはテストを経て、2021年仕様の完成度を高めたことが予想された。開幕戦の結果は、今シーズンの勢力図を判断するには不十分だ、ということだ。
予選前日、金曜日の夜に降った雨は黄砂を含んだもので、路面コンディションは砂混じりの滑りやすいものとなっていたようだ。そのため事前のテストとのフィーリングの違いに戸惑うドライバーも少なくなかった。タイヤのブランドを固定しないドライバーのほとんどはブリヂストンタイヤを選択しており、エントリーした30台のマシンのうち実に20台がブリヂストンという、新しいポテンザRE-07Dは高い支持を受けていた。
●予選
やはり多くのドライバーはコースコンディションがわずかでも良好化するセッション後半を狙い、ピット前での待ち時間を過ごしていた。セッション前半にコースインしたのはわずか。トップでコースインし、単独でタイムアタックを行ったのは#56鶴賀義幸(ブリヂストン)で、結果としては15番手となった。
やはりストレートの長いコースレイアウトでは、他車のスリップストリームを使うことが、タイムアップには重要だったのだ。予選トップタイムをマークしたのは#41坪井翔(ブリヂストン)。
「自分のフィーリングにピッタリきた」ということで、わずか1度しか走らせていないブリヂストンへとタイヤを変更。しかし若き日本のトップドライバーが信じた自身の感覚は正しく、2位に0.3秒近くの大きな差を付けてポールポジションを獲得した。
2番手には、富士スピードウェイを得意としている#25水谷大介(ブリヂストン)が入り、3番手はこれまた富士で強さを見せる#98近藤翼(ブリヂストン)となり、トップ3をブリヂストンが独占した。ブリヂストン装着勢は、トップ10に6台が入った。
●決勝レース
トップカテゴリーのレースでトップ争いに加わっている若手バリバリの坪井が、果たしてどのようなレース展開を見せるのか、注目は高まっていた。しかし、残念なことにマシンは悲鳴を上げ、彼に応えてはくれなかった。
まずまずのスタートを決めトップで1コーナーに入った坪井選手は、続く2コーナーの立ち上がりでシフトアップできず失速、8番手までポジションを落としてしまう。
一時は素晴らしいスパートで2番手にまでポジションを戻したものの、その後も同じ症状を繰り返して順位を失い、9周目には大幅に失速したところに#1久保凜太郎(ブリヂストン)が避けきれず、ふたりともマシンをコースサイドに停めることになった。オープニングラップでトップに立ったのは水谷。
しかしペースは上がらず、後続のマシンを抑える形になり、2番手以下は順位を入れ換えながら、2台~3台が同時にコーナーに入るような状況となった。4周目、#10菅波冬悟(DL)がただひとり水谷をオーバーテイクすると、大きくリードを拡げていく。
次にオーバーテイクしたのは7周目、ポジションを怒濤の勢いで挽回してきた坪井で、彼のオーバーテイクでバランスを崩した水谷を、後続の選手が次々とオーバーテイクしていった。しかし、その時点で菅波のリードは5秒以上にも達しており、そのままチェッカーを受けた。
失速した坪井に代わって2位となったのは近藤で、3位には予選14位から追いあげてきた#31青木孝行(ブリヂストン)が入った。ブリヂストン装着勢は、トップ10に6台が入った。
●プロフェッショナルシリーズで2位表彰台を獲得した#98近藤翼
「ずいぶんと激しいレース展開になりましたけど、生き残って2位になることができました。ハードなレースだったので、レース展開を覚えていないくらいです」
「すごく集中していたので、ちょっと疲れました。今回はブリヂストンを選択してレースに臨んだんですけど、タイヤとしては最後までまったく問題なく、高い性能を発揮してくれました」
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