OTG Motorsports 2021年FIA-F4第1戦/第2戦富士 レースレポート
FIA-F4 2021
OTG Motorsports REPORT
5月3日(Round.1)
天候:晴 コース:富士スピードウェイ
5月4日(Round.2)
天候:晴 コース:富士スピードウェイ
『FIA F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP(FIA-F4選手権)』は、2015年に優秀な若手ドライバーを発掘し育成していくことを目的としてシリーズが立ち上げられた。そのためFIA-F4選手権は、全戦が国内最大級のモータースポーツカテゴリーとなっている『SUPER GT』と併催され、多くの観客が同レースを見守ってきた。
OTG motorsportsは、FIA-F4選手権の理念に共感して初年度からスポンサードし、2018年からは自チームを結成して参戦を行なってきた。OTG motorsportsからエントリーするのは、FIA-F4選手権を主催するGTアソシエーションが立ち上げたサポートプログラムの『FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE』ドライバーで、歴代の選手の中にはGT300クラスで活躍する菅波冬悟選手が選抜されていた。
今季のFIA-F4 JAPANESE CHALLENGEは、昨年から2年目の起用となる伊東黎明選手。2020年シーズンはルーキーながらも表彰台に登る活躍をみせ、シリーズランキング5位で終えた。
今シーズンのFIA-F4選手権は6大会14戦が予定されていて、第1戦と第2戦の富士スピードウェイ大会が5月3日(月祝)〜4日(火祝)に開催された。
■予選
気象状況:気温14.4℃、路面温度24℃
FIA-F4選手権は1大会で2連戦、3連戦のスケジュールが組まれていて、2連戦の場合は予選のベストタイムがレース1のグリッド、セカンドベストタイムがレース2のグリッドとなる。3連戦の場合のレース3は、レース1のベストラップ順にグリッドが決定される。
予選は3日の8時15分から30分間に亘って実施され、80号車を駆る伊東選手はコースオープンとともにアタックを開始する。インラップから2周目までをウォームアップに充てると、3周目には1分47秒台のラップを刻む。この時点でトップ5に入るタイムとなっていて、好調さを示した。タイヤに熱が入っていくと計測7周目にベストタイムとなる1分45秒764、9周目にセカンドベストタイムとなる1分45秒858をマークする。ライバル勢に対してセクター3が伸びず、結果は第1戦が5位、第2戦が7位となった。
■第1戦
気象状況:気温16℃、路面温度33℃
予選終了から約4時間半のインターバルで開催された第1戦の決勝レースは14周で競われる。予選で5位となった伊東選手だが、上位のドライバーにペナルティが科されたために4番グリッドからのスタートとなった。
1コーナーをポジションキープで通過した伊東選手だが、ヘアピンコーナーで1台にパスされてしまう。序盤戦の5周目までは5番手のまま進むが、ライバル勢よりもコーナー脱出時のトラクッションが掛からずストレートも伸びない。そのためストレートではスリップストリームが使いづらく、6周目には1台にパスされて6番手に後退する。
9周目には1分45秒538の自己ベストタイムを記録するが、防戦は変わらず10周目に1台、11周目にも1台にパスされて14周目に8位でチェッカーを受けた。
■第2戦
気象状況:気温16.5℃、路面温度24℃
第1戦の決勝レースから一夜明けた4日に実施された第2戦の決勝レース。7番グリッドからスタートした伊東選手は、トップ争いで接触があったために1コーナーを5番手で通過する。ヘアピンでは6番手となるが、その順位をキープして1周目を終える。
第1戦ではトラクション不足を露呈したが第2戦の決勝レース直前まで考えたというセットアップがコンディションと合い、ライバル勢と遜色ないラップタイムを刻んだ。3周目に5番手に上がると、3台での3番手争いとなる。6周目にはヘアピンコーナーで1台をパスして4番手に浮上し、翌周の1コーナーでもさらに1台をパスして表彰台圏内の3番手となる。
しかし、この周のダンロップコーナーの進入時にシフトロックが起きてハーフスピンを喫してしまう。その隙をつき3台にパスされて6番手に後退。レース後半は後続車両に差を詰められたがポジションをキープし、14周目に6位でチェッカーを受けた。
2戦ともに悔しさの残るレース内容となったが、第1戦8位、第2戦6位と連続してポイントを獲得した。
■伊東黎明選手コメント
「昨シーズンは1年目だったのでセットアップなどはエンジニアに任せることが多かったのですが、今季から自分の意見をもとに走らせることになりました。開幕戦前のスピリングトレーニングでは、乗りやすくなったのですがタイムが伸びなかったので、開幕戦は異なったセットアップで臨み、予選では5番手と7番手のタイムが残せました」
「予選の状態だと第1戦は上位争いができると感じていましたが、実際はコーナー立ち上がりのトラクションが不足していて苦しい展開でした。第2戦に向けてはレース直前までセットアップを考えて、ストレートのスリップストリームが使えるように調整しました。ラップタイムも上位と遜色なく走れ3番手まで上がり、単独走行になった瞬間にダンロップコーナーでハーフスピンを喫してしまいました。状況としてはシフトロックが起きて、ターンインでこらえきれませんでした。シフトロックした原因も分かっているので、情けないミスで悔しいです」
「今季はメーカー系の台数が増え激戦になっています。少しでも上位に入って、メーカー系に割り込んでチャンピオンを取りたいです」