86/BRZレース第3戦の舞台は、オートポリス。井口にとってホームコースのひとつだ。
「地元が福岡なので、他のドライバーに比べると昔から走り込んできたサーキットであり得意とも言える。だからこそ良い結果を出したい」と井口は言う。
そしてレースの前週に、井口の乗る988号車BRZはオートポリスでテストを行った。走り出しからチームの目標タイムをあっさりクリアし、アタックをしかければ2分11秒57という昨シーズンまでのコースレコードを塗り替えるタイムを叩き出した。あとはレースウィーク本番を迎えるだけと、準備は整った。
雨予報が気になるところだったが何とか持ちこたえ、ドライのまま日曜日の予選を迎える。予選が始まった瞬間、わずか10分足らずのあいだに気温が急上昇し、路気温も大幅に上がった。
スタート直後にアタックするグループの結果を確認した後に走り出す作戦を選択した井口は、上昇した路気温にタイヤの内圧を合わせ込めず予選14番手。
同日に行なわれた決勝では順位をひとつ上げるものの、井口の定位置とはほど遠い13番手でフィニッシュ。ダンロップ勢が上位を独占するレースだったとはいえ、井口と同じブリヂストン勢にも差をつけられてしまった。
「前週のテストも含めて、チームのアプローチは間違っていないと思う。結果が出なかった原因を考えることはあっても、自分たちのやり方を変える必要はない。次は必ず良い結果となるよう努力する」と井口は胸を張って答えた。
ワンメイクレースの難しさ。86/BRZレースプロフェッショナルシリーズの厳しさ。どうすれば勝てるのか。どうすれば強いチームになれるのか。レカロレーシングチームの戦いは、次戦SUGOへ続く。
■RECARO RACING TEAM Rd.03 Race Result
No.906 RECARO 86 DL K 佐々木孝太:予選10番手(2分12秒074)/決勝レース11位
No.988 RECARO BRZ BS T 井口卓人:予選14番手(2分12秒478)/決勝レース13位

人当たりがよく、普段は柔和な表情を崩さないが、「スイッチの入ったときの井口の走りはすごい」とチームメイトの佐々木孝太は言う。昨年の十勝サーキットにおける優勝はその好例だろう。
86/BRZレースには2014年のオートポリスでスポットながら初出場。その翌年からフル参戦を続け、86が大半を占めるなか2016年にBRZ勢として初優勝を果たし、この年にシリーズ2位を獲得した。BRZ GT300に乗り続けスーパーGTにおいてはスバルの顔とも言える存在だが、このほかにもスーパー耐久ではROOKIE RacingからGRヤリスで参戦。幅広いカテゴリーで活躍を見せている。
