OTG Motorsports 2022年FIA-F4第3戦/第4戦鈴鹿 レースレポート
FIA F4 2022 Rd3-4鈴鹿サーキット
OTG MOTORSPORTS REPORT
若手ドライバーの才能発掘や育成を目的として2015年にスタートした入門フォーミュラカテゴリーの「FIA F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP(FIA F4選手権)」。開幕当初からSUPER GTのサポートレースとして開催されていて、今シーズンの全14戦もSUPER GTと併催される。
2017年シーズンからは大阪トヨペットグループとダンロップが協力し、FIA F4選手権独自のスカラシップとなる「FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE DRIVER」がスタートした。スカラシップドライバーに選出されるとOTG motorsportsからシリーズを戦うことになり、上位カテゴリーへステップアップする足がかりとなる。今季のドライバーは伊東黎明選手で、2020年から3年連続での選出となる。伊東選手は2年目となった2021年シーズンをシリーズランキング4位で終え、今季はトヨタとホンダのスカラシップ勢に割って入る戦績を残すことが目標となる。そして、開幕戦となった5月の富士スピードウェイ大会では、第1戦、第2戦ともに表彰台に登り、幸先のよいシーズンインとなった。第2大会の舞台となるのはF1の開催でも鈴鹿サーキットで、予選と第3戦が5月28日(土)に、第4戦が29日(日)に実施された。
予選
5月28日8時10分~30分
気象状況:気温28℃、路面温度32℃
第3戦9位(A組5位)、第4戦9位(A組5位)
今大会よりワンメイク供給されているダンロップタイヤのロットが変わり、以前のモデルよりも熱の入りが早い印象だという。今回も前回の富士スピードウェイ大会に続き出走台数が多かったために、41台のマシンを2組にわけて予選が競われた。
伊東選手はA組で出走すると、スタートとともに周回を始める。やはりベストタイムが出るのが早く、計測3周目に2分9秒129、4周目に2分8秒872、5周目に2分8秒781をマーク。1周のクーリングを挟んで、7周目には2分8秒876のタイムを刻むが、上位陣は2分8秒前半をマークしていて、伊東選手は第3戦が5位、第4戦も5位となった。A、B組を総合した予選結果は第3戦、第4戦ともに9位となり、満足いく結果とはならなかった。
第3戦
5月28日14時スタート
気象状況:気温30℃、路面温度40℃
スタート9位、フィニッシュ10位
9番手からスタートした伊東選手はクラッチミート時にエンジンがストールしかけてしまい加速が鈍る。2コーナーまでに2台に抜かれ11番手で1周目を終了。2周目にはアクシデントによってセーフティカーが導入される。5周目にレースがリスタートすると2分10秒153の自己ベストタイムをマークしすぐに10番手に浮上。さらに上位を目指したが、9周目にシケインでクラッシュが発生したため再びセーフティカーランとなる。このままレースは再開することなく11周目にセーフティカーが先導してチェッカーを受けた。結果として10位となり1ポイントを加算することとなった。
第4戦
5月29日8時30分スタート
気象状況:気温26℃、路面温度30℃
スタート9位、フィニッシュ6位
第3戦と同様の9番手からスタートした伊東選手。スタートの反応は悪くなかったが加速が鈍ってしまった。だが1コーナーはポジションをキープし、9番手のまま1周目を終える。2周目に入るホームストレートでは伊東選手を含む3台がテールトゥノーズとなり、2台をパスして7番手に浮上。3周目には2分9秒900の自己ベストタイムをマークし、6番手のマシンの背後に迫る。5周目には、バックストレートから130Rで先行車に並び掛けパッシング。さらに順位を上げようとしたが6周目にアクシデントが発生してセーフティカーが導入される。クラッシュした車両の回収に時間がかかり、レースはファイナルラップに再開する。伊東選手は6番手からパッシングのチャンスをうかがったが抜くことはできず、11周目に6位でチェッカーを受けた。結果として第4戦は6位で8ポイントを獲得し、シリーズランキングは4位となった。
伊東黎明選手コメント
「26日(木)がレースウィークの走り始めとなったのですが、走行1回目はウエットコンディションとなったためにレインタイヤを履いて10周ほど走行しました。3回目はドライに変わっていったのですがトラブルが発生して、走行を続けることができませんでした。配線のトラブルだったのですが、翌日の練習走行からは念のためにスペアカーに替えて走りました。予選に向けてはホンダのスカラシップ勢が速く、セットアップを含めて見直さないと厳しい状況でした。また、今回からタイヤのロットが変わり以前のモデルよりも熱が入りやすくなりました。予選ではアタックのタイミングを前にずらし、早めにタイムを出す方向にしました。区間タイムを見ると、セクター1、2は速いのですが3、4で遅れてしまい、結果的には第3戦、第4戦ともに9位となり、満足できる予選ではありませんでした」
「第3戦の決勝レースは、スタート練習の印象からマシンの進みが重いと感じてクラッチミートしたのですが、さらに重たい印象でエンジンストールしかけました。このために出遅れて2コーナーまでに2台にパスされてしまいます。その後は2度のセーフティカーランがあり、1台を抜いただけの10位で終わりました。翌日の第4戦も良いスタートではありませんでしたがポジションはキープでき、2周目にはホームストレートで2台パスし、5周目にはバックストレートから130Rでもう1台を抜いて6番手まで浮上できました。もう少し順位を上げたかったですが、セーフティカーが入り6番手のまま終えました」
「2戦ともにポイントは獲得できましたが、表彰台を目指していたので納得できる結果となりませんでした。セクターごとの得意不得意があり、8月にも鈴鹿サーキット大会はあるので、データを見直して走り方などを考えたいと思います」