更新日: 2022.06.14 17:42
Audi Team AS Sport 2022スーパー耐久第2戦富士24時間 レースレポート
ENEOS スーパー耐久シリーズ 2022 powered by Hankook
FUJI SUPER TEC 24H レースレポート
2022年6月3日(予選)曇り/DRY 2022年6月4日〜5日(決勝)晴れ後曇り/DRY
今年で5周年となった恒例のNAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース。コロナ禍も落ち着き始めたが、富士スピードウェイでは万全の体制で開幕を迎えた。
メインスポンサーにRED SEED社を迎えマシンカラーリングの装いも新たにAudi Team AS Sportも24時間耐久レース(シリーズ2戦目)が今シーズンの開幕戦となった。
梅雨入り間近となった6月初旬。6名のドライバー構成で長丁場の24時間レースを戦う。昨年は給油トラブルで早々に戦線離脱を余儀なくされフラストレーションが溜まった本大会。前大会での悔しい思いをバネにチーム一丸となって24時間レースに挑んだ。
◆予選
今シーズンAのドライバーの岡本選手が予選アタックを行う。ドライコンデションの中行われ最終アタックでセクションベストを更新するが最終セクションで思うようにいかずクラス6番手でアタックを終えた。
新たなBドライバーとして加賀美選手が担当。セクションベストの周回でトラフィックに引っかかり思うようなアタックができず終了となった。
Cドライバーは昨年同様、田ヶ原選手が予選を行うが、局地的な雨が降り始め路面はウェットになり一時赤旗中断に。その後再開し決勝メニューをこなし予選を終えた。Dドライバー:木村選手、Eドライバー:西村選手、Fドライバー:藤原選手は決勝に向けたテスト及びシミュレーションを行い予選を終えた。
◆決勝
曇り空の中、定刻15時より行われた24時間耐久レース。RED SEED R8 LMSのスタートドライバーは岡本選手が担当。クリーンにスタートしたが、プロドライバーが多くラインナップされているST-Zクラスなのでペースアップが思うようにいかないドライブになった。
予定周回数41LAPを終え、田ヶ原選手にドライバーチェンジ。徐々にペースアップし危なげない走りで周回数を終え西村選手にドライバーチェンジ。順調なLAPタイムで安定した走りを見せていたが乗車60分が過ぎたあたりで他クラスと接触し緊急ピットイン。アライメントチェックを行い大きなダメージではないような状態だったが7分程度のストップを余儀なくされる。
その後109LAPで加賀美選手にドライバーチェンジを行った。接触によるダメージは少なからずあるがベストタイムを更新する走りを見せる。ステアリング周りに違和感があるため大事をとって再ピットイン。直後FCYが入ったため少し早いタイミングになったがメンテナンスタイムを使いながら出来る限りの修復を試みるメカニック陣。再度加賀美選手をコースに送った。
ペースも通常に近い状態となり予定周回数を終え、木村選手とドライバーチェンジ。すでに夜間のドライブとなりRED SEED R8 LMSも通常の状態とは言えないが、藤原選手、西村選手と繋いで行った。危なげなく周回をこなして行くがピットロードスピード違反で痛恨のペナルティストップ60秒の裁定。その後は順調に周回し加賀美選手とドライバーチェンジ。接触の影響でステアリングに問題が発生していたが、現状のコンディションで出来るベストの走りで予定周回数終え2度目の木村選手とドライバーチェンジ。時刻も深夜を周り他クラスではLAPタイムが上がっているが周回早々にタイヤにピックアップを拾い車速も思うように上がらないまま、なんとか予定周回数を終える。
24時間レースも折り返し、その後も6名のドライバーで周回を重ねる。残り6時間を過ぎる頃、不慮のスピンで車両後方にダメージを負い緊急ピットインその後チェックを行いコースに送り出す。日が登るにつれ気温が上がりLAPペースが落ち込むが、Aドライバーとして走行義務時間があるラストスティントの岡本選手に繋ぐもLAPペースに苦しみながらも完走チェッカーに向け周回をこなし加賀美選手にバトンを託した。
ラストスティントとなった加賀美選手。RED SEED R8 LMSも満身創痍。ペース調整をしながら周回を重ねるが右フロントタイヤがバースト。自走でPITに戻り修復するが、この時クラス順位の変動が無いことから念入りにチェックをしレース終了15分前にコースインしクラス5位で完走チェッカーを受けRED SEED R8 LMSは24時間レースを終えた。
◆レース公式予選リザルト(A,Bドライバー合算): ST-Zクラス7台出走 RED SEED R8 LMS 3’44.898 クラス7位
◆レース公式決勝リザルト:ST-Zクラス7台出走 RED SEED R8 LMS 638LAP クラス5位
チーム代表兼Cドライバー:田ヶ原章臓
「Audi Team AS Sportとして3回目の名物レース、富士24時間レースに参戦する事が出来ました。一重に応援して頂いている全ての方々、コロナ禍の中でも変わらずご支援頂いた全てのスポンサー様、関係者様に本当に感謝申し上げます。今回のレースは、ジェントルマンドライバーさんを中心にしたレースでしたので、接触、ペナルティ、トラブル無しのレースを目指して、24時間の時間と、チーム最大の武器であるピットワークで上り詰めるべく取り組みましたが、残念ながら、3回の接触、そこからの誘発したトラブル、更にペナルティと、総なめな残念なレースになりました。しかし、富士24時間レース優勝経験チームスタッフが多数いますので、最終的に7台中5位で無事完走する事が出来ました。唯一の収穫は、過去3年間の中で一番LAPが出来た事でしょうか!? 引き続き我々は挑戦者の気持ちを忘れず、感謝と恩返しが出来るような取り組みを行っていきますので、引き続きの応援宜しくお願い申し上げます! ありがとうございました!」
チーム監督:澤田栄宏
「チーム初戦となった今回のレースですがBOPも緩和され少しでも上位を目指してチーム一丸で取り組みました。他チームと比べペースも思うように上がらない予選でしたのでノートラブルノーペナルティでの決勝でポジションをアップを図りましたが結果的には完走するのがやっとの状態でした。次回までに準備を整えたいと思います。次戦でも応援よろしくお願いします」
エグゼクティブ・テクニカルディレクター:茂貴恒
「スーパー耐久は、まさに走る実験室といえるレースであり、今後のRED SEED製品開発に必要なデータ取りから、改良点など多くを学ぶことができました。そしてこの経験を生かして、様々な製品開発及び既存製品のアップグレードにフィードバックしていきたいと思います。また、無事に完走まで導いてくださいましたメカニック、ドライバーの皆様、そしてチームを支えているサポーターの皆様に厚く感謝と御礼を申し上げます」
Aドライバー:岡本武之
「久々のレースが富士24時間となり、個人的にはブランクと練習不足が露呈した結果となりました。チームとしては、接触やクラッシュなど様々なトラブルもありクラス5位という結果でしたが、24時間レースを完走しRED SEEDエンジンオイルのデータが取れたことなど今後に向けての収穫もありました。次戦菅生も一歩ずつ成長していけるよう課題を持って取り組んでいきますので、引き続き応援宜しくお願い致します」
Bドライバー:加賀美陵佑
「前のスティントで接触があり、自分が走るタイミングでは既にアライメントが少し狂っている状態でした。ステアリングセンターもズレていましたが、とりあえずは真っ直ぐは走る状態だったため、応急処置のみでそのまま走り続けました。その後夜間になるにつれて涼しくなってきたこともあり、徐々にペースは上がっていき、その中で車の感触を今まで以上につかむこともできました。途中電装系のトラブルがありましたが、その後はルーティンで各スティントをこなしていきました。残り約2時間半のところで、最終スティントをダブルスティントで担当しました。このころには既に順位が入れ替わる可能性が低かったこともあり、様々なラインを試したり、今まで使わなかった電子制御の感覚も確認することができました。しかし、残り約1時間というところで、再度トラブルが発生。1コーナーのブレーキングでタイヤがバーストし、コースに留まることができなくなりました。幸いどこにもぶつかることなく、タイヤ以外のダメージのないままピットインすることができました。修復作業を終えて再度コースインし、クラス5位でチェッカーを受けました。今まで練習走行の際は限られた時間だったため、計6スティントを乗ることができた今回のレースは非常に収穫のある一戦となりました」
Dドライバー:木村貴洋
「まずは参戦のチャンスを下さったチーム、スポンサー様、全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。ST-Zクラスの非常に高いレベルの中でのレースは練習走行から学ぶ事が多く、それと同時に真のプロの世界の厳しさも痛感しました。24時間という長い長いレース、『ノーペナルティー、接触無しで淡々と走り切る』がチームとして出来なかった事に悔しさが残りますが、それでも最後まで諦めずに車を走らせてくれたメカニックさんにただただ感謝です。今回の挑戦で得た経験を今後に生かしてドライバーとしてレベルアップし、チームに貢献出来るドライバーになれるよう努力していきますので、引き続き応援宜しくお願い致します」
Eドライバー:西村元気
「Audi Team AS Sportのチームメンバーとして、3年連続の富士24時間耐久レース参戦となるので、今年こそ表彰台を獲得する思いで、富士24時間レースまでに可能な限りの準備をしてきましたが、決勝レースの序盤に他車と接触してマシンに大きなダメージを与えてしまい、メカニックにも負担をかけてしまい、その後の流れが良くない方向にしてしまい、チームのみんなに本当に申し訳無い気持ちです。今回は、BOPの兼ね合いやいろいろな状況から他のチームとのタイム差は埋まってないので、この悔しい経験をまた次のレースに活かして、努力していきたいと思います。サーキットまで応援に来て頂いた皆様、ご協賛頂きました、スポンサー各社様、いつも有難う御座います」
Fドライバー:藤原能成
「新シーズンも始まり、沢山のファンの方々がご来場されたという事で今まで停滞していた世の中が動きつつあるのを強く感じました。まずは、応援してくださった全ての皆様へ感謝の気持ちをお伝え致したく存じます。去年よりも性能調整が改善されたと聞き、期待を持って望みました。結果は5位完走となり表彰台は逃しましたが、期待の新人達がとても心強い力走を見せてくれました。必ず芽吹き嬉しい報告をお渡しできると思います。今後とも応援を宜しくお願い致します」