Grid Motorsport 2022スーパー耐久第2戦富士24時間 レースレポート
Grid Motorsport
Super Taikyu RACE REPORT
2022 Round.02 FUJI 24H
Qualify : June 3 /Pole Position Race : June 4-5/2nd
2022年、ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookに新たに挑戦を開始したGrid Motorsportは第1戦鈴鹿を4位で終え、いよいよシリーズ唯一の24時間レースである第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』を迎えた。チャンピオンを争う上でも重要なレースだが、このレースを前に5月10日(火)には富士で公式テストも行われ、ここでチームも待ち望んだ、Aドライバーのマーティン・ベリーの来日が実現した。
オーストラリア出身で世界的なビジネスマンである一方、さまざまなGTカーレースに挑戦してきたベリーは、公式テストからジェントルマンドライバーらしからぬスピードを発揮。高木真一、黒澤治樹、山脇大輔という3名ともすぐに打ち解け、チームメンバーの多くが2020年に優勝を飾った富士24時間へ向け、良い雰囲気でレースウイークに臨むことになった。
Practice
June 2 [THU] FINE/DRY
長丁場となる富士24時間のレースウイークは、6月2日(木)の専有走行からスタートした。晴天に恵まれ初夏の陽気のもと午前10時20分からスタートした専有走行1回目だが、マーティン・ベリーがコースインした直後に300Rで大きなアクシデントが発生。ガードレール補修のため長い赤旗中断となってしまう。
再開後は、ふたたびベリーがコースイン。1分44秒632という好タイムをマークした後、高木真一に交代。ベリーのタイムはAドライバーのなかではかなり速いもので、週末に向けた期待も高まった。
引き続き晴天のもと行われた午後2時50分からの専有走行2回目では、高木がチェックを行った後ベリー、黒澤治樹、山脇大輔と交代し、黒澤が1分42秒642をマーク。2番手で終える。午後7時からの夜間走行ではすでに4名のドライバーが全員公式テストで走行をこなしていたことから参加を見合わせ、週末に向けた体力を温存することになった。
Qualify
June 3 [FRI] CLOUDY -RAIN/DRY-WET-DRY
富士24時間の走行2日目となる6月3日(金)は、午後0時からの公式予選のみ。24時間レースでのグリッドはそこまで大きな意味はないが、とはいえしっかりとタイムを残しておきたいところだ。そんななか、Grid Motorsport AMG GT3は午後0時30分からのAドライバー予選に向け、ベリーが乗り込みアタックを展開していくと、ラップを追うごとにタイムを伸ばし、5周目に1分41秒709を記録。Aドライバーのトップに躍り出た。続くBドライバー予選でも、高木が1分40秒507と4番手に。これで合算でポールポジションかと思われた。ただ、モニター上ではベリーが走行グループのボード表示に対し違反したのではという表示が出ていた。
ただ、幸いこれは訓告止まりで、見事Grid Motorsport AMG GT3はポールポジションを獲得した。「いくつかミスがあったけれど、良いアタックができたね!」とベリーはスーパー耐久デビュー戦でのポールを喜んだ。
続くCドライバー予選では突然の強雨が降り出し赤旗中断となることもあったが、黒澤が3番手につけてみせる。Dドライバー予選では路面が乾きはじめる難しいコンディションとなったが、山脇もしっかりと予選をこなし、決勝に向けてチームは非常に良い雰囲気で予選日を締めくくった。
Race
June 4 [SAT] – 5 [SUN] CLOUDY/DRY
いよいよ迎えた6月4日(土)午後3時からの決勝。曇り空のもと、Grid Motorsport AMG GT3のスタートドライバーを務めたのは高木だ。序盤からグイグイとリードを広げ、長い24時間レースのリードを築いていく。序盤こそ落ち着いた展開だったレースだが、開始から4時間後に初めてのフルコースイエロー(FCY)が導入されるなど、少しずつアクシデントも起きはじめた。
そんななかGrid Motorsport AMG GT3は高木からベリー、黒澤、山脇と同じサイクルで交代しながらラップを重ねるが、#62 GT-R、さらに富士で無類の強さをみせる#81 GT-Rとの接戦となっていく。セーフティカー導入のタイミングをうまく使いながらピットインを行っていくが、ライバルたちも同様に戦略を組み立て、Grid Motorsport AMG GT3を含むトップ3は夜半まで同一周回のまま戦いを続けていった。
一方#62 GT-Rは連続運転時間違反でペナルティを受け後退。一方、Grid Motorsport AMG GT3は300周に#81 GT-RにFCYをうまく使われ先行を許すが、追い上げてきた#62 GT-Rと2番手争いを展開。レースは朝を迎え、緊迫したままレース終盤を迎えた。
そんななか、ちょうど午前11時を迎えようかというタイミングで、黒澤のドライブ中にGrid Motorsport AMG GT3は#62 GT-Rを追い抜きにかかる。しかし13コーナーでやや強引にかぶせられ、黒澤は姿勢を乱しガードレールにヒット。幸いすぐにコースに戻ることができ、そこまでダメージは大きくはなかったが、ボディの修復などのため8分をピットで過ごすことになってしまった。
その後、残り3時間30分のタイミングで起きた#81 GT-RのトラブルもありGrid Motorsport AMG GT3は2番手に順位を戻し、トップに立った#62 GT-Rとの2周の差を詰めていったが、追い上げ実らず2位で24時間のチェッカーを迎えた。
相性の良いレースだけに悔しさもあるが、チャンピオン争いに向け大きなポイントを獲得。トップと僅差のランキング3位に浮上した。
Driver Comments
Martin BERRY マーティン・ベリー
良い24時間レースだったね。いろいろなことがあったけど、最終的には2位に入ることができた。#81 GT-Rはかわいそうだったけどこれがレースだ。僕たちにとっては良い結果だったけど、もっとペースは上げないとね。今回の富士は素晴らしい体験だった。花火は上がるし最高の雰囲気だった。忘れられない特別な体験だよ!
Shinichi TAKAGI 高木真一
良いレースだったと思います。24時間らしくトラブルもたくさんあったりで、そのタイミングで僕たちが良いときもあれば、後半は裏目に出てしまったような気がしますが、チームもノーミスでやってくれたと思います。ライバルの速さもありましたが、優勝チームは初優勝で、相手ながら仲間なので、そこは嬉しかったですね。
Haruki KUROSAWA 黒澤治樹
うまくやれば勝てたレースだっただけに悔しいですね。ピットのタイミングが我々に合いませんでしたがライバルはそれをにらんで戦っていましたし、僕も接触があり修復に時間をとられてしまいました。少しもったいなかったです。とはいえ2位で、選手権も混戦になってきました。今後もっとクルマも良くしないといけないですね。
Daisuke YAMAWAKI 山脇大輔
今まででいちばんドライブしたかもしれませんね。疲れました(笑)。クルマは良かったものの、FCYやSCが裏目に出てしまったかもしれません。とはいえチームも良いオペレーションをしてくれたと思いますし、今回2位とポールという結果を残せたのが良かったです。次戦も相性は悪くないと思うので、楽しみにしています。