Team LeMans with OIRC 2022フォーミュラ・リージョナル第2大会岡山 レースレポート
Team LeMans with OIRC プレスリリース
2022年6月27日
片山義章が岡山国際サーキットで3戦連続ポールを奪取!
第4戦で見事優勝を飾り、第5戦、第6戦と3連続表彰台。
各位
株式会社チームルマンは、新たな若手ドライバー育成プログラムの一環として、株式会社岡山国際サーキットの協力のもと、2022年度フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ (FRJ)に「Team LeMans with OIRC」としてフル参戦を開始。4月2.3日に富士スピードウェイで開催された第1大会では片山義章選手が3レース中2度の3位表彰台を獲得し、まずまずのスタートを切ることができました。
しかし優勝できなかった悔しさをバネに、6月25.26日に岡山国際サーキットにおいて開催される第2大会に向けて、チームは事前に様々なテストプログラムを準備し、それをしっかりと消化した上で、第2大会に臨みました。
岡山国際サーキットは、片山義章選手とTeam LeMans with OIRCにとっては、いわばホームグラウンド。昨年の岡山大会では、3戦連続優勝という輝かしい記録を打ち立てました。
今回も、自信を持ってテストを消化し、セットアップを進めてきた片山義章選手ですが、金曜日のフリー走行でライバルたちもかなりセットアップが進んでいることがわかり、今大会は予選から熾烈な戦いが予想されました。
土曜日に行われた15分間、2回の予選は10分のインターバルを持って実施され、予選1回目のベストタイムがレース1のグリッド、予選2回目のベストタイムがレース2のグリッド、そして両予選のセカンドベストタイムのうち上位タイムでレース3のグリッドが決まるという予選方式です。
予選1回目から順調にタイムを伸ばし、1分27秒391でポールポジションを獲得した片山義章選手は、予選2回目も安定した走りをみせて1分26秒980をマークし、連続ポールポジションを決めました。セカンドベストタイムでもライバルたちを凌ぐ最速タイムを刻んでおり、今大会3レースすべてのポールポジションを獲得しました。
午後の決勝レース1では、完璧なスタートを決めた片山義章選手がそのまま一度も首位の座を譲らず独走。レース終盤ではタイヤを労りながらペースをコントロールする余裕を見せ今季初優勝を飾りました。
しかし日曜日は前日の楽勝ムードとは一転し、片山義章選手とTeam LeMans with OIRCにとって厳しい一日となりました。 午前10時35分にスタートが切られた第2レースでは、片山義章選手がスタートで出遅れ2番手で第1コーナーに飛び込みましたが、ヘアピンコーナーで後方から有利な新品タイヤを装着したドライバーが接触寸前のレイトブレーキングでインを奪い、片山義章選手は3番手にドロップしてしまいます。
追い上げが期待された片山義章選手でしたが、なかなか追い抜くまでにはペースが上がらず、間隔が詰まらないまま周回を重ねました。しかし7周目にスピンした後続車両を安全な場所に移動するためにセーフティカーが導入され、再び差が無くなった状況で10周目に再スタート。オーバーテイクを試みる片山義章選手でしたが僅かに届かず、そのまま3位入賞でレースを終えました。
レース後ピットに戻ってきたマシンを確認すると左フラップ接続ステー部分が破損しており、走行データを小堀顕エンジニアが確認すると、フロントウィングのダウンフォースが得られていなかったことがわかりました。破損の原因は現状では特定できていません。
午後の決勝レース3は、またしても片山義章選手にとって悔しい結果となりました。スタートでトップを奪われただけではなく、第1コーナーを通過した時点で3番手までドロップしてしまったのです。しかし諦めずにハイペースで追い上げた片山義章選手は巧みにタイヤマネージメントをしながら最後までタイヤを温存し、相手のタイヤのグリップダウンを見計らって13周目の第1コーナーでパスして2番手に浮上。そのままチェッカーを受け、2位表彰台を獲得しました。
3戦連続ポールポジションから3戦連続表彰台を獲得した片山義章選手は、58ポイントを加算し、トータル100ポイント。シリーズポイントランキングでトップと19ポイント差の2位に浮上しました。
●Team LeMans with OIRCドライバー 片山義章のコメント
「勝てたことの嬉しさよりも、負けたことの悔しさが残るレースウィークでしたね。もちろん予選は完璧でした。今回のレースまでに、事前テストもかなりこなしましたし、今週も火曜日から走り込んでセットアップを煮詰めてきました。目指すべき方向にセットアップをしてきたつもりでしたが、金曜日のフリー走行でちょっと迷ってしまったのも正直ありました。全員でデータをもう一度解析し、イチからすべてやり直して、金曜日の最後のセッションでやっと満足できるセットが見つかりました。ですから予選はイメージした通りの走りができましたし、3戦連続ポールはしっかり自分たちの仕事ができた証だと思います。
ただQ2ではライバルたちもセットを変えてきて、かなり迫られました。決勝でのタイム差はないと思いますので、スタート勝負の3連戦だと予想していました。
決勝レース1は、最高のスタートが切れて最初の数ラップでリードを築いた後は、ペースをコントロールしてセーフティカーが出ても問題がないようにレースを進めていました。スタート直後のタイヤが冷えている状態でタイヤを温め、序盤に後続を突き放す練習をしていましたので、自分が抜かれても抜き返す自信はありました。
実際にレース中はもっとハイペースで走れたのですが、タイヤ温存のためにセーブしろと無線が入り、後続とのギャップを確認しながらチェッカーを受けました。
第2、第3レースは自分のミスです。スタートで前に出られなかったのが敗因です。タイヤのコンディションと路面温度が合っていなくて、グリップ力が強すぎて失速してしまいました。自分が中古タイヤで、ライバルたちがニュータイヤというのも厳しかったですね。
第2レースは、スタートの失敗がすべて。同じ突っ込みでも、やはりニュータイヤがブレーキングもトラクションも有利ですし、ヘアピンで抜かれたのも仕方ありませんでした。それでも何とか食らいついていったのですが、最後まで抜くには至りませんでした。ペースが上がらなかったのは、フロントウィングのフラップのステー破損により、ダウンフォースが効いていなかったからだと聞いて、悔しいと同時にホっとしました。自分が首位に追いつけなかった原因がわかったからです。
第3レースもスタートの失敗に尽きました。ニュータイヤとユーズドタイヤという差はあれども、自分としては頑張ったつもりですが、1コーナーを抜けた段階で3番手にドロップしたので、あとは全開で攻め続けました。ついていければ何とかなると信じ、それでもタイヤのマネジメントはしっかりとしていました。ニュータイヤを履いたマシンも周回を重ねればタイムは落ちてくるはずなので、自分のタイヤはセーブしつつ間隔を大きく開かれないよう攻め続けるという難しい課題をこなしました。オーバーテイクした時は、インを締められたので、先日のF1でアロンソがベッテルを抜いた時のラインを思い出し、自然に身体が動きました(笑)。最終的には2位まで浮上できたので、自分としては満足できるレースでした。次のもてぎで、今回の悔しさを晴らします」
●(株)チームルマン代表取締役 太田雅文のコメント
「予選はチームもドライバーも最高の結果を出してくれました。決勝に関しては、スタートがすべてだとドライバーとも話していました。その結果だと受け止めています。レース2でフロントウィングが破損していなければ、というのはありましたが、その中でのドライバーの粘り強い走りは大きく評価しています。レース3もスタートの失敗をドライバーがリカバリーし、それができるマシンを作り上げたエンジニアを評価したいと思いました。とにかくチームは勝利に対して貪欲で、それの意識がさらに高まった週末でした。今後、チームはFRJに挑戦したい若手ドライバーも募集しますので是非ご連絡ください」