現在の鈴鹿フルコースでのレコードタイムは、FFチャレンジのシビックをわずかに上回る2分26秒488。しかし出力で比較すると、シビックはノーマルでも185馬力を絞り出していることからも、VITAがいかにコーナーを速く駆け抜けているか理解してもらえることだろう。
当初は『スーパーツーリングSクラス』の名称で鈴鹿クラブマンレースのみでの開催だったが、翌11年からは岡山チャレンジカップの耐久レースに、さらに十勝の北海道クラブマンでザウルスジュニアとの混走が可能に。また鈴鹿では12年から『クラブマンスポーツ』に名称が変更された。
13年からはツインリンクもてぎや筑波サーキットでもシリーズが設けられるようになり、その後、単発ではあるものの、富士スピードウェイや袖ヶ浦フォレストレースウェイでもレースが行われているため、VITAは国内7サーキットを走り込んだ経験ももっているのだ。また、十勝、筑波、鈴鹿、岡山の耐久レースを対象に『VEC』なるシリーズも設けている。
さて、もっとも注目して欲しいのが、価格である。タイヤ、ホイールレスで286万円(消費税別)というお手頃価格! あの大人気のナンバーつきワンメイクレースをやろうと思ったら、ベース車だけでほぼ同等の金額で、さらに改造を施さなくてはならないし、鈴鹿なら4秒も速いのだから、どれだけVITAがコストパフォーマンスに優れているか分かるだろう。
過去に富士で行われたVITAのレースでは、スリップストリームが強烈に効くことが確認され、駆け引きの妙が大いに問われることとなった。
KYOJO-Cupもさることながら、土曜日に行われる予定のオーナーズカップも含め、インタープロトが平成のグラチャンならば、VITAレースが平成のマイナーツーリングになる可能性は十分にありそうだ。