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投稿日: 2022.10.21 14:49

TKRI 2022スーパー耐久第6戦岡山国際サーキット レースレポート


国内レース他 | TKRI 2022スーパー耐久第6戦岡山国際サーキット レースレポート

TKRI

ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
第6戦 スーパー耐久レースin岡山

2022年10月15日(土)〜16日(日)
岡山国際サーキット(岡山県)
入場者数:10月15日 3,200人
     10月16日 5,000人

惜しくも優勝に届かずも2位表彰台
チーム全体の成長を実感

FREE PRACTICE
 初優勝に向かって大きなリードを築きながら、まさかのグラベルストップでその夢が消えた第5戦から1ヶ月強。スーパー耐久シリーズの2022年シーズンは残り2戦となる第6戦を迎えた。舞台はコンパクトな岡山国際サーキット。今回はコース長も短いことから、グループをふたつに分けた3時間レースで争われる。

 晴天のもと、日中は10月とは思えぬ暑さのなかで迎えたこの週末は、10月12日(水)に行われたハンコックタイヤのウエットテストから走行がスタート。元嶋佑弥が参加し、10月13日(木)午後1時30分から行われた特別スポーツ走行から本格的な走行をスタートさせていった。

 特別スポーツ走行1回目では1分30秒705を記録しトップ、2回目では1分30秒625というベストタイムで2番手と、この週末も好調なペースで走りはじめるが、上位陣は僅差となった。

 10月14日(金)の走行2日目も暑さのなか午前9時30分から1時間ずつの走行が3回行われたが、1回目は4番手、2回目は7番手に留まるものの、最後の3回目では元嶋が1分30秒041までタイムを縮め、トップにつける。もちろん前戦の悔しさを晴らしたいDAISUKE、中山友貴もペースは良いもので、充実した表情で2日間に渡って行われた専有走行を締めくくった。

QUALIFY
 2日間の専有走行と午前に行われたフリー走行を経て、迎えた10月15日(土)の公式予選。まずはAドライバー予選に臨んだDAISUKEは果敢にアタックを展開していく。4周目に1分32秒台に突入していくと、セクター2や3で自己ベストをどんどんと更新。9周目、いよいよ1分32秒014まで縮めてみせた。DAISUKEは1分31秒台を目指していただけに、わずかに届かなかったことに悔しさを滲ませたが、このタイムがグリッドに活きた。

 Bドライバー予選を務めた元嶋は5周目、なんと1分29秒048という驚異的なタイムを記録し、ダントツのトップにつける。この結果、TKRI 松永建設 AMG GT3はフロントロウの2番手を獲得。僅差でポールポジションを逃した悔しさはあるも、Cドライバー予選で中山がしっかり決勝の準備を整え、レースに向けて絶好のポジションにつけることになった。

RACE
 いよいよ迎えた10月16日(日)の決勝日。午前に行われたグループ2の決勝に続き、午後1時30分、グループ1の決勝レースのフォーメーションラップがスタートした。TKRI 松永建設 AMG GT3は、今回も元嶋がスタートドライバーを担当。前戦同様、スタートから逃げをうつ作戦を採った。

 元嶋はその期待に応え、スタート直後の1コーナーで一気にポールポジションの#16 ポルシェをかわすと、グイグイとリードを広げにかかる。わずか5周で6秒のリードを築いてみせるが、13周目、まさかのドライブスルーが課されることになった。スタート時、グリッド枠に沿ってスタートしなければならないが、元嶋はイン側に外れてしまっていたのだ。

 思わぬペナルティを17周目にこなすことになるが、その後元嶋は鬼神の追い上げをみせた。21周目には4番手争いの2台に追いつくと、#81 GT-Rをやや抜きあぐねるも25周にこれをオーバーテイク。さらに続々と順位を挽回し、37周を過ぎるころになるとトップを走る#777 アストンマーティンを射程に収めた。

 元嶋は一気に#777 アストンマーティンとの差を1秒以内に収めはじめたが、今回は短い3時間レース。39周目にピットインし、中山にステアリングを託した。ピットも迅速な作業でTKRI 松永建設 AMG GT3を送り出すが、各車がピット作業を終えると、ピットイン中に脱落したサイドミラーの修復を行った#777 アストンマーティン(ピットアウト後再度脱落してしまうが)を先行。中山はトップに立つと、2番手に浮上した#16 ポルシェとのリードを広げるべくプッシュを続けた。ただ、レースのちょうど折り返しとなる1時間30分の時点で、TKRI 松永建設 AMG GT3のリードは9秒前後。2番手を走る#16 ポルシェのペースが良く、中山といえど、路面温度が高い状況でなかなか思うようにリードを築けないままでいたが、スティント終盤になると#16 ポルシェとのギャップをやや広げ、14秒ほどにその差を広げた。

 少しずつ西日が強くなるなか、中山がトップのまま76周目に入るころ、レースは残り1時間を切った。DAISUKEはジェントルマンドライバーに課せられる50分のスティントをこなす必要がある。チームはそれに合わせ、81周目終わりに中山をピットに呼び戻し、ふたたび素早い作業をみせ交代したDAISUKEを送り出す。チームにできることはここまで。82周目、DAISUKEと2番手につけた#16 ポルシェとの差は16秒。悲願の初優勝のためには、この差を守らなければならない。もちろん表彰台圏内までならば、50秒のマージンがある。とはいえ、後方から迫るのはプロばかり。どれほどDAISUKEが粘りの走りをみせるか、チームはテントから大きな声援とともに見守った。

 DAISUKEは自身の持てるベストを尽くしながらラップを重ねるが、100周目、ST-Z車両にわずかに詰まった際に#16 ポルシェがDAISUKEをかわしていった。

 ただその後もDAISUKEは好ペースで走りきり、表彰台圏内をしっかり守り2位でフィニッシュした。第1戦鈴鹿以来の表彰台だが、優勝までの差は10.511秒。勝てた可能性も十分にあった。表彰台をあと一段上るために準備は整ったが、その壁は高い。TKRIにとっては悔しさ半分、嬉しさ半分のレースとなった。

2022スーパー耐久第6戦岡山 スタート
2022スーパー耐久第6戦岡山 スタート

2022スーパー耐久第6戦岡山 TKRI松永建設AMG GT3
2022スーパー耐久第6戦岡山 TKRI松永建設AMG GT3

DRIVER’S VOICE
DAISUKE

開幕戦以来、これまで何度も悔しい思いをしてきましたからね。何度も表彰台に乗りたいと思っていたので、今回の2位は嬉しいです。もちろんもう一段上もありますけど。終盤トップを争ったポルシェはプロが乗っていましたけど、抜かれた原因も冷静に考えればそうだよな……という部分もありました。終盤、河野監督をはじめみんなが無線でアドバイスをくれたので、それが本当に励みになりました。チーム一丸でなんとか乗り越えられて表彰台を獲得できたと思います。次は表彰台の頂点に向かって、また精進して参りたいと思います。

元嶋 佑弥  YUYA MOTOJIMA
スタートでは、シンプルに前だけを見過ぎてしまいました。ある程度レギュレーションもしっかり頭に入れて走っていたつもりだったのですが、意識が前にいきすぎてしまいました。その結果ドライブスルーペナルティを受けることになってしまいましたが、その分をDAISUKE選手と中山選手がすべてリカバリーしてくれました。ペナルティがなければ優勝できていたレースですし、僕の立場としてはやってはいけないことなので悔しいですが、今回、DAISUKE選手の強さ、速さが見られたのは嬉しいです。申し訳なさ半分、嬉しさ半分というところです。次戦取り戻したいですね。

中山 友貴  YUUKI NAKAYAMA
今季2回目の2位でしたが、開幕戦の2位とはまた違う内容でしたね。いろいろなことが起きましたが、ペナルティからここまで挽回できたチーム力は本当に素晴らしいと思いますし、それを実現できたのはDAISUKE選手がしっかりと非常に良いペースで、落ち着いて走ってくれたからです。すごく心強く見ていることができました。僕のスティントのときは意外と路面温度が高く、もう少しペースを上げたいところでしたが、結果的に後続を離すことができて良かったです。残すは最終戦のみですが、ひとつ上の優勝を目指して頑張りたいと思います。

河野 高男 監督  TAKAO KOHNO
残念な結果である一方で、ハッピーな結果でもありました。チームとしてはすべてにおいて良くなっていますし、特にDAISUKE選手の走りが際立っています。決勝もそうですし、予選でもあのメンバーのなかで、あのタイム差に食い込めたのは素晴らしいことでした。今回元嶋選手がペナルティを課せられてしまいましたが、彼のスタートダッシュにはいつも助けられていますからね。勝てるポテンシャルは十分にありました。幸い次戦の鈴鹿がありますからね。楽しみは次にとっておきます。みんなの勢いをしっかり保って、鈴鹿で表彰台のいちばん高い位置を獲りたいと思います。

2022スーパー耐久第6戦岡山 DAISUKEとTKRIレースクイーンの清原れなさん
2022スーパー耐久第6戦岡山 DAISUKEとTKRIレースクイーンの清原れなさん


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