今回のスーパー耐久富士テストにはイップをはじめ、レビュラードライバーのホー・ピン・タン、マーチー・リーもテストに参加。未塗装でカーボンむき出しのホンダNSX GT3で精力的に周回を重ね、日中の3セッション合計で74周を走行し、1分40秒559というベストタイムでST-Xの4番手につけた。
「3セッションのテストは無難に走り切れたと思っている。ただ、NSX GT3にハンコックタイヤを履いて走らせるという経験は僕たちにはないし、新しいドライバーもいる。メカニックも含め、この体制で全員が一緒に仕事をすることは今回が初めてなんだ。すべてが新しい経験だったから、ひとつひとつ学びながらテストを進めていった。そのなかでの収穫も多く、良いテストになったと思っている」とイップ。
また、近年のスーパー耐久では、シリーズ一番の長丁場戦となる富士SUPER TEC 24時間レースに助っ人となるドライバーを起用するケースも多い。すでにKCMGはエドアルド・リベラティの起用を発表しているが、そのほかのドライバーが加わる可能性もゼロではないようで「5人目が必要かどうかについては今議論しているところだ」という。
FIA-GT3車両で争われ、毎戦熾烈を極めるST-Xクラスに参戦するKCMG。2023年シーズンに向けてイップは「まずはアクシデントなく各レースを戦い抜きたい」と意気込みを語った。
「ST-Xはすごくレベルが高いので、そこで好結果を残していくのは簡単なことではない。とにかくベストを尽くしてどうなるか見てみたいと思う。以前はST-TCRに参戦していたけど、今年はGT3に移ることになるので、ドライビングという面でも難しくなると思っている。しっかりと経験を積んでから本番に臨みたい」
さらに、イップにとって日本のコースを走ることは久しぶりということもあり、各サーキットを走るのが楽しみで仕方がない様子だ。
「日本にはさまざまな特徴を持ったサーキットがある。富士は広くてスピード域も高いコースだし、鈴鹿は伝統的なコースだし、もてぎはブレーキングのスキルが求められるコースだ。どのサーキットも特徴的で、その場所でまたレースができることはすごく楽しみだよ。強いて言うなら、富士と鈴鹿が特に楽しみだね!」と笑顔をみせていた。
