Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート
Porsche Team EBI WAIMARAMA
Super Taikyu RACE REPORT
2023 Round.01 SUZUKA
ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook 第1戦 鈴鹿サーキット
2023年3月18日(土)〜3月19日(日) 決勝レース結果:6位
専有走行
3月17日(金) 専有走行1回目/2回目 天候:曇り 路面:ドライ
2021年に結成されたPorsche Team EBI WAIMARAMAにとって3シーズン目となる、2023年のスーパー耐久シリーズの開幕戦がいよいよやってきた。今シーズンも開幕の舞台は、三重県の鈴鹿サーキット。Porsche Team EBI WAIMARAMAは、今シーズンのレギュレーション変更にあわせ体制を新たに構築。EBI GroupでPorsche Proとして活躍している北園将太をAドライバーとして起用し、2022年から継続して参戦する千代勝正、山野直也、そしてKIZUNAというドライバーラインアップが敷かれた。ただ、今回の開幕戦ではKIZUNAが欠場。北園/千代/山野というラインアップで、木曜の特別スポーツ走行は走らず、3月17日(金)の専有走行から週末をスタートさせた。
ただ、レースウイークを前に思わぬトラブルが。チームを率いる立場でもある山野はかつて、レース活動のなかで腰を疲労骨折していたが、ここ数年まったく問題はなかったものの、その痛みが再発してしまったのだ。この日の専有走行は午前に千代と北園がドライブし、午後の混走で山野がドライブ可能かを確認したが、運転中は支障がないものの、乗降時に痛みがあった。規定上決勝で1時間程度は走らざるを得ない。週末に向けチームは乗降の負担が少ないスタートドライバーに山野を据えることになった。
一方で、2022年最終戦で優勝を飾った実績をもつPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは非常に好調。午前は2番手につけ、セッティングも持ち込みから大きく変えることなく初日の専有走行を終えることになった。
フリー走行/公式予選
3月18日(土) フリー走行 天候:雨 路面:ウエット
3月18日(土) 公式予選 天候:曇り〜晴れ 路面:ドライ
3月18日(土)の予選日は、朝から雨模様。午前のフリー走行はウエットコンディションのなか千代と北園とドライブ。午後2時からの予選に臨んだ。ただ、コース上がわずかに濡れていたことから、安全を期して当初のスケジュールから変更。Bドライバー予選から行われることになった。
ここで千代は、今季激戦のST-Zクラスの中ながら、2分10秒379というコースレコードでST-Zクラスのトップタイムをマーク。Aドライバー予選の北園に期待をかけた。
スーパー耐久での初予選に臨むことになった北園は、「やっと少しずつ慣れてきたところです」と予選に臨んだ。今回、北園の年齢から予選では序盤10分間アタックができなかったものの、2周目に2分14秒512を記録。合算で6番手につけ、山野もきっちりCドライバー予選を終えた。
決勝レース
3月19日(日) 決勝 天候:晴れ 路面:ドライ
迎えた3月19日(日)の決勝日。春らしい爽やかな晴天のもと、午前11時45分に5時間の決勝レースのスタートを迎えた。金曜に決めたとおり、スタートドライバーを務めたのは山野だ。
この週末、チームスタッフの手厚いコンディショニングにより、山野は腰の痛みを感じさせないコンスタントなラップを続けていく。フィーリングも良くペースも悪いものではなかったが、ダウンフォースがあるせいかライバルに比べストレートスピードにやや苦戦。同じ718 Cayman GT4 RS Clubsportを使う#19 ポルシェをなかなか抜くことができなかった。
ただ、#19 ポルシェがコースアウトした際に、ようやくこれをオーバーテイク。その後、コース上でストップ車両が出たことでフルコースイエローが導入されるが、この解除後にピットイン。千代に交代する。ただその後、ストップ車両からオイルが出ていたこともあり、レースはセーフティカーランに。本来狙うべきはこのタイミングで、機会を逃さなかったライバルたちに離されてしまった。
千代はその後も好ペースで走行を続けていったが、やはり遅れが大きく69周まで走行を続けていったものの、大きなポジション奪回には至らない。北園に交代した後も、スタートから3時間30分が近づこうかという際にストップ車両が出たことで導入されたセーフティカーの時、北園はAドライバーに求められる規定走行時間を満たしておらず、ドライバー交代をすることができないなど、戦略が噛み合わないままレースを進めることになってしまった。
そんななか、レースは終盤戦に突入していく。ようやく北園が走らなければならない75分のスティントを終え、ピットインしようかと思っていた矢先、ST-5クラスのトップ争いが盛り上がりをみせていた。しかし、130R立ち上がりでトップ争いの2台が接触。姿勢を乱した車両がガードレールに激しくヒットしてしまった。
レースはそのアクシデントの後、すぐにフルコースイエローが導入され、ドライバー救出、ガードレール補修のために赤旗中断となってしまった。このアクシデントで、サーキット中で最も心配した表情を浮かべたのは山野。クラッシュしたのは、山野の実兄である山野哲也選手だったからだ。レースはそのまま赤旗終了となったが、山野は兄に付き添い、鈴鹿市内の病院に直行した。幸い骨折等はあったものの、山野哲也選手の生命に別状はなく、山野はホッと胸をなで下ろした。
Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSの結果は6位。金曜の時点のフィーリングからすれば、表彰台、優勝は十分可能だったために、チームにとってはやや悔しい結果となった。しかし、チームが絶対に勝ちを狙いたい第2戦富士SUPER TEC 24時間レースに向けては、手ごたえを得て開幕戦を終えることになった。
DRIVER COMMENTS
SHOTA KITAZONO 北園 将太
「今週末現地に入ってからがGT4で初めて走る鈴鹿でしたし、土曜は初めての四輪でのウエット走行も体験しました。そこからすぐに予選で、今度はニュータイヤを履くのも初めてと、毎回条件が異なるなかで走ることになりました。そんななかでもふたりのドライバーからデータや映像などをいただき、さまざまな分析をしたおかげで、決勝レースでスピンやクラッシュなく走れたのが何より良かったと思います。もちろんもっと速さがあれば良かったので、次戦はもっと活躍してチームに貢献できるようにしたいと思っています」
KATSUMASA CHIYO 千代 勝正
「レースではピットイン時にグリーンで入ってしまったこともあり、上位のクルマと1周差がついてしまったんです。その遅れを取り戻そうとプッシュしましたし、セーフティカーのチャンスを得ようといろいろなことを考えていきましたが、最後のセーフティカーランでも交代ができず、戦略が裏目、裏目に出てしまったレースになりましたね。とはいえ次戦は富士24時間です。ひとつひとつのチャンスをしっかり得なければいけないと思いますし、戦略もチーム全体がしっかりと意識をもって臨まなければと思っています」
NAOYA YAMANO 山野 直也
「今回はスタートドライバーを務めましたが、ペースは悪くなかったものの、リヤウイングをハイダウンフォース仕様にしていたこともあり、ストレートに苦しむことになってしまいました。直線が速いライバルもいたので、ペースの良さをなかなか繋げることができませんでしたね。その後セーフティカーランのタイミングなどに恵まれず、残念ながら噛み合わないレースになってしまいました。幸か不幸かウエイトハンデを載せられなかったので、万全な体制で富士24時間に挑み、昨年のリベンジをしたいです」