更新日: 2023.05.28 23:06
2023年の富士24時間はレース終盤にドラマ。中升 ROOKIE AMGが大逆転でチーム初の総合優勝を飾る
GT4規格マシンで争われるST-Zクラスは、レース序盤にシェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVOがポールスタートの埼玉トヨペット GB GR Supra GT4をかわすものの、シェイドレーシング GR SUPRAはペナルティや接触の影響で後退。終始トラブルと無縁だった埼玉トヨペット GB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/川合孝汰/野中誠太)が優勝を飾った。
2位争いはこの富士24時間に本山哲とジュリアーノ・アレジを迎えたPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSが優勢に立っていたが、レース終盤に他車との接触の影響でラジエターから液漏れを起してしまう。これで順位を上げたベンチャー投資のファンディーノ Audi R8 LMSが2位、シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVOが3位に続いている。
開発車両が参加するST-Qは、予選から好走を披露したニッサン/NMCのニッサンZ・レーシングコンセプト(平手晃平/佐々木大樹/高星明誠/松田次生)が他を圧倒。大きなトラブルなく24時間を走り切り、ST-Qクラストップとなる総合8位でフィニッシュを果たした。
ORC ROOKIE GR86 CNF ConceptとTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptの“ライバル対決”については、今回もGR86に軍配が上がる。しかしBRZも2周差で食い下がり、それぞれ総合22位、23位でチェッカーを受けている。
今大会が初の液体水素デビューとなるORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptはレース途中で車体側のポンプ交換を行うために長時間のピットストップを行う場面があったものの、初となる他車同様のピットレーンでの“給水素”を行い、総合47位で完走。こちらも今回が初の24時間レースとなるMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは途中ハブボルトが折れてしまうトラブルがあったが、修復を行い総合43位でレースを終えた。
そして2023年の富士24時間から参戦を開始したTeam HRCのホンダ・シビック・タイプR・CNF-Rは、途中マイナートラブルやギヤ系トラブルにより3時間ほどガレージで作業を行う場面があったが、最終的にコース復帰を果たし520周を走破。総合44位でデビュー戦を終えている。
ST-1は予選後のペナルティで5グリッド降格を科されたシンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/吉本大樹/小林崇志/高橋一穂)が、ライバルのD’station Vantage GT8Rに37周差をつけてクラス優勝を飾った。
ST-2はレース中盤までリードしていた新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10が夜間走行中にガレージでの作業を強いられる。代わってクラストップを走行したのは昨年の富士24時間を制しているKTMS GR YARISとなったが、終盤にミッション系トラブルに見舞われてしまい緊急ピットイン、最終的にENDLESS GR YARIS(花里祐弥/石坂瑞基/伊東黎明/岡田整)がレースを制している。
ST-3はポールスタートの15号車岡部自動車フェアレディZ34が夜間走行中にフロントエリアにダメージを負ってしまい後退、これで16号車岡部自動車フェアレディZ34とヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSの争いとなったが、レース残り1時間で16号車岡部自動車フェアレディZ34がリペアエリアでの修復作業を余儀なくされたことにより、ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWS(近藤説秀/石森聖生/鶴賀義幸/尾崎俊介/石塚崇宣)が優勝となった。
ST-4は夜間走行中に上位を争っていたシェイドレーシング GR86およびトップのTOM’S SPIRIT GR86が脱落、さらにライバルのWeds Sport GR86、odula TONE MOTUL ROADSTER RF、エアバスター WINMAX GR86 EXEDYにも相次いでトラブルが発生したことで、ペナルティを受けながらも生き残った全薬工業 G/MOTION’GR86(塩谷烈州/瀬戸貴巨/山本謙悟/ピストン西沢/窪田俊浩)が制している。
最多12台がエントリーしたST-5は、クラスポールを奪ったLOVEDRIVE ロードスターをかわしたDIXCELアラゴスタNOPROデミオ(西澤嗣哲/大谷飛雄/小西岬/野上敏彦/山本浩朗/上松淳一)がクラストップに立つと、ほぼノートラブルで24時間を走破して優勝を飾った。2位争いはレース終盤に白熱の様相を呈し、前戦大クラッシュのOHLINS Roadster NATSを駆る山野哲也がポジションを守り抜き、復活レースで2位表彰台を獲得してみせた。