更新日: 2023.06.23 14:15
エンツォ・トゥルーリがSFLのSUGO大会で初の2位表彰台を獲得。3戦連続入賞も果たす
エンツォ・トゥルーリ選手が、SFL菅生大会で3戦連続入賞、初の2位表彰台を獲得!
今シーズンより『モビリティ中京TOM’S 320』を駆り、伝統あるTOM’Sより全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権に参戦しておりますエンツォ・トゥルーリ(イタリア出身・18歳)が、6月17〜18日に宮城県・スポーツランドSUGOにて開催された『全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権Round4/5/6』に参戦し、第4戦で5位、第6戦で4位、そして第6戦で初の2位表彰台を獲得しました。
エンツォ・トゥルーリは、元F1ドライバーであり、モナコGPのウイナーでもあるヤルノ・トゥルーリ氏の長男で、2021年にカートからFIA-F4にステップアップし、UAE-F4シリーズでチャンピオンを獲得。2022年にはFIA-F3とユーロフォーミュラ・オープン選手権で活躍し、本年度から全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権を戦いの場に選んだ18歳になったばかりのレーシングドライバーです。
5月に開催されたオートポリス大会、そして今回のスポーツランドSUGO大会と、初めて走るサーキットが連続するうえ、貴重な2日間の練習走行日が雨で、予選、決勝日が晴天というルーキーにとっては厳しい状況が続きました。
本大会も、木曜日の午前中のセッションがウエットからドライ、そして午後は完全なウエットとなり、金曜日は午前中のセッションが雨のためキャンセル、午後も雨脚こそ弱まりましたが完全なウエット路面での走行という状況でした。
6月17日土曜日の予選は快晴。しかも強烈な日差しによって、木曜日のドライ路面時と比べ、21度も路面温度が上昇したなかでの予選となり、エンツォ・トゥルーリは第4戦予選が1分15秒591で7番手、そして第5戦予選は1分14秒943で6番手というスタート順位となりました。
第4戦はスタート直後に1台がストールし、第4コーナーで2台が接触する事故もあって1周目を5番手で戻ってきたエンツォ・トゥルーリは、セーフティカー解除後から激しくプッシュし続け、時に全体のなかでトップタイムをマークする速さを見せながらも、オーバーテイクの難しいスポーツランドSUGOだけに、そのまま5位でチェッカーとなりました。
日曜日の第5戦では、多くのマシンが新品に近いタイヤを投入するなか、スターティンググリッドが第4戦の結果で決まる(5位)第6戦のために新しめのタイヤを温存し、距離を走ったタイヤを装着して第5戦に臨みました。
またしても素晴らしいスタートで1コーナーまでに4位までポジションをアップしたエンツォ・トゥルーリは、なんとか新しいタイヤを装着するトップグループに追いすがり、セーフティカー導入中にタイヤを温存し、レース再開後も後方から迫るライバルたちを抑えきって4位入賞。またしてもポイントを加算しました。
そして第6戦では、ライバルたちよりフレッシュなタイヤのアドバンテージを存分に生かし、スタートダッシュで3位まで浮上。そのままハイペースで前を行く2台を追い続けたところ、ラスト3周で首位を走るチームメイトにトラブルが発生し、2位へと浮上。優勝を狙って更なる追い上げを開始しましたが、わずかに届かずチェッカー。それでも嬉しい2位初表彰台を獲得しました。
■エンツォ・トゥルーリのコメント
「TOM’Sの一員として、日本で初の表彰台を獲得できたことが本当に嬉しいです。素晴らしいスタートで、5番手から3番手までジャンプアップ。アウトサイドから狙ったのが功を奏しました。そのあとはフラガ選手と平良選手にプレッシャーをかけられるようプッシュし続けました」
「でもこのサーキットは本当に抜くのが難しく、毎回フラガ選手に近づくたびに、フロントのダウンフォースが抜けるせいでグリップが不足し、後ろに下がるしかなかったです。だからペースをキープして、絶対にミスをしないように集中し、タイヤとマシンをできる限り理解することを意識して走りました」
「シーズン開幕から知らないサーキットばかりで厳しいとは思っていましたが、さらにこの2大会は、最初の2日間のテストデーがウエットで、予選がドライという状況に、本当に苦しめられました。でも自分自身の成長を感じていますし、チームと一緒に一所懸命に頑張っています。どんどん人間関係も構築できています。次の鈴鹿はすでに走ったことがあるサーキットですから、もっと強い自分を見せられると思いますし、鈴鹿ではチームのみんなと一緒に優勝を目標に頑張ります」
■吉武聡チーフエンジニアのコメント
「今回も雨にやられました。木曜日のフリー走行で少しドライ路面が走れたけれど、そのときの路面温度と予選の路面温度が21度も違ったので、同じセットアップでも全然グリップ感がないとエンツォ選手は感じたはずです。でもそれを平良選手はうまくアジャストしてタイヤの熱の入れ方を考えたからポールポジションが獲得できたわけで、そのあたりがまだ経験不足」
「でもレースのペースは悪くないですし、前をいくマシンに近づきすぎるとダウンフォースが抜けてしまうので、もしエンツォが先頭を走れていたら、ベストタイムは平良選手と同じくらいで走れていたと思います。エンツォ選手にとって、今後は予選が鍵となるはずです。鈴鹿、富士はテストしたことがあるサーキットだけに楽しみです」
■山田淳チーム監督のコメント
「まったく知らないサーキットでも、雨でいきなり速いドライバーだから大丈夫ですよ。本来はもっと練習で走らせてあげたいけど、天候に悪戯されて練習できないのがエンツォ選手にとって厳しいところ。トムスとしてもテストの機会を与えてあげたいですが、たまたま学校の卒業試験と重なって来日できないとか、学生ならではの難しいところもあります。それでも決勝レースのペースは全然悪くないですし、予選さえうまくまとめて前からスタートできれば、間違いなく勝てるドライバーだと思います」