更新日: 2023.06.23 14:33
デビッド・ビダーレス 2023スーパーフォーミュラ・ライツ第2大会 レースレポート
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第2大会で、デビッド・ビダーレスを襲った不運と試練
全日本フォーミュラ・ライツ選手権第2大会スポーツランドSUGOは、6月17日(土)に第4戦/第5戦の公式予選が行われ、MIMがマネージメントするデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING320)は第4戦では1分15秒285をマークして6位、第5戦では1分15秒142をマークして7位という結果でした。
今回も事前に6月15日(木)から2日間行われた専有走行がほぼ完全なウエット路面。そして天候が急激に好転し、予選、決勝はドライ路面という、まるで前回のオートポリス同様の難しい状況下でのレースとなってしまいました。
午前11時からの第4戦予選。デビッド・ビダーレスはコースインしてタイヤを温めると、3周目に1分15秒405、そして続く4周目に1分15秒285をマークして6番手。続く第5戦予選では、早めのアタックで3周目に1分15秒142をマークしたのですが、最終的には7番手で予選を終えました。
6月17日土の午後4時にフォーメーションラップがスタートした第4戦決勝、3列目イン側からスタートしたデビッド・ビダーレスは、不運にも第4コーナーでイン側から他車に接触され、コースオフ。セーフティカーが出されるなか、なんとかコースに復帰し、ピットに戻りました。
マシンに大きなダメージはなかったものの勝機は失ってしまったので、ファステストラップ狙いで再スタート。最後尾から8番手まで追い上げ、1分15秒676のファステストラップを刻みましたが、その後、優勝した選手がそれを逆転。さらにデビッド・ビダーレスにはセーフティカー導入時のコースイン手順違反(停止信号無視)でドライビングスルーペナルティが課されてしまい、レース結果は不本意な11位完走に終わりました。
6月18日(日)の午前9時にスタートした第5戦決勝では、予選7番手からスタートを見せたデビッド・ビダーレスは、第1コーナーを5番手でクリア。さらにペースを上げ、前を行くマシンを激しく追走し続けましたが、オーバーテイクポイントの少ないスポーツランドSUGOでは、テール・トゥ・ノーズまで迫るものの抜ききれず、そのまま5位でチェッカーを受けました。
第6戦のスターティンググリッドは、第4戦の正式結果の順となるため、デビッド・ビダーレスは最後列11番手からのスタートとなりました。素晴らしいスタートを見せて1周目を8番手で戻ってきたデビッド・ビダーレスは、その後も追撃の手を緩めず走り続け、上位陣でのマシントラブルやペナルティもあり、最終的に6位完走を果たし、2戦連続でポイントを獲得しました。
■デビッド・ビダーレスのコメント
「今週末も、予想以上に厳しい週末になりました。練習走行が雨で、予選、決勝は晴れという不運な状況は誰もが同じだとは思いますが、それに加えて運も自分には味方しなかったと思います。事前テストでは、ドライ路面もウエット路面もトップタイムをマークしていただけに自信はあったのですが、路面コンディションや気温の変化は激しく、アジャストしきれない悔しさが残る予選でした」
「第4戦はスタート直後にイン側から当てられて、すべてが終わりました。しかし諦めることなくピットで修復し、ファステストラップ狙いで再びコースインしました。できることはすべてやりましたし、ペースは速かったと思います。第5戦、第6戦に向けてマシンのバランスチェックもできました」
「続く第5戦はスタートも決まり、ハイペースで走り続けることができましたが、前を行くマシンを抜くまでには至らず5位でチェッカーを受けました。第6戦はグリッドも後方からのスタートでしたが、最後まで諦めずにプッシュして、ポイント圏内でフィニッシュすることができました」
「自分にとって良いウイークエンドとは言えませんでしたが、速さを見せることはできましたし、できることはすべてやり、いい経験を積めたと思っています。次の鈴鹿サーキットは練習でも良い感触を得ていますし、予選からポールポジション、そして優勝を狙って頑張りますので、応援よろしくお願いします」
■チーフエンジニア内間淳のコメント
「速さはあるドライバーだと再確認できましたが、噛み合わない週末でした。路面温度が急激に変化したことで、木曜日のドライ路面と予選のドライ路面でのタイヤのグリップ感が大きく異なり、そこに戸惑ってしまったと思います。デビッド・ビダーレス選手は、ウエットでのマシンコントロール能力が素晴らしく、粗削りですが魅力あるドライバーです。早くスーパーフォーミュラに乗せたいドライバーのひとりですね」
■B-MAX RACING TEAM代表 組田龍司のコメント
「ハイスピードコースであるSUGOは、走行経験の少ないドライバーにはハイリスクなサーキットです。ハイスピードコーナーが得意なデビッドにとって、相性の良いコースではありましたが、オートポリス大会同様、木曜日、金曜日がフルウエットコンディションになったことで、全くドライタイヤの確認ができず、不利な状況になってしまいました」
「また、事前テストと路面温度、気温ともに大きく変わってしまい、セットアップに対し、ドライブフィールが変わってしまったことで予選順位をあげる事ができませんでした。パッシングポイントが少ないSUGOで予選で下位に沈んだのは、かなり厳しい状況になったと思います」
「決勝については、予想どおり順位変動の少ないレースとなり、不運な接触もありリザルトは残せませんでしたが、雨のセッションでは抜けた速さを披露し、コンディション次第では次の鈴鹿ラウンドに大きな期待を持てると思っています。シーズンはまだ3分の1しか終わっていません。まだまだチャンスがあるので、我々も頑張って彼をサポートしていきます」