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投稿日: 2023.07.06 17:46

デビッド・ビダーレス 2023スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会 レースレポート


国内レース他 | デビッド・ビダーレス 2023スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会 レースレポート

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第3大会、
勝機を逃したデビッド・ビダーレスの後悔と進歩

 全日本フォーミュラ・ライツ選手権第3大会鈴鹿は、7月1日(土)に第7戦/第8戦の公式予選が行なわれ、MIMがマネージメントするデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING320)は第7戦では1分54秒207をマークして6位、第2戦では1分54秒605をマークして7位を獲得しました。

 6月29日(木)から2日間行われた専有走行は、ドライ路面で初日を終え、2日目の午後がウェット路面となったことで、まずまずのテスト内容となりました。初日は1分55秒566で総合8番手、2日目は1分54秒785で総合7番手という結果でした。

 第7戦予選は12時45分から10分間。デビッド・ビダーレスはコースインしてタイヤを温めると、3周目に1分54秒261で6番手タイムをマーク。続く第8戦予選は4周目に1分54秒605をマークし、7番手という結果でした。

 7月1日(土)の16時20分にフォーメーションラップがスタートした第7戦決勝、スタート直前から雨が降り始め、スリックタイヤとレインタイヤを装着するマシンが混在するなか、デビッド・ビダーレスは上位陣と同様にスリックタイヤを装着してスタートを切りました。

 しかし1周目にアクシデントがありセーフティカーが導入され、そのタイミングでデビッド・ビダーレスは迷うことなくピットでレインタイヤを装着。最後尾からレースに復帰しましたが、セーフティカー解除直後から素晴らしいペースで次々と前車をパス。4周目には4番手まで浮上し、第1コーナーで3番手までポジションを上げると、5周目のコントロールラインは2番手で通過。

 勢いに乗って6周目のヘアピンでトップに浮上し、8周終了までトップを独走しました。しかし、8周目にリヤタイヤに異常を感じたデビッド・ビダーレスは、ずるずると順位を落としてしまい、最終的には6位チェッカーとなりました。

 7月2日(日)の9時15分にスタートした第8戦決勝では、好スタートを見せたデビッド・ビダーレスは、130Rでひとつポジションを上げ6番手に浮上。そのまま最後までポジションをキープし、6位でチェッカーを受けました。

 同日13時55分にスタートした第9戦では、第1戦の正式結果により3列目6番手グリッドからスタートしたデビッド・ビダーレスは、またしても好スタートを見せてポジションをアップし、2周目の第1コーナーで前を行くマシンをパスして4番手へと浮上。

 8周目まで4番手を死守していましたが、9周目のシケインで後続にパスされ5番手にドロップ。さらに11周目の攻防戦で軽い接触によってリヤタイヤがパンクしてしまい、残念ながらピットに戻ってそのまま10位完走という結果に終わりました。

■デビッド・ビダーレスのコメント

「鈴鹿は、自分にとって予想以上に厳しい週末になってしまいました。マシンの状態がセンシティブ過ぎるというか、セットアップを少し変更するだけで大きくバランスが変化してしまい、セットアップを煮詰め決めきれなかったです」

「それでも高速コーナーは問題なかったのですが、ヘアピンやシケインでブレーキがロックしてしまう症状が直しきれず、最後まで苦しみました」

「第7戦は、セーフティカーが出たタイミングでレインタイヤに交換する作戦は正しく、自分もウェット路面でハイペースで走れたのでトップに立つことが出来たのですが、残念ながらリヤタイヤが終わってしまい、結果を残すことができませんでした」

「第8戦はコンスタントな走りはできたのですが、ブレーキング時の挙動が不安定で、攻め切れないまま終わってしまいました。第9戦までにデータを見直してセットアップを変更したのですが、やはりシケインのブレーキングが難しく、バトルでの接触もあって結果は残せませんでした」

「速さには自信があるのですが、今回のような状況に陥らないようにエンジニアと一緒にデータ解析を進め、マシンを完璧な状態にして富士のレースに臨みたいと思います」

2023スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会 デビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)
2023スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会 デビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)

■チーフエンジニア内間淳のコメント

「今回はデビッド・ビダーレス選手にとって流れが悪かったですね。高速コーナーでは飛び抜けた速さを見せてくれるのですが、低速コーナーのブレーキング時の挙動に問題があり、最後までセットアップで解決できませんでした。コンマ数ミリの違いだとは思うのですが、次のレースまでに問題を解決して、早く初優勝をさせてあげたいです」

■B-MAX RACING TEAM 代表 組田龍司のコメント

「前回の菅生に続き、ハイスピードコースである鈴鹿は、デビッド・ビダーレス選手にとって持ち味を生かせるコースレイアウトだったと思います。前回までの大会は、雨の時期ということもあり、木曜日、金曜日が雨、土曜日、日曜日がぶっつけ本番の晴れとなり、難しい条件が重なりました」

「今回の鈴鹿は比較的安定した中での開催となりましたが、その分、気温と路面温度の上昇が激しく、日本でのレースを経験したことがないドライバーにとっては、セットアップを進めるうえで判断が難しい条件だったと思います。そんな条件の中、ほんの少しのズレが大きく結果に左右する予選となりました。予選は満足がいく結果になりませんでした」

「続く初日の決勝は、グリッドで雨が降ってくるという、またも難しいコンディションでのスタートとなりました。後方3台を除く全車がドライタイヤでスタートし、1周目のS字区間で接触コースアウトによるセーフティカー導入となりました」

「B-MAXチームの菅波選手とデビッド・ビダーレス選手はエンジニアの的確な判断によりレインタイヤにチェンジして追い上げを開始しました」

「こういった難しいコンディションでデビッド・ビダーレス選手は素晴らしいドライビングを見せ、一時はトップまでポジションを上げましたが、不慣れな日本の気象条件により、厳しいタイヤコンディションのなか、タイヤを持たせることができず、順位を落とすことになってしまいました」

「リザルトは不本意なものとなりましたが、条件の合っている時の速さは素晴らしく、もし次に同じような条件で走ることができれば、経験を生かして良い結果を出せるであろうと期待できる走行を見せました」

「続く第2戦、第3戦は安定したドライコンディションでのレースとなりましたが、急激に上がった路面温度や、この条件でのタイヤマネージメントが初めてだったこともあり、順位を上げることができませんでした」

「ここまでの戦いのなかで、未経験の部分におけるパフォーマンスが噛み合わず、結果を残すことができていませんが、本質的に持っているスピード感覚は素晴らしいので、次戦の富士に期待したいと思います」

「富士からは、再び去年同様のヨコハマタイヤに戻ることもあり、よりコーナーリングスピードの高いヨコハマタイヤでのレースは、デビッド・ビダーレス選手にとっては良いほうに行くと思っています。次回は確実に表彰台、チャンスがあれば複数回の優勝を狙って欲しいと思います」


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