Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第3戦SUGO レースレポート
Porsche Team EBI WAIMARAMA
Super Taikyu RACE REPORT
2023 Round.03 SUGO
ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE
第3戦 SUGOスーパー耐久3時間レース
2023年7月8日(土)〜7月9日(日) 決勝レース結果:4位
専有走行
7月7日(木) 特別スポーツ走行 天候:晴れ 路面:ドライ
7月8日(金) STEL専有走行1回目/2回目 天候:曇り 路面:ドライ
前年の悔しさを晴らすべく、必勝を期して臨んだPorsche Team EBI WAIMARAMAにとってはまたも悔しい結果で終えることになった第2戦富士SUPER TEC 24時間レースから1ヶ月強。2023年のENEOSスーパー耐久シリーズは第3戦を迎えた。舞台は宮城県のスポーツランドSUGO。今回は2グループに分かれた3時間レースで争われることになる。
そんな一戦に向けチームは、今回第2戦に続いての参戦となるKIZUNAをAドライバーに据え、千代勝正と山野直也、そして開幕2戦でAドライバーだった北園将太をDドライバーに据えるラインアップを組んだ。ただ今回は3時間レースということもあり決勝を走るドライバーは3名。北園はSUGOの経験を積むことがメインだ。
迎えたレースウイーク初日となる7月7日(木)は午後0時から25分間ずつのスポーツ走行が3回設けられたが、酷暑となった初日はKIZUNAと千代が走行。フィーリングは良好で、7月8日(金)に行われた2回の専有走行でも、合流した山野と北園とともに、4人のドライバーが交代してラップを重ねていった。
チームは昨年もこのSUGOでは表彰台を獲得しており、相性が悪いコースではない。専有走行1回目では1分29秒619を記録しクラス3番手につけるなど、感触は上々。特に第2戦から変更されたブリヂストンタイヤとの合わせ込みも進んだ。ただ気になったのは、今回導入されたレインタイヤ。ポルシェには暫定的な仕様が用意されており、どんなポテンシャルを発揮するのかはまだ未知数と言えた。
公式予選
7月8日(土) フリー走行 天候:雨 路面:ウエット
7月8日(土) 公式予選 天候:曇り 路面:ドライ
迎えた7月8日(土)の予選日は、朝から雨模様。午前のフリー走行はウエットコンディションのなか、Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSを千代とKIZUNAがドライブ。雨が止み、路面がほぼ乾いた状態で迎えた午後の公式予選に臨んだ。ただ、予選開始後も時折雨が舞い、難しい状況の中での予選となった。
Aドライバー予選では、まずはKIZUNAが前年の自身のタイムを大きく上回る1分30秒614を記録し8番手につけると、続くBドライバー予選ではさらに状況が難しくなるなか、千代が1分26秒775とコースレコードを更新する快走をみせトップタイムを記録。合算では7番手につけた。
Cドライバー予選では山野が1分29秒575を、Dドライバー予選では北園が1分33秒012を記録し、決勝に向けた準備を整えた。
決勝レース
7月9日(日) 決勝 天候:曇り 路面:ドライ
7月9日(日)の決勝日は、午前のグループ2の決勝後、インターバルをはさみ午後1時55分からグループ1の決勝レースを迎えた。インターバルの間は陽も差し気温が上がったが、グループ1の決勝が近づくにつれて雲が広がり、フォーメーションラップ時には小雨も舞いはじめた。
Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSのスタートドライバーを務めた千代は、そんなコンディションのなか1周目に6番手につけると、#34 アウディを先頭とした2番手争いに加わっていく。いずれもプロがドライブしており見どころ満点のバトルとなっていったが、千代はそんななか21周目には#20 Z GT4を、31周目には#26 Z GT4をパス。さらに39周目には今季連勝を飾っている#52 GRスープラGT4をかわすなど、さすがの実力を披露した。
千代は長いスティントをこなすと、「何かあったタイミングをうまく拾いたい」とピットインする好機をうかがったが、フルコースイエローが出されたタイミングをうまく使い55周を終えピットイン。第2スティントを担当する山野に交代する。ただ、ここでタイヤ交換に少し時間がかかってしまった。チームは左側2本交換を行うことになったが、4本交換と同じくらいの時間を要してしまう。ただ、その後も山野が順調にスティントをこなしていくと、68周目にフルコースイエロー〜セーフティカーが出たタイミングをうまく活かしピットイン。最後のスティントをKIZUNAに託すことになった。このタイミングで1回目のピットインのロスをある程度挽回することができた。
KIZUNAにとっては1時間をしっかり走り切り、ポジションを守っていきたい。ピットアウト後、まだ最後の作業を行っていなかったチームがいたが、全車が作業を終えてみるとPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSの順位は2番手。KIZUNAは粘りの戦いを続けていった。
しかし、後方からは中盤にAドライバーを乗せ、終盤プロドライバーを起用した#26 Z GT4、そして#20 Z GT4が急速なペースで接近してくる。KIZUNAはなんとか防戦を試みるも、107周目には#26 Z GT4の先行を許してしまう。それでもなんとか表彰台を確保したかったが、110周目には#20 Z GT4がPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSをかわしていくことに。KIZUNAは最後まで奮闘をみせたが、4位でフィニッシュすることになった。
今季はさらに激戦の度合いを増すST-Zクラスで、Porsche Team EBI WAIMARAMAはなかなか表彰台に届くことができていない。しかし、千代の速さが示すとおりポテンシャルがあることは間違いない。Porsche Team EBI WAIMARAMAは第4戦オートポリスには参戦せず、優勝を飾った実績がある験の良いモビリティリゾートもてぎでの第5戦での逆襲を期する。
DRIVER COMMENTS
KIZUNA キズナ
「悔しいですね。プロの皆さんはやはり速いです(苦笑)。タイヤが良い状況ではそれなりに走れますが、消耗してくるとやはりね。それでもクラッシュしてしまってはいけませんし、そうするとタイムが伸びないしで、ずっと葛藤しながら走っていました。もともとこのSUGOはあまり得意ではなかったのですが、走るにつれて理解が進んできましたし、自分の課題も分かっていました。それを克服しきれなかったところは悔しいですけどね。とはいえレースを楽しむことができました。次回参戦するときまた頑張りたいですね」
KATSUMASA CHIYO 千代 勝正
「楽しいレースでしたが、3時間レースを組み立てる難しさがありましたね。KIZUNA選手のドライブの時間を考えつつ、セーフティカー等をうまく使おうと思っていました。序盤からクルマの調子は良かったのですが、最初のピットインでタイムロスをしてしまったので、それはもったいなかったです。KIZUNA選手も最後は頑張ってくれましたが、大変な思いをさせてしまいましたね。もう少し前半に貯金を作っておきたかったですが、難しいです。次のもてぎは得意なコースですし、レベルが高い中ですが勝ちたいです」
NAOYA YAMANO 山野 直也
「今回は決勝レースでもいろいろなことがうまくいったので、今シーズンで言えばベストレースになったと思います。ただピットでナットが噛んでしまい、四輪交換と同じくらいの時間がかかってしまったので、そのロスがもしかしたら結果に響いたかもしれません。とはいえみんなが良くやってくれましたし、それは結果にも表れたのではないでしょうか。次戦オートポリスはお休みとなりますが、もてぎは得意なコースですし、ウエットタイヤの新しいもの、ブレーキも良いものが投入されるとのことなので、期待したいですね」
SHOTA KITAZONO 北園 将太
「今回は決勝レースではドライブせず、専有走行と予選に参加させていただきましたが、短い時間のなかで経験を積ませていただいたことに感謝しています。3時間レースに参加するのは初めてでしたが、短いなりの難しさや、ひとりひとりのドライバーの力が出ることを感じることができました。今回は外から見ることでよりいろいろなことを吸収することができたと思いますし、新しい経験をすることができたと思っています。そういった経験を与えてくれる体制を作ってくれたチームにも改めて感謝したいですね」