更新日: 2023.07.30 22:45
「ドンピシャ」の中升 ROOKIEと「ガッカリ……」のHELM。運命を分けた113周目のFCY
一方、完璧に近いレース運びをみせていながら、FCY導入のタイミングで最終ピットの機会を逸してしまった1号車のHELM MOTORSPORTS GTR。歓喜に沸く14号車陣営とは打って変わり、“落胆”にも似た雰囲気が1号車ピットに漂っていた。
特にエースドライバーでありチームを牽引する立場にある湧也は「ガッカリです……」と元気ない一言だけに終わった。いつもは細かく丁寧にコメントしてくれているだけに、表現しきれないほどの悔しさを感じているのが、こちらにも伝わってきた。
FCY導入直前の段階で14号車の約28秒前方を走っていた1号車。第3スティント担当の玲次によると、コースオフ車両がいるという一報が入った段階では、すでにピット入口付近まで到達していたとのこと。「グラベルに車両が止まっていると連絡が来たのは、僕が最終コーナーを立ち上がってからでした。14号車は僕たちの30秒くらい後方にいたので、恐らく彼らは(ピットインするか否かを)考える時間があったのだと思います」と肩を落とした。
Aドライバーの鳥羽も「最終コーナーに入るタイミングであれば判断がついたかもしれないですけど、最終コーナーを立ち上がった後だったので……」と悔しい表情をみせていた。しかし「本当に前を向いて頑張るしかないです。ポイント争いも細かいことを考えないで、ポールポジションを獲ってトップを狙っていくしかないです!」とコメントし、落胆から立ち直れない様子の平木兄弟を鼓舞していた。
次回のモビリティリゾートもてぎは、ファクトリーが近いHELM MOTORSPORTSにとって地元コースになる。ニッサンGT-RニスモGT3との相性という面で少しの不安要素もあるようだが、ランキングトップの14号車と比べると45kg軽いウエイトハンデで臨めるだけに、次回こそ目が離せない存在になることは間違いないだろう。