迎えた決勝でも、5時間の長丁場レースをトラブルなく安定したペースで周回を重ねたRacer HFDP CIVIC。初レースながら総合12番手でチェッカーを受け、GT4車両で争われるST-Zクラスの中団グループと遜色ない走りをみせた。
「日本では1台目で、これが初めての参戦です。とにかく壊さないように少しマージンを持った走りをしていました。もちろん、セットアップもこれから煮詰めていく感じですので、さらにクルマが仕上がっていけば、もっと戦闘力を発揮するのではないかなと思います。ロングランに関してもまったく問題なかったので、これからが楽しみなクルマです」
数年前は多種多彩な車両が参戦し、シリーズのなかでも注目クラスとして位置付けられていたST-TCRクラス。現在はGT4車両にブームが移行している印象で、昨年は2台のみのエントリーにとどまり、今季もこの第4戦から新旧シビック・タイプR TCRが参戦を開始するという流れになっている。
「TCRクラスはスーパー耐久でも以前はすごく盛り上がっていたんですけど、今は2台のみのエントリーになっています。ただ、世界的に見ると非常に人気のあるカテゴリーです」と遠藤。
「今回登場した新型ホンダ・シビックのTCR車両は本当に良いクルマなので、ぜひ皆さんにも乗っていただいて、この車両でレースしてもらえればなと思います」と、今後のST-TCRクラス発展を期待していた。
そんな97号車シビック・タイプR TCRには、以前から中野信治も一員として深く関わっている。今回はスケジュールの都合で参戦が叶わなかったが、遠藤によると「次回のもてぎから中野選手も加わります」とのこと。これからのセットアップを含め、耐久レースのフィールドでマシンの熟成が進んでいくことを考えると、FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRはますます目が離せない1台になりそうだ。


