更新日: 2017.03.12 18:17
50年の歴史が1日に。富士50周年イベント『FUJI WONDERLAND FES!』は盛況に終わる
■富士と言えば“グラチャン”。往年の名車が復活
富士スピードウェイ初のビッグレースとして開催された第3回日本グランプリ。その後も日本GPは自動車メーカーの威信をかけた戦いとして、日本中の注目を集めた。
そして1971年から89年まで、富士スピードウェイを舞台に開催され大人気を博したのが『富士グランチャンピオンレース』。GCやグラチャン等さまざまな愛称があったが、この日は大切に保管されてきた日本GP、そしてGC車両がなんとオープニング直後から13台も走行した。
車両はコンディションも良好なマシンも多く、とくに大嶋和也がドライブした1969年のトヨタ7やタキ・レーシングのローラT70 MkIII、北野元のニッサンR381など、非常に貴重なマシンが競演した。
また、富士では忘れてはいけないマイナーツーリング車両も多数が走行。ハコスカのスカイラインGT-Rも含め、東名サニーやトリイサニー、浅野自動車スターレット、ファミリアロータリークーペといった1970年代の名車たちが元気な姿をみせた。
■80年代から現代まで。富士で名勝負を繰り広げたマシンたち
クラシックレーシングカーばかりだけではない。今回のイベントでは、1980年代から現代までに至るレーシングカーが多数走行した。
“ツーリングカー”枠の中では、高い人気を誇った1982年のトミカ・スカイラインターボRSをはじめ、グループAのR32カルソニックスカイライン、そしてJTCCのカストロール無限アコードといった90年代の名車が登場。JGTC/スーパーGTのエッソウルトラフロースープラ、ZENT CERUMO SC430と、時代を超えた競演が実現した。
また、フォーミュラも時代の移り変わりを感じさせるものになった。2013年まで現役だったスーパーフォーミュラSF13・トヨタをはじめ、フォーミュラ・ニッポン時代のローラB99/51、F3000時代のキャビンカラーのローラ、F3のラルトなどが混走。特に、当時高村一明が駆ったF3、片山右京が駆ったF3000という2台のキャビンカラーの競演は印象深いものだった。
■あの名勝負が再現! 50年の歴史が濃縮
この日のメインとも言えたのは、1976年にF1が日本で初めて開催された際の『F1イン・ジャパン』の再現。今回のイベントのために海外から運ばれたマクラーレンM23、フェラーリ312T2、そしてクラシックF1でも活躍する久保田克昭が所有するロータス77、さらにウルフWR1という4台の当時のF1が揃い、当時さながらに走行を行った。
また、いまだに多くのファンをもつグループCカーはトヨタ、ニッサン、マツダ、ポルシェ、MCSグッピーと合計7台が走行。中嶋悟がトヨタ85C-Lを駆るなど、いずれも当時現役で戦ったドライバーたちが乗車する豪華な内容となった。
イベントの最後には、現在富士で開催されているインタープロト・シリーズによる『FISCOレジェンドカップ』が開催され、現役ドライバーと往年の名ドライバーたちがコンビを組んで戦った。こちらもふだんのスーパーGTではあり得ないような、メーカーを枠を超えたコンビが多数実現。最後は、本来ドライブするはずの星野一義が安田裕信に自らのヘルメットだけ被せピットアウトするという“ちょっぴりズル”をした星野/安田組が優勝。スタンドからは大きな笑いが起きた。
この『FUJI WONDERLAND FES!』は、コースやピット棟3階での多数のレーシングカーの展示、トークショー等で1966年からの50年の歴史を1日で振り返ることができ、かつ当時から現在までのスタードライバーたちが集結する、まさに富士スピードウェイのこれまでの歩みを振り返ることができる濃密なイベントと言えた。